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待乳山聖天 大根まつり 『聖天さんと人日の節句』 


東京都台頭区 待乳山聖天
大根まつり・・・1月7日


待乳山聖天 巾着 
①大根まつり

1月7日、浅草の待乳山聖天では大根まつりが行われ、参拝者に風呂吹き大根がふるまわれます。

待乳山聖天では聖天さん(大聖歓喜天)をお祀りしています。
聖天さんとは像頭をした男女双体のみほとけです。



動画お借りしました。動画主さん、ありがとうございます!

②聖天さんはなぜ大根が好物なの?

聖天さんは大根が好物だとされ、待乳山聖天では二股大根のモチーフがいたるところにあります。
なぜ聖天さんの好物が大根だとされているのでしょうか?

大根は直根の先端にある生長点が石ころなどにあたると、側根が肥大して二股になってしまうことがよくあるそうです。
古の人々は二股の大根を、二本の大根がくっついていると考えたのではないでしょうか。
それで大根は好物というよりも、男女双体の聖天さんにふさわしいシンボルであると考えられたのではないかなあ、などと思ったりします。

待乳山聖天 二股大根


③1月7日(人日)は犯罪者の刑罰を行わない日。

待乳山聖天の大根まつりが行われる1月7日は人日です。

古代中国では奇数を陽の数字、偶数を陰の数字としていました。
月と日が一桁の数字で同じ奇数になる日は、陽+陽=陰になるとして、避邪の行事を行っていました。
これを五節句といいます。
ただし1月1日は元旦なので、1月7日を節句としていました。
すなわち、五節句とは1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日のことを言います。

待乳山聖天 奉納された大根 

待乳山聖天を参拝する人は大根を奉納して祈願します。


そして1月七日を人日の節句、3月3日を上巳の節句、5月5日を端午の節句、7月7日を七夕の節句、9月9日を重陽の節句とも言いました。

1月7日を人日と言うのは、古代中国で1月1日を鶏の日、2日を狗(犬)の日、3日を猪〈豚)の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を馬の日、7日を人の日としていたことに由来します。

そしてそれぞれの日にはその動物を殺さないという習慣がありました。
1月7日の人日には犯罪者の刑罰を行ない日とされていました。

待乳山聖天-引換券 

大根の切り口をデザインした素敵な紋

④聖天さんの伝説

聖天さんには次のような伝説があります。

インドのマラケラレツ王は大根と牛肉が大好物でした。
牛を食べつくすと死人の肉を食べるようになり、死人の肉を食べつくすと生きた人間を食べるようになりました。 
群臣や人民が王に反旗を翻すと、王は鬼王ビナヤキャとなって飛び去ってしまいました。
の後ビナヤキャの祟りで国中に不幸なできごとが蔓延しました。
そこで十一面観音はビナヤキャ女神に姿を変え、ビナヤキャの前に現われました。
女神は『仏法を守護することを誓うならおまえのものになろう』と言い、ビナヤキャは仏法守護を誓いました。 

つまり、聖天さんとは鬼王ビナヤキャ(=マラケラレツ王)とビナヤキャ女神(十一面観音の化身)の男女双体のみほとけなのです。

上の動画をもう一度見てください。
相手の足を踏みつけているほうが、十一面観音の化身ビナヤキャ女紳です。

待乳山聖天 大根まつり 3


⑤鬼王ビナヤキャは犯罪者?

人日に待乳山聖天で大根まつりが行われているのは偶然ではないと思います。
聖天さんの男神である鬼王ビナヤキャ=マラケラレツ王は生きた人間を食べる犯罪者だったといえるでしょう。
そのため犯罪者の処刑を行わない人日に、鬼王ビナヤキャの供養として大根まつりが行われているのではないでしょうか?

待乳山聖天 大根まつり-行列 

待乳山聖天 大根まつり-2

待乳山聖天 大根まつり 

お下がりの大根をふろふき大根にして参拝者にふるまわれます。

待乳山聖天 ふろふき大根 
袋に入っているのはお持ち帰り用の大根です。

待乳山聖天 桜レール 

桜レール


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[2017/01/13 00:25] 東京都 | トラックバック(-) | コメント(-)