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浦安市郷土博物館 屋形船 『屋形船のルーツはあの世からやってきた船だった?』 


2017年7月下旬 撮影


①浦安の屋形船

浦安 境川

ここは千葉県浦安市の境川。舟が浮かんでいますね。

浦安 昭和39年ごろの境川の写真 
上は案内板にあった昭和39年ごろの境川の写真です。
いい写真だなあ~。
かつての境川の周辺には民家が立ち並び、小舟がたくさん浮かんでいたのですね。

浦安市郷土博物館 川と舟

浦安市郷土博物館に昔の境川の町並が再現されていましたよ。

浦安市郷土博物館 船宿

船宿も再現されていました。

船宿とは屋形船を釣舟を運行させる店のことで、江戸時代の江戸・大阪などにつくられました。

東京メトロ東西線浦安駅から西へ徒歩5分くらいのところに、現在も数件の船宿があります。

浦安 船宿 夕景 

②龍頭鷁首舟

平安時代には貴族が池に龍頭鷁首舟を浮かべて宴を行ったという記録があります。

大覚寺 観月の夕べ

大覚寺 龍頭鷁首舟

③屋形船は恐ろしいものだった?

しかし屋形船のルーツはさらに古く、万葉集にも屋形船を詠ったものがあります。

沖つ国 うしはく君が 塗り屋形 丹塗りの屋形 神が門渡る


この歌は、「怕(おそ)ろしき物の歌三首」のなかの1首です。
つまり、「屋形船とは恐ろしいものだ」という意味にもとれるのですが、なぜ屋形船は恐ろしいものなのでしょうか?

「沖」は「奥」と同根で、「遠い奥のほうにある場所」を意味します。
「沖つ国」は、「海の彼方にある死者の国」のことで、「常世の国」ともいいます。
「常世の国」と言われるのは、その国へ行った死者は不老不死になるとの信仰からきます。

「うしはく」は漢字では「領く」と書き、「領地としておさめる」「支配する」という意味です。

つまりこの歌は「死者が住む沖つ国(常世の国)を支配する神の丹塗りの屋形船が、神の海峡を渡っていく」という意味になります。

浦安 屋形船 夕景

④沖つ国をうしはく神とはスサノオだった?

「沖つ国」は、「海の彼方にある死者の国。」
ということは、海神の住む竜宮が沖つ国だということでしょうか?

イザナギはこう言っています。
「天照大神は高天原を、月読命は夜の食国を、スサノオは大海原をおさめよ」
そのため、海神とはスサノオと同一神だと考えられています。

沖つ国をうしはく神とはスサノオのことなのかも。

スサノオは牛頭天王と習合され、八坂神社などで疫神として祀られています。
つまりスサノオは死者が住む国を支配する王であり、また疫病を流行らせる神でもあります。

古にもっとも恐れられたのは天然痘で、多くの人が天然痘にかかって亡くなっています。
奈良時代には藤原四兄弟がつぎつぎに天然痘にかかって亡くなっていますね。

そのスサノオが海峡を渡って沖つ国からこの世にあらわれ、疫病を流行らせるという意味なのかもしれませんね。
それで、「怕(おそ)ろしき物の歌三首」のなかに入れられているのかも?

浦安 屋形船 夕景


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[2017/08/12 14:58] 千葉県 | トラックバック(-) | コメント(-)