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熊野若王子神社 雪 『熊野信仰とドクロ』 

 
京都市左京区 熊野若王子神社

熊野若王子神社 雪 
①上皇・法皇に信仰された熊野権現

熊野若王子神社は後白河法皇が永観堂の鎮守社として熊野権現を勧請して創建された神社です。

歴代の上皇・法皇たちは厚く熊野の神を信仰していました。
白河法皇は9回、鳥羽法皇は21回、後白河法皇は34回もの熊野行幸を行っています。

これほどまでに上皇、法皇たちが信仰した熊野の神とはどのような神なのでしょうか。

②熊野の神はドクロの神?

前回、お話した三十三間堂の伝説は次のようなものでした。

後白河法皇は観音様より次のような夢のお告げを受けました。
『あなたの前世は熊野にあった蓮華坊という僧侶であった。
その蓮華坊の髑髏が岩田川の底に沈んでおり、髑髏を貫いて柳の木が生えていて、風が吹くと柳の木が揺れて髑髏にあたるので上皇の頭が痛むのだ』と。
早速川を調べさせたところ、髑髏が見つかりました。
上皇はその髑髏を三十三間堂の千手観音の1体の尊像に塗り込め、さらにその柳の木を伐って、京へ運び、三十三間堂の梁としました。
そうしたところ、上皇の頭痛は平癒しました。


そして平安時代初期に成立した『日本霊異記』にはのような話があります。

称徳天皇の御代、紀伊国牟婁郡熊野村に永興禅師という人がいました。
一人の僧が禅師のところにやってきて、毎日法華経を説くようになりました。
1年後、僧は禅師のもとを出ていきました。
2年後、熊野村で法華経を読誦する人の声が聞こえるようになり、その声はやむことがありませんでした。
その話を聞いた禅師が熊野村に行ってみると、2年前に別れた僧の死体がありました。
3年を過ぎても法華経の声はやまず、禅師が再び熊野村を訪ねると僧の頭蓋骨の中の舌は腐っておらず、法華経を読誦していたのはこの髑髏であったことがわかりました。


ふたつの物語にはドクロが登場します。
熊野にはドクロに対する信仰があったのではないでしょうか。
熊野の神はドクロの神だといえるかもしれません。

熊野若王子神社 蛭子神 

熊野若王子神社 末社 蛭子社御神体

③大国主、木国から根の根の堅州国へ行く

記紀にこんな話が記されています。

大国主神の兄弟である八十神たちはみな因幡のヤガミヒメと結婚したいと思っていましたが、ヤガミヒメは八十神たちをことごとく振って大国主神と結婚するといいました。
八十神たちは嫉妬して、大国主神を殺す計画を立てました。
大国主神は八十神たちによって二度殺されましたがなんとか生き返りました。
大国主神の母親は、ここにいたらまた八十神たちにころされてしまうので、大国主神を木国のオオヤビコのもとへ行かせました。
こうして大国主神は木国のオオヤビコのもとへやってきましたが、八十神が追いかけて来て引き渡すように求めました。
オオヤビコは大国主神を木の股を潜り抜けさせて逃がし、スサノオのいる根の堅州国に向かわせました。
根の堅州国へ赴いた大国主神はスサノオから様々な試練を与えられましたが、すべてクリアし、スサノオの刀と弓、スセリヒメの琴を持ち、スサノオの娘・スセリヒメを背負ってもとの世界へ戻りました.。


ここに出てくる木国というのは紀の国、紀伊国のことです。
熊野は令制国の紀伊国牟婁郡にあたります。
つまり熊野とは木国で、ここが根の堅州国の入り口であるらしいのです。

④根の堅州国は黄泉の国?

古事記には、根の堅州国の入口は黄泉平坂(よもつひらさか)と同じだとする記述があり、根の堅州国と黄泉の国は同じものだと一般的には考えられています。
根の堅州国や黄泉の国とは死後の世界のことです。
熊野に髑髏にまつわる話が残されているのは、熊野が死後の世界である根の堅州国の入り口に位置すると考えられたためではないでしょうか。
根の堅州国に住んでいるスサノオとは死者の霊だと考えられます。

⑤根の堅州国へ行けばよきものを授かる?

大国主神は根の堅州国=黄泉の国へ行き、スサノオから刀と弓、スセリヒメの琴、スサノオの娘・スセリヒメを手に入れてもとの世界へ戻っています。

根の堅州国にいけばよきものを授かると考えられていたのかもしれません。

しかし、生きている人間には死後の国である根の堅州国へ行くことはできません。
そこで根の堅州国の入り口である熊野に行けば、の入り口にあたる熊野に行けば、スサノオまたは死者の霊から何か『よきもの』を授かることができると考えられ、

そのため上皇・法皇たちは度重なる熊野行幸をおこなったのではないでしょうか。

熊野若王子神社 狛犬 雪 



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[2017/01/20 00:00] 京都府 | トラックバック(-) | コメント(-)