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鞍馬の火祭 『鞍馬に海賊が現れた?②』※追記あり 

鞍馬の火祭 『鞍馬に海賊が現れた?』  の続きでーす。

由岐神社 割拝殿
由岐神社 割拝殿

鞍馬の火祭は鞍馬寺境内にある由岐神社の祭礼です。

●氏子さんたちのいでたちは海賊のいでたちだった?

前回、鞍馬の火祭りの氏子さんは船頭篭手(せんどうごて)を身に着けていますが、これは藤原純友率いる海賊たちのいでたちではないかと書きました。

鞍馬は山中なのに船頭篭手って違和感がありますよね。

鞍馬の火祭 
向かって右の男性が腕につけているのが船頭篭手

940年9月9日、由岐明神は宮中から鞍馬へ遷宮されました。
このとき、平将門の乱は平定されていましたが、藤原純友の乱はまだ平定されていませんでした。
そこで由岐明神が鞍馬へ遷宮されたのは、藤原純友の乱平定を祈願するためではないかと私は考えました。
そして鞍馬の火祭は藤原純友の霊が海賊たちによって鞍馬に運ばれている様子を表しているのではないか、と思ったのです。

鞍馬の火祭2

●由岐 明神はうつぼ明神?

由岐明神は靭(ゆき)明神とも呼ばれています。
靭とは矢を入れる道具のことで、『うつぼ』とも読みます。

ウツボという魚もいますね。 



ウツボは凶暴な魚で『海のギャング』とも言われます。
ウツボは海賊の首領だった藤原純友のイメージにぴったりだと思うんですが、どうでしょうか?

靭明神とは魚のウツボの神であり、藤原純友のことじゃないかと思います。

鞍馬の火祭3

●日振島とウツボ

紀伊半島・四国・九州・沖縄ではウツボを食べるそうです。
おいしいそうですよ。一度食べてみたい!

で、海のギャング=海賊の首領こと私たちの藤原純友が本拠地としていたのは日振島です。

下は豊後水道および宇和海の地図です。
西には九州の大分県、東には四国の愛媛県があります。
地図上の宇和海という文字の下にwような形をした島が見えます。これが日振島です。

日振島でもウツボを食べる食習慣があったことでしょう。



●日振島は火振島?

日振島という地名の由来について、ウィキペディアには次のように記されています。

昔から船の往来があり、島民がたいまつの火を振ることで灯台の代わりをしたことに因む、との説がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%8C%AF%E5%B3%B6#.E5.9C.B0.E5.90.8D.EF.BC.88.E5.B3.B6.E5.90.8D.EF.BC.89.E3.81.AE.E7.94.B1.E6.9D.A5 より引用 

もしかして、鞍馬の火祭で用いられるたいまつは日振島の島民たちが灯台がわりに振っていたたいまつがルーツだったりして?! 

鞍馬の火祭 お旅所

 画質がわるくてすいません!

●チョッペンはカシオペア座と日振島を表している?

終電に間に合わなくなっていまうので泣く泣く帰宅したんですが、鞍馬の火祭では深夜チョッペンの儀が行われます。

チョッペンの儀とは二人の青年が脚を上向けに開脚して2つのV字形=W字形を作るというものです。
成人式の意味合いがあるなどと言われています。

↓ すばらしい動画があったのでお借りしました。動画主さん、ありがとうございます!



私はこのチョッペンの儀は日振島を表していると思います。



どうでしょう?形がにていませんか?

またチョッペンや日振島はカシオペア座にも似ています。

カシオペア座   
ヘタクソな図ですいません~。

カシオペア座のWは向かって左側のVが広いのに対し、日振島のWは向かって右側のVが広くなっていますね。
だけど上図のカシオペア座は地球上から空を見上げたときの形です。
星が天球に貼りついているものとして、天にいる神様が天球の上から眺めるとカシオペア座は日振島と同じように向かって右側のVが広い形に見えるはずです。



●錨星(カシオペア座)が北斗七星をつなぎとめる。

古の日本では、カシオペア座は北極星より下にあってW字形のときは錨星、北極星より上にあってⅯ字形のときは山形星と呼ばれていました。

カシオペア座 錨星 山形星  

錨とは綱や鎖をとりつけて海底や川底に沈めるもののことで、海賊の首領・藤原純友と関係が深そうに思えます。
http://image.search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&p=%E9%8C%A8 (錨の画像)

山形星(カシオペア座)と北斗七星

カシオペア座が錨星のとき、北極星を挟んだ上部には北斗七星があります。
錨星は北斗七星をつなぎとめているようにも見えます。

●北斗七星と平将門


北斗七星といえば平将門です。
加門七海さんが将門関連史跡の鎧神社・鬼王神社・築土八幡・神田明神・将門の首塚・兜神社・水稲荷神社をつなぐと、北斗七星の形になると指摘されているのです。

また将門の子孫を称する相馬家は家紋に『繋ぎ馬』を使用していました。↓

File:CrestOfSoumaClan.jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:CrestOfSoumaClan.jpg?uselang=ja より引用
作者/正親町三条さん

私は繋ぎ馬の紋は北斗七星を表しているのではないかと思います。
馬の頭から首にかけては北斗七星の枡の部分、胴の部分は持手部分ではないでしょうか。

●馬は北斗七星と錨星に繋ぎ留められている?

