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多賀大社 桜 『お多賀杓子とミシャグジ』 

滋賀県犬上郡多賀町  多賀大社
撮影 2014年4月12日

枝垂桜の咲く春の多賀大社。

多賀大社 枝垂れ桜 
●お多賀杓子

おや? 橋の向うに大きな杓子が見えています。


多賀大社 橋 
 
杓子の形をした看板のようです。
多賀大社では「お多賀杓子(おたがじゃくし)」というお守りの杓子を授与しています。
これをモチーフとして杓子の看板を作ったのでしょう。

多賀屋


●宮島杓子の由来

杓子を授与したり奉納する習慣のある神社って結構多いですよね。
なぜ、こういうことをするのでしょうか?

杓子といえば広島の宮島杓子が思い出されます。
広島県宮島の厳島神社の御祭神は宗像三女神ですが、宗像三女神は弁才天と習合されていました。
この弁才天は琵琶を持つお姿にあらわされることが多く、この琵琶に似ているため宮島で杓子が作られるようになったと言われています。

大覚寺身振り狂言 十王堂2jpg


↑ 上は大覚寺(兵庫県尼崎市 大覚寺身振り狂言『十王堂』に登場した琵琶を持つ弁才天/向かって左)

しかし、多賀大社の御祭神はイザナギとイザナミで、弁才天はお祀りしていません。(ですよね?)
なので弁才天が持つ琵琶と多賀杓子は関係がなさそうです。

●ミシャグジと杓子

ほかに名古屋市南区の石神社などで、ミシャグジという神様に杓子が奉納されているケースがあるようです。

横浜市の社宮司社は「咳の神」「おしゃもじさま」と呼ばれ、この社に奉納されている杓子を持って帰り、のどを撫でると咳の病が治ると信仰されているとのこと。
治ったときには杓子を2本にして奉納します。

同様の信仰は各地にあるようです。

多賀大社 しだれ桜3


●ミシャグジはなぜ咳の神として信仰されているのか

なぜミシャグジは咳の神様として信仰されているのでしょうか?
ミシャグジは石神と書いて、シャクジ、サクジなどとも呼ばれていました。
石→せき→咳、という語呂合わせで、ミシャグジは咳の神に転じたのではないでしょうか。

●神は語呂合わせで神格を広げる


このように語呂合わせで神の神格を広げたケースは他にもたくさんあります。
たとえば和歌三神の一、柿本人麻呂は人丸とも記され、
ひとまる→火止まる→防火の神、ひとまる→人産まる→安産の神と神格を広げています。

●多賀大社は石神だった?

そして多賀大社には、寿命石と呼ばれる石があります。
桜の写真を撮るのに必死で、撮り忘れたんですが~(アホ~)

後白河上皇に東大寺再建を命じられた重源は、そのときすでに高齢でした。
東大寺再建が完了するまで生きていられるか心配になり、伊勢神宮に参拝しました。
すると天照大御神よりお告げがありました。
寿命を延ばしたいのなら、多賀の神を参拝しなさい。」
そこで
多賀大社を参拝したところ、落ちてきた柏葉の虫喰のあとが「莚」の字になっていました。
「莚」は「廿(二十)」「延」と書きます。つまり、二十延びる、二十年命が伸びるという意味だったのです。
こうして重源二十年の延命を得て無事東大寺を再建することができました。
再建を完了した重源は多賀大社にお礼まいりをし、石に座り込んでなくなりました。
この石が「延命石」です。

ミシャグジとは石神のことであり、多賀大社の延命石は石神として信仰されていたのではないでしょうか。
そして石神はミシャグジとして信仰され、その語呂合わせから杓子をお守りとして授与する習慣が生じたのではないかと思います。

多賀SLパーク跡 Ⅾ51

多賀SLパーク跡の桜も満開でした♪
D51が疾走するところを撮ってみたい!


毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!

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[2016/04/22 15:00] 滋賀県 | トラックバック(-) | コメント(-)