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西遊寺 久修園院 雪 『行基四十九院と家型の四十九院』 

京都府八幡市 西遊寺
大阪府枚方市 久修園院


①橋本寺と西遊寺


京阪橋本駅を下車すると駅の東にの南に西遊寺があります。

西遊寺 雪 
西遊寺

昔、このあたりに行基ゆかりの寺・橋本寺があったみたいですね。

1570年、増上寺第10世法主の感譽上人(田原城主北条氏康の次男)が、奥橋本山から現在の地に橋本寺を移され、西遊寺と寺号を改めたそうです。

奥橋本山がどこなのか、調べてみましたがわかりませんでした~。

増上寺は東京都港区にある浄土宗の寺院で、徳川家の菩提寺でした。

増上寺と東京タワー

増上寺

②渡しと山崎橋と橋本の地名の由来

増上寺は去年の秋に参拝してきたので記憶に新しいです。
東京タワーがまるで仏塔のように、大殿の背後にそびえたっていました。

橋本渡舟場 道標 

対する西遊山の前には火の見櫓がたっており、その下には石の道標があって「橋本渡舟場三丁」と記されていました。

橋本駅の西には淀川があります。
その淀川を渡る渡しが、この石碑から3丁(1丁/1町は109.09091 mなので約327m)ほど行ったところにあったということでしょう。

渡しが運行する以前、淀川には山崎橋という橋がかかっていたそうです。
橋本という地名の由来はこの山崎橋に由来するのですね。

③日本三古橋

山崎橋は日本三古橋のひとつで山崎太郎と呼ばれています。
他の二つは瀬田の唐橋(勢多次郎)と宇治橋(宇治三郎)で、こちらは現在もあります。

建部大社 船幸祭 花火2 
瀬田次郎

今は山崎橋も渡しもありません。
淀川の向う側に渡ろうと思うと、京阪電車に乗って八幡市駅まで行かないと橋がありません。
橋本駅から淀川対岸の水無瀬神宮や離宮八幡宮まではすぐなのに、淀川を渡れないのですーーーー。
山崎橋、復興させてーー!

④行基四十九院

山崎橋は725年に行基がかけたと言われています。
行基は山崎橋をかけた際、橋の近くに久修園院(くしゅうおんいん)を創建しました。
久修園院は行基四十九院のひとつとされています。

久修園院の住所は大阪府枚方市ですが、さきほどの西遊寺から歩いてすぐです。

行基は畿内に多くの寺を建てており、それらの寺を総称して行基四十九院と言います。

久修園院 雪4 
久修園院

⑤行基は本当に49の寺、5つの港、ため池、橋を作ったのか?

行基は山崎橋のほかにもいくつかの橋をかけたと言われています。
行基が作ったとされるため池や、行基が開いたという温泉もあります。
また、摂播五泊といって、摂津から播磨にかけて5つの港を整備したともいいます。

これが事実なら、行基はとてつもなくパワフルな人物だったといえるでしょうが
いくらなんでも数が多すぎるような気がします・・・・。

久修園院 雪3 
久修園院

⑥四十九院

行基四十九院の49という数字は「四十九院(しじゅうくいん)」からとった縁起担ぎではないかと思います。

四十九院にはいくつかの意味があります。

①兜率天(弥勒菩薩が住んでいるところ)の内院にある摩尼宝殿と、その周囲にめぐらされた48の宮殿。

②平安時代以降、兜率天の49の宮殿になぞらえて、寺院の境内に建てた49のお堂。

③鎌倉時代以降、墓の前面に6基、後面に15基、左右にそれぞれ14基、合計49の塔婆をたてた埋葬の形式。


行基は奈良時代の人物なので、おそらく①の四十九院にちなんで、行基が49もの寺を建てたという伝説が作られたのではないでしょうか。

あるいは本当に行基は49の寺を創建したのかもしれませんが、もしそうだとすれば、行基は兜率天の四十九院になぞらえて、49の寺を創建したのだと思います。

久修園院 雪2 
久修園院

⑦家型の埋葬施設と輿

ですが、③の埋葬施設と行基にも関係がありそうに思います。

http://seikouminzoku.sakura.ne.jp/sub7-12.html

上記サイトによると、四十九院と呼ばれる埋葬施設には、家形をしたものもあるとしています。
そしてこの四十九院のことを、東京都多摩郡檜原村笛吹では輿(こし)というと記しています。

行基が生まれたのは現在大阪府堺市西区で、ここにある家原寺(えばらじ)は行基が生家を寺に改めたものだと言われています。

また行基の父親は高志才智(こしの さいち)という名前だったようです。

家原と聞いて、家型の埋葬施設・四十九院が並べられた野原を想像してしまったり
行基の父親・高志才智(こしの さいち)は四十九院が輿(こし)と呼ばれることと関係があるのでは
なーんんて考えてしまう私は頭がいかれているのか?

久修園院 光明殿 雪 
久修園院 光明殿


毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!

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[2017/01/30 00:00] 大阪・京都・奈良 | トラックバック(-) | コメント(-)