 飛鳥昭雄さんによれば古事記・神世第4代に登場する角杙神・妹活杙神という神名の『杙』とは牛や馬を繋ぎとめておくためのものであるといいます。

ヘブライ語で『角』と『光る』はどちらも『krn』と記します。
つまり角とは光のことで、角杙神とは光りながら地球のまわりを回る神=太陽、妹活杙神の活とは『満ち欠けする』の意で、満ち欠けしながら(活)地球の周りをまわる女神=月のことであるというのです。

飛鳥さんの説をヒントに考えてみたのですが、繋ぎ馬紋の馬を繋いである二本の杭のうち、ひとつは北極星、もうひとつは錨星(カシオペア座)を表わしているのではないでしょうか?

鞍馬の火祭5

●鞍馬七福神

鞍馬寺の山門をくぐるとケーブルカーがあって鞍馬山上の多宝塔前まで行けるんですが
ケーブルカーに乗らずに向かって左手の参道をのぼっていくと途中に由岐神社があります。
由岐神社からさらに参道をのぼっていくと双福園(恵比須天・大黒天を祀る)・福寿星神祠(福禄寿・寿老人を祀る)・巽の弁才天社(弁才天を祀る)・弥勒堂(布袋尊を祀る)・開運毘沙門天祠(毘沙門天を祀る)が次々に表れます。
これらは鞍馬七福神と呼ばれています。

鞍馬七福神 弥勒堂
鞍馬七福神 弥勒堂

●鞍馬寺境内に北斗七星と錨星があった!


高田祟史さんは七福神は北斗七星として祀られ、北極星の周囲を永遠に回り続けるという呪術がかけられているとおっしゃっていました。
鞍馬七福神は北斗七星の神を祀っているのではないでしょうか。
この鞍馬七福神の配置が北斗七星の形になっていたら面白かったんですが、そうはなっていませんでした~(笑)。

そしてこの鞍馬七福神の下に由岐神社があるというわけです。

鞍馬七福神=北斗七星=平将門?
由岐神社=靭(ゆき)明神=ウツボの神=海のギャング=藤原純友?=日振島=錨星(カシオペア座)

※追記
七福神信仰は由岐明神が遷宮された940年にはまだなかったかもしれません。
しかし古より北極星や北斗七星に対する信仰がありました。
鞍馬寺には古より北斗七星に対する信仰があったのではないでしょうか。
そしてその北斗七星に対する信仰を受けて、鞍馬七福神は作られたのではないかなあと思ったりします。


http://www.kuramadera.or.jp/annai.html(鞍馬寺境内図)

すると上の境内図の⑱「いのちの像」が北極星を表しているのかも?
「いのちの像」は鞍馬寺の御本尊・尊天(宇宙のエネルギーを象徴する神)をあらわすものとされます。

鞍馬寺 いのちの像 
鞍馬寺 命の像

いのちの像は由岐神社と鞍馬七福神をつなぐ場所にありますし、何より3つの輪がついたこの形・・・。

全ての星は北極星を中心にして回りますね。
まるで北極星には宇宙を回転させるパワーがあるかのようです。

いのちの像とは北極星の像であり、須弥山(かな?)にかかる3つの輪は宇宙を回転させるパワーのように見えてしまいます。

いのちの像は新しいもののように思えますが、いのちの像が建てられた場所は古から何か言われのあった場所なのかもしれませんね。

ううーん、だんだん由岐明神を鞍馬に遷宮させたことの意味が見えてきたように思えます。

鞍馬の火祭6

●鞍馬寺に棲むタゴカエルは平将門の化身?

鞍馬寺の奥の院あたりにはタゴカエルという蛙が生息しているそうです。
そして東京にある平将門の首塚にはガマの置物を奉納する習慣があります。

将門の首塚

平将門は藤原秀郷・平貞盛らに討伐されたのち、京の鴨川のほとりで首が晒されていました。
ところがあるとき首が空に舞い上がり、故郷へ戻って落ちたという伝説があります。
そこで「無事帰る」の語呂合わせから蝦蟇の置物が奉納されているのだと言われています。

私は蛙は人間の頭蓋骨を表しており、将門の首塚に蝦蟇の置物が奉納されているのは、将門がドクロの神だからではないか考えていますが、長くなるのでこれについてはコチラの記事をお読みください。
金峯山寺 蔵王堂 蓮華会 蛙飛行事 『蛙と空飛ぶドクロ』 

ともかく、このタゴカエルの鳴き声は人々に平将門を思わせたことでしょう。
人々はタゴカエルの鳴き声を聞いて「平将門の怨霊の声だ!」と思ったかも。



●鞍馬七福神・由岐神社に仕掛けられた呪術

藤原純友の乱はいまだ平定されない。
その上、鞍馬に平将門の怨霊が現れた。
これは大変、なんとかしなくては。
そうだ、いい方法がある!

平将門は北斗七星の神である。
そして錨星の形をした日振島を本拠地とする藤原純友は錨星の神である。
鞍馬七福神を北斗七星の神(平将門)として祭り、北極星(いのちの像の場所?)に繋ぎ止めよう。
さらに由岐明神を錨星の神(藤原純友)として祭り、北極星と繋ぎ止めよう。
こうすれば、北斗七星の神(平将門)と錨星の神(藤原純友)は北極星を挟んで繫がれる。
暴れまわる馬・平将門の怨霊も、海のギャング・藤原純友の錨で繋ぎ止めれば暴れることはないだろう。
さらに藤原純友(錨星)は北斗七星のひしゃくで水を濯がれ、溺れて死ぬだろう!

このような呪術が鞍馬にはかけられているのではないかと思います。

※ユーチューブの動画はお借りしたものです。動画主さんたち、ありがとうございます!

鞍馬の火祭7 



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[2016/10/23 00:00] 京都の祭 | トラックバック(-) | コメント(-)