
吉祥寺の境内には夏の暑さに負けないような真紅の花が咲いていました。
ハイビスカスに似ていますが、Hibiscus coccineus(紅葉葵)です。

イケメン♡のお坊さまにお手製だというパンフレットをいただきました。
パンフレットには次のような内容が記されていました。
① 日本三大毘沙門天王出現地霊場のひとつ
信貴山朝護孫子寺(開基/聖徳太子)
鞍馬山鞍馬寺(開基/鑑真)
柴水山宝塔院吉祥寺(開基/空海)
② 816年12月3日、空海が高野山の丑寅の方角に鬼門除けの毘沙門天を刻みました。
毘沙門天を開眼するため空海は身を清めようとしましたが、山上にあるこの場所には水がありませんでした。
そこで『柴手水の法』をもちいて山内の檜葉をとり、印を結び真言を称えて身を清め、開眼供養をしました。
空海が檜葉を投げると檜葉は木にかかり、そこから檜葉が生えました。
③ 空海は『柴手水の法』から 『手』の一字を除いて『柴水山』と号し、毘沙門天が手に持つ宝塔を院号とし、脇立ちの吉祥天女の御名より柴水山宝塔院吉祥寺と名づけました。日本三大毘沙門天王出現地霊場として名前があげられている朝護孫子寺の門前に張り子の虎が置かれていて本堂前の額には百足のレリーフがありました。

鞍馬寺には狛犬ならぬ狛虎があり、ケーブルカーの乗り場には、百足を描いた茶碗が展示されていました。
虎や百足は毘沙門天の使いとされているのです。
でも吉祥寺には百足も毘沙門天も見当たりません。
毘沙門天がご本尊なのに脇立ちの吉祥天女の名前をとって寺名にしたというのも不自然ではないでしょうか。
本堂のひさしの下あたりに象と龍の彫刻がありました。
普賢菩薩は象に騎乗する姿で表されます。
普賢菩薩は女人成仏を説く法華経に登場する菩薩なので女性から厚く信仰されていました。
吉祥寺という寺名は吉祥天女からとったといいますし、吉祥寺は女性を祀るお寺なのかも。
二頭の象の彫刻に挟まれて中央には龍が掘られていますが、龍といえば井上内親王を思い出します。
井上内親王は夫である光仁天皇を呪詛したとして皇后の位を剥奪され、息子の他戸親王(とともに大和国宇智郡の没官(官職を取り上げられた人)の館、に幽閉されました。
775年に二人は幽閉先で逝去しました。
しかし井上内親王が夫である光仁天皇を呪詛する目的がわかりませんし、その後他戸親王が皇太子を廃され、藤原百川の擁立を受けて山部王(後の桓武天皇。他戸親王の異母兄弟。父親は光仁天皇。母親は高野新笠)が皇太子となっているところから、井上内親王が呪詛したというのは事実ではなく藤原氏や山部王の陰謀だと考えられています。
井上内親王と他戸親王が亡くなったあと、井上内親王は怨霊になったと考えられるようになったようで、史料に次のような記述があります。
本朝皇胤紹運録・・・井上内親王と他戸親王は獄中で亡くなった後、龍となって祟った。
愚管抄・・・井上内親王は龍となって藤原百川を蹴殺した。吉祥寺のある五條は井上内親王や他戸親王と関係の深い土地です。
二人が幽閉されたのは奈良県五條市須恵付近(五条駅南側)とされ、下馬せずに通行すると井上内親王の祟りで落馬するという言い伝えがあります。
また井上内親王の陵は吉祥寺から1kmも離れていませんし、井上内親王を祀る御霊神社は五條市内に23もあります。
吉祥寺は井上内親王を慰霊するためのお寺なので、龍や蔵の彫刻があったり、寺名も女神からとって吉祥寺としたのではないでしょうか。
↑
吉祥寺では芙蓉の花も咲いていました。
うっかりISO3600で撮影してしまったので、ひどくノイジーな写真になってしまった~。
フォトショップでノイズ軽減したけど、まだノイジーですね・・・(涙)
ノイズを消すいい方法ってありますか?
吉祥寺・・・奈良県五條市丹原町914
いつも応援ありがとうございます♪
写真(風景・自然) ブログランキングへ
にほんブログ村
にほんブログ村