ゴールデンウィークの京都では壬生寺や千本閻魔堂で大念仏狂言が行われます。
大念仏狂言とは融通念仏(大念仏)の教えを劇としたものです。
清凉寺、壬生寺、神泉苑の大念仏狂言は無言劇(パントマイム劇)ですが、千本閻魔堂のものはセリフがあります。

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『炮烙(ほうらく)割り』という演目です。
鞨鼓(かっこ/太鼓の一種)屋と炮烙屋が喧嘩をし、最後は鞨鼓屋が炮烙屋の炮烙を舞台から落として割ってしまいます。
この炮烙は参拝者が千本閻魔堂に奉納したもので、炮烙を割ることによって厄落としができるといわれています。

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一番人気の演目『土蜘蛛』です。
土蜘蛛とは記紀や風土記に登場する「まつろわぬ民」のことで、平安時代の武将・源頼光が土蜘蛛退治をしたという伝説があります。
上の写真は僧に化けた土蜘蛛が源頼光の前に現れて蜘蛛の糸をはくシーンです。

『土蜘蛛草子』には、源頼光が空飛ぶドクロのあとをつけていったところ土蜘蛛の巣があった、と記されています。
どうも土蜘蛛はドクロと関係がありそうです。
昆虫の体は頭部・胸部・腹部の3つの部位からなりますが、蜘蛛は頭部と胸部の境がはっきりせず、頭胸部と腹部の2つの部位からなります。
昔の人は蜘蛛を頭部のない昆虫だと考えたのではないでしょうか。
まつろわぬ民・土蜘蛛とは謀反の罪で斬首された人の霊のことだと私は考えています。
日本書紀や風土記によれば、「土蜘蛛は穴に住む」とのことですが、
これは土蜘蛛が穴に住むような原始的な民だということではなくて
死んで穴に埋められているということだと思います。
千本閻魔堂(引接寺)・・・京都市上京区千本通鞍馬口下ル閻魔前町34
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