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東大寺大仏殿 仏像 夕景 『フラッシュが美術品を劣化させるというのは迷信だった?』 

奈良市雑司町 東大寺

 東大寺 大仏殿 大仏
大仏

仏像の撮影は禁止というお寺が多い中、嬉しいことに大仏殿の仏像は撮影okです。
私はフラッシュ(ストロボ)を使わずに感度をあげて撮影しましたが、フラッシュを使っての撮影もokです。
フラッシュを使って撮影すると平面的になりがちで難しいとは思うんですが
状況によってはバウンズさせたり、デュフューザーを用いたりすると効果的に撮れたりすることもあるようです。

今回は、このフラッシュについての興味深い記事を見つけたのでご紹介します。

東大寺 大仏殿 虚空蔵菩薩
虚空蔵菩薩

●フラッシュ撮影は仏像や美術品を劣化させることはない。

フラッシュ撮影ってホントに芸術作品をダメにするの? 素朴な疑問を検証
 ↑ 上記の記事に次のような内容が記されています。

1995年にナショナル・ギャラリー(ロンドン)がフラッシュ(ストロボ)による劣化を調べるための実験を行った。

3つのサンプルを用意。
①90cm離れた場所に着色パネルと染布を設置し、7秒おきにフラッシュをたく。これを100万回以上繰り返す。
②90cm離れた場所に着色パネルと染布を設置し、7秒おきにフラッシュをたく。これを100万回以上繰り返す。
 ただしフラッシュは①と同型のフラッシュからUVブロックフィルターを除去したものを使用。
③通常の照明をあてるだけ。

※記事の説明がわかりにくいのですが、①②③とも同じ照明をあてた上で、①と②はフラッシュをたくということだと思います。
また、①と②のフラッシュを焚いた回数は同じということでしょう。

東大寺 大仏殿 如意輪観音 

如意輪観音

【実験結果】
②は目に見える程度に色素が薄くなっていた。
①と③は濃度計でわずかな変化を計測したのみ。また①と③は全く同じ数値を示した。

つまり、UVブロックフィルターのついた通常のフラッシュは、美術品などに全く影響がなく
濃度計でわずかに計測した変化は、ストロボによるものではなく、照明によるものだということですね。

外付フラッシュ、内臓フラッシュのほとんどのものはUVブロックフィルターつきなので
フラッシュを使用しても仏像や美術品を劣化させることはないというのです。

東大寺 大仏殿 広目天 

広目天

●カメラメーカーさんは実験をして実験結果を公表してほしい!


これが本当だとしたら、カメラメーカーさんは「フラッシュ撮影が美術品を劣化させる」としてフラッシュ撮影を禁止している美術館や観光施設に対して、抗議するべきじゃないかなあ?
「うちの製品の性能をみくびってもらっちゃあ困る!」とかなんとか言って。

ぜひ、カメラメーカーさんには、これと同じような実験をして実験結果を公表していただきたいです。

東大寺 大仏殿 多聞天 

多聞天

●科学的に間違ったことを根拠にするのはおかしい。

フラッシュ禁止の理由は「仏像や美術品を劣化させる」というだけでなく、他の理由もあるだろうとは思います。
上記サイトには、次のような理由が記されています。

①著作権侵害のおそれがある。
②写真撮影することで来場者の流れが止まると入場者が減り収益が減ってしまう。
③ギフトショップの売り上げが落ちる。
④テロリスト対策

あとは、フラッシュの光が他のお客さんの目に入って迷惑になるというようなこともあるでしょうか。

流鏑馬などでフラッシュを使わないようにと指示があるのは当然のことと思います。
このあいだ牧場に行ったんですが、馬はとても神経質で後ろでちょっと人が動いただけでびっくりするんですよ。
フラッシュにびっくりしてパニック状態になったりするかもしれませんので。

でも、フラッシュの光が美術品を劣化させるというのはどうやら迷信のようなので、
科学的に間違ったことを根拠にしてフラッシュ撮影禁止だというのはおかしいですよね。

中には「撮影を許可するとフラッシュを使う人がいるので、撮影自体を禁止にした」と説明されている観光施設もありました。
こういう観光施設は即刻撮影okにしていただきたいです。

堂々と「ギフトショップの収益が落ちるのでストロボ撮影禁止です」という美術館や観光施設などがあったら
それはそれで、かえってかっこいいと思いますけどね(笑)。

東大寺 二月堂より大仏殿を望む 
二月堂より大仏殿を望む


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[2016/07/14 00:00] 奈良県 | トラックバック(-) | コメント(-)