奈良市虚空蔵町 弘仁寺
2009年7月5日 撮影●算額いきなりですが、数学の問題です。
立方体の中に植物の種子が容器いっぱいにつまっている。
その立方体の1辺の長さは何程か。
ただし一立方尺につき種子は2700万個入っている。
種子の総数は2極 2969載 0597正 6716澗 3346溝 2837穰 7778秭 6001垓 6443京 5427兆3280億万数なり。
(解答は文末をご覧ください。)
これは弘仁寺に奉納された算額に記された数学の問題です。
算額とは江戸時代に、額に数学の問題や解法を記して寺社に奉納したもののことをいいます。
みなさま、極、載なんて単位、知っていましたか?
恥ずかしながら私はひどい数字アレルギーで数字が並んでいるのを見ると頭が痛くなってきます。(汗)
●虚空蔵菩薩は知恵を授けてくださる神様弘仁寺のご本尊・虚空蔵菩薩は知恵を授けてくださる神様として信仰されています。
算額が奉納されているのはそのためなのでしょう。
京都・虚空蔵法輪寺のご本尊も虚空蔵菩薩で、十三歳になった子供が十三まいりする習慣は、別名「知恵もらい」と言われています。
ここ弘仁寺も春には十三まいりする人で賑わうそうですが、7月の弘仁寺は訪れる人もなく、ひっそりとしています。
境内に咲く美しいのうぜんかずらを独り占めです。
●金星の神弘仁寺には明星天子像もあり奈良国立博物館に寄託しています。
明星とは金星のことです。
虚空蔵菩薩を御本尊とする京都の法輪寺にはかうて三光明星尊を祀る葛野井宮( かずのいぐう)があったそうですし
岐阜県大垣市の明星輪寺の御本尊は虚空蔵菩薩です。
このように虚空蔵菩薩と明星(金星)は関係が深いのです。
虚空蔵菩薩は金星を神格化した菩薩だと聞いた記憶があります。
そういった関係から弘仁寺には明星天子像があるのでしょう。
法輪寺
●丑寅年生まれの守り本尊
記紀神話には星の神は天津甕星(別名・カカセオ)たった一柱しか登場しません。
日本書紀には『天津甕星は葦原中国平定において、最後まで抵抗した荒々しく凄まじい神である』と記されています。
私が読んだ日本書紀の現代語訳本には天津甕星は『のちに言う金星』であるとも記されていました。
そして金星を神格化した虚空蔵菩薩は丑寅年生まれの守り本尊でもあります。
干支の丑寅(艮)は方角では東北を意味していますが、丑寅の方角は鬼が出入りする方角、鬼門として忌まれてきました。
上の写真は京都御所の猿が辻ですが、東北に角を作ることを忌んで、角を内側に凹ませてあります。
また、温羅という鬼は別名を丑寅御前ともいい、丑寅は鬼そのものをさす言葉でもあったようです。
陰陽道では祟り神は神として祭り上げればご利益を与えてくださる和霊に転じると考えますが、虚空蔵菩薩とは祟り神である鬼が和霊に転じたものではないかと思ったりします。
(解答は6兆7662億2540万1695間5尺だそうです。)
毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!
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