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喜光寺 蓮 ひまわり 『試みの大仏殿』 

喜光寺 本堂 蓮


●ふたつの創建年


喜光寺にはふたつの創建年が伝えられています。
①『行基年譜(1175年)』・・・721年、寺史乙丸が住居を行基に寄進。722年に行基が寺とした。

②『菅原寺記文遺戒状』・・・715年、元明天皇の勅願によって創建された。

また、聖武天皇が参詣したさい、本尊より不思議な光が放たれ、これを喜んだ聖武天皇が「菅原寺」から「喜光寺」という寺名に改めたという伝説が伝えられています。

菅原寺と呼ばれていたのはこの地が菅原と呼ばれているからです。

●試みの大仏殿

行基は東大寺大仏殿の十分の一の大きさで喜光寺を建てたという伝承があり、そのため本堂は「試みの大仏殿」と呼ばれています。
(ただし室町時代に再建されていますが。)

東大寺 中門 大仏殿

東大寺 中門と大仏殿

喜光寺 門 本堂 
喜光寺 南大門と本堂

●715年は志貴皇子の薨去年
『菅原寺記文遺戒状』は喜光寺の創建を715年としていますが、万葉集詞書はこの年志貴皇子が薨去したと記しています。

●食い違う志貴皇子の薨去年

ところが、日本続記や類聚三代格は、志貴皇子の薨去年を716年としていて万葉集詞書と食い違っています。

●志貴皇子暗殺説

笠金村という人が志貴皇子の挽歌を詠んでいます。
高円の 野辺の秋萩 いたづらに 咲きか散るらむ 見る人なしに
(高円山の野辺の秋萩は、むなしく咲いて散るのだろうか。見る人もなく。)
この歌は志貴皇子が人知れず死んだことを思わせます。

御笠山 野辺行く道は こきだくも 繁く荒れたるか 久にあらなくに
(御笠山の野辺を行く道は、これほどにも草繁く荒れてしまったのか。皇子が亡くなって久しい時も経っていないのに。)


こちらの歌は『志貴皇子が死んだのはついこの間のことなのに、野辺道がこんなに荒れているのはなぜなのだ』といぶかっているように思えます。

これらの歌から、志貴皇子は715年に暗殺され、その死が1年近く隠されていたのではないか。

のちに志貴皇子の子の光仁天皇が即位しているところから、志貴皇子には正当な皇位継承権があったのではないかというのです。

喜光寺 ひまわり 

喜光寺 本堂 花はひまわりかな?


●志貴皇子暗殺の首謀者は誰?


715年は元正天皇が即位した年でもあります。
元正天皇は女性だったのですが、甥の聖武天皇がまだ若かったため、中継ぎの天皇として即位したのです。
私は元正天皇が皇位につくために志貴皇子を暗殺したのではないかと考えています。

●大仏殿は長屋王の怨霊封じ込めのお堂?

東大寺の大仏は長屋王の怨霊封じ込めの像であるとする説があります。

729年、長屋王は謀反を企てたとして厳しい取り調べを受け、自殺においこまれました。(長屋王の変)

当時、聖武天皇と夫人の藤原光明子の間には男子がなく、長屋王は皇位継承に近い立場にありました。
そのため藤原四兄弟(藤原武智麻呂・房前・宇合・麻呂)が長屋王を廃するためにしくんだ陰謀であると考えられています。

長屋王の変ののち、藤原光明子は人臣として初の皇后となり、藤原四兄弟が政治の実権を掌握しました。
ところが737年、藤原四兄弟は流行っていた天然痘にかかって次々に死亡し、長屋王の怨霊の仕業であると怖れられました。
また大地震がおこったり、740年には藤原広嗣の乱がおこりました。

そこで聖武天皇は長屋王の怨霊を封じ込めるみほとけとして大仏をつくったのではないか、というのです。
とすれば、大仏殿は怨霊封じ込めのお堂ですね~。

喜光寺 蓮  

●「試みの大仏殿」伝承の真実?

東大寺大仏殿が長屋王の怨霊封じ込めの寺ならば、喜光寺は志貴皇子の怨霊封じ込めの寺なのではないでしょうか?

長屋王の怨霊が登場するまで、奈良で一番の怨霊は志貴皇子だったことでしょう。
ところが、志貴皇子を上回る強烈な怨霊の長屋王が現れ、藤原四兄弟は長屋王の怨霊の祟りで次々に死んでいったのです~。
長屋王の怨霊封じ込めのため大仏殿は作られたのではないでしょうか?

そのため、志貴皇子を慰霊する寺・喜光寺の本堂は「長屋王以前の古い怨霊を封じ込める寺」という意味で「試みの大仏殿」と呼ばれたのではないかと思ったりします。

喜光寺 阿弥陀三尊像


 喜光寺の仏像は嬉しいことに撮影okです。
仏像の撮影okのお寺が増えるといいなあ~。


毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!

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[2016/07/29 01:19] 奈良県 | トラックバック(-) | コメント(-)