京都市左京区 江文神社
八朔踊・・・ 9月1日に近い土曜日
夕刻より子供さんたちの八朔踊が始まりました。①八朔は『田の実の節句』八朔とは旧暦の8月1日のことですね。
旧暦は新暦より約一か月遅れとなるので、新暦換算すると9月ごろが八朔です。
八朔は早稲の穂が実るころです。
江文神社の近くの田んぼでも稲が実っていましたよ。
農民の間には、お世話になった人々へ初穂をお贈る風習がありました。
初穂=田の実ということで、八朔は『田の実の節句』と言われることもありました。。
『田の実』は語呂合わせで『頼み』に通じるので、武家や公家の間でも、八朔に贈り物をする習慣が生じたと考えられています。
②八朔踊地域の氏神の祭祀に携わる村落内の組織のことを宮座といいます。
八朔踊はそういった宮座行事です。
江文神社の宮座には長男は15歳、次男以下は17歳で加入するのがしきたりで、主にそういった若い青年たちによって踊られます。
午後8時ごろより青年たちによる八朔踊がはじまりまーす。
③道念音頭は声明と関係ある?曲は道念音頭といって楽器を用いない独特のものです。
道念の意味を調べてみたところ、①道徳の観念、②道義心・求道心。③僧侶の妻。とありました。
道念音頭の道念は②の道義心・求道心を意味しているのではかと思います。
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VPS道念音頭を歌っていた素敵なお嬢さんが歌詞を記した冊子を見せてくださいました。(ありがとうございます!)
恋人たちが京都めぐりをする歌だということでした。
いいですね~。たまにはカメラ持っていかずに京都でデートしたい!
(カメラ持っていくと写真撮るのに夢中になって、男は二の次になってしまう~)
えー、ここ大原は昔から融通念仏や天台声明が盛んに行われていました。
声明とは仏典に節をつけたもののことです。
動画お借りしました。動画主さん、ありがとうございます。
日本版アカペラのゴスペルというべきか…。美しいですね!
アカペラで歌う道念音頭は、この声明と関係ないですかね?
④大原雑魚寝かつて江文神社には節分の夜に雑魚寝する習慣があって大原雑魚寝と呼ばれていました。
むかし井出(かつて江文神社のあたりの地名を井出といった)の大淵に大蛇があらわれて人を食べるので、村中の男女は節分の日に江文神社の拝殿に参籠したといわれています。
そして、この夜にどのような情事があっても見逃したということです。
残念ながらというべきか(笑)、この習慣は明治以前に禁止になりました。
古代の日本には歌垣と呼ばれるフリーセックスの習慣があり、そのようすが歌にも詠まれています。
……率(あども)ひて 未通女壮士(おとめおとこ)の 行き集(つど)ひ かがふ刊歌(かがい)に 人妻に 吾(あ)も交はらむ 吾が妻に 人も言問(ことと)へ……(高橋虫麻呂)
大原雑魚寝はこの歌垣の伝統をひきつぐものであったのかもしれませんね。
⑤歌垣や大原雑魚寝は荒霊と和霊を和合させる呪術だった?歌垣は単なる乱交パーティーではなく、信仰からくる習慣ではないかと思います。
神はその現れ方によって、御霊(神の本質)、荒魂(神の荒々しい側面)、和魂(神の和やかな側面)の3つに分けられるといわれます。
そして男神は荒魂、女神は和魂をあらわしているのではないかとする説があります。
とすれば御霊は男女双体ということになると思います。
御霊・・・神の本質・・・・・・・男女双体
和魂・・・神の和やかな側面・・・女神
荒魂・・・神の荒々しい側面・・・男神聖天さんという像頭・男女双体のみほとけがいます。
動画お借りしました。動画主さん、ありがとうございます!
聖天さんには次のような伝説があります。
インドのマラケラレツ王は大根と牛肉が大好物でした。
牛を食べつくすと死人の肉を食べるようになり、死人の肉を食べつくすと生きた人間を食べるようになりました。 群臣や人民が王に反旗を翻すと、王は鬼王ビナヤキャとなって飛び去ってしまいました。
その後ビナヤキャの祟りで国中に不幸なできごとが蔓延しました。そこで十一面観音はビナヤキャ女神に姿を変え、ビナヤキャの前に現われました。女神は『仏法を守護することを誓うならおまえのものになろう』と言い、ビナヤキャは仏法守護を誓いました。 聖天さんは仏教の神ですが、江戸時代まで神仏は習合されて信仰されていました。
この聖天さんの伝説は、この御霊・和魂・荒魂をあらわしたもののように思えます。
御霊・・・神の本質・・・・・・・男女双体(聖天)
和魂・・・神の和やかな側面・・・女神(ビナヤキャ女神)
荒魂・・・神の荒々しい側面・・・男神(ビナヤキャ)
つまり、荒魂と和魂を和合させて男女双体の神とすることが、荒魂を鎮めて御霊とする呪術ではないかと思うのです。
歌垣や大原雑魚寝はそういった呪術的意味合いから行われていたのではないでしょうか?
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毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!

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[2017/09/04 23:13]
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