カニをひっくり返してみると、筋肉が折りたたまれるようになっています。
→ http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/kikaku/14marisai/figs/photo17.jpg
千手千足観音さまはたくさんの脚が並んでいて、縦に筋が入っているように見えますが、これはカニの腹部の筋肉を表しているのかも?
●娘を助けた蟹の正体は観音様だった?
蟹といえば、京都府木津川市にある蟹満寺を思い出します。
蟹満寺には次のような伝説が伝えられています。
昔、この地に住む娘が近所の人がとらえた蟹をたすけて逃してあげました。
その後、この娘の父親が、蛇が蛙を飲み込もうとしているところに遭遇しました。
父親は蛇に「自分の娘をあなたの嫁としてさしだすので、蛙を助けてあげてほしい」といいました。
蛇は蛙を飲み込むのをやめ、夜になって娘をもらうためにやってきました。
娘の父親は「3日後にきてくれれば娘をさしあげる」といい、観音経を唱え続けました。
すると蟹が大勢の仲間を引き連れてやってきて、蛇を殺しました。
蟹もまた死んでしまい、蟹と蛇を弔うために蟹満寺が建てられました。
娘を助けた蟹は観音様の化身なのではないでしょうか。
●みほとけの化身として信仰されたタコ
↓ こちらは京都の新京極通にある蛸薬師堂(永福寺)の「なで薬師」さんです。
この「なで薬師」さんを左手で撫でると病治癒に霊験があると信仰されています。
また大阪府岸和田市には天性寺というお寺があり、「蛸地蔵」と呼ばれています。
どうも蟹だけでなく、タコもみほとけの化身であると考えられていたようです。
●イカの神もいた!
イカのみほとけはいないのでしょうか。
そう思って調べてみたところ、イカ薬師とか、イカ地蔵は見つかりませんでしたが、
島根県西ノ島町浦郷地区にある「由良比女神社」の「イカ寄せ浜の伝説」が見つかりました。
国づくりの神・由良比女命が出雲大社へ出かけ、芋桶に乗って隠岐へ帰る際、海に浸した手にイカが噛み付きました。
イカはそのおわびとして、神社前の由良の浜に大群でやってくる。
昭和20年代までは、大群でやってきたイカを捕獲する人々の姿が見られたとのこと。
明治まで神仏は習合して信仰されていたのでイカを神格化したみほとけが西ノ島にあるかもしれないですね。
確認ができていないですけど。
毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!
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