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三十三間堂 通し矢 『牛黄と柳の薬効』 

京都市東山区 三十三間堂
通し矢・・・1月日曜(年によって日程は変わります。)

 三十三間堂 通し矢 
 
①三十三間堂の通し矢

三十三間堂の建物は南北に長く、125メートルもの長さがあります。
江戸時代には三十三間堂の軒下で『通し矢』が盛んに行われました。

File:Toshi-ya 00.jpg

上は歌川豊春が描いた『通し矢』の様子です。

ウィキペディア(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Toshi-ya_00.jpg?uselang=ja) よりお借りしました。

お堂の軒下から矢を射ていますね。
現在の『通し矢』は、お堂の前の広場に数人が横並びになって矢を射ています。
特に成人女性が振袖袴姿で強さと美しさを競い合う様は新春の風物詩となっています。

2017年の三十三間堂の『通し矢』は1月15日に行われたようです。
(写真は過去のものです。)

この日、堂内は無料開放されます。
金色に輝く1001体の千手観音像は圧巻でした!

File:Kusakabe Kimbei 1364 Sanjiu.JPG

ウィキペディア(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kusakabe_Kimbei_1364_Sanjiu.JPG?uselang=ja)よりお借りしました。

②柳のお加持は修正会の結願の行事

また堂内では『柳のお加持』も行われています。
『柳のお加持』とは柳の枝で頭をさすったり、密教の灌頂 の儀式のように柳の枝で頭の上に3滴ほどの水を注ぎかけるというものです。
『柳のお加持』を受けると頭痛が治ると言われています。

三十三間堂には次のような伝説が伝えられています。

後白河法皇は観音様より次のような夢のお告げを受けました。
『あなたの前世は熊野にあった蓮華坊という僧侶でした。
その蓮華坊の髑髏が岩田川の底に沈んでおり、髑髏を貫いて柳の木が生えていて、風が吹くと柳の木が揺れて髑髏にあたるので上皇の頭が痛むのだ』と。
早速川を調べさせたところ、髑髏が見つかりました。
上皇はその髑髏を三十三間堂の千手観音の1体の尊像に塗り込め、さらにその柳の木を伐って、京へ運び、三十三間堂の梁としました。
そうしたところ、上皇の頭痛は平癒しました。


この日、堂内で行われる『柳のお加持』はこの伝説にちなむものなのでしょうか。

私はそうではなく、『柳のお加持』は修正会の結願の行事であり、そこから後白河の伝説は作られたのではないかと思います。

正月に各寺院で行われる法要のことを修正会といいます。

③四天王寺どやどや・法界寺裸踊りは修正会結願の行事だった。

四天王寺 どやどや2

↑ 上は大阪・四天王寺で1月14日に行われている「どやどや」です。
天井からまかれた牛玉宝印を裸の男性たちが奪い合うという行事です。

法界寺裸踊り2

↑ 京都・法界寺の法界寺裸踊りです。
牛玉宝印は天井から撒かれず、社務所で授与しています。
しかし、四天王寺のどやどやにそっくりです。
法界寺裸踊りでもかつては四天王寺のどやどやと同じように牛玉宝印を奪い合っていたのではないでしょうか。
それがいつしか、牛玉宝印は社務所で授与するようになり、奪い合うしぐさのみが裸踊りとして残ったのではないかと思います。

ほうかいじ やなぎのおかじ  
↑法界寺裸踊りでは行事終了後、三十三間堂と同様の柳のお加持が行われました。

奈良・念仏寺の『陀々堂の鬼はしりも四天王寺の『どやどや』や『法界寺裸踊り』と同じく、1月14日に行われています。
見に行ったことはまだないんですが。
そして『陀々堂の鬼はしりは修正会結願の行事だということです。
ということは、同じ日に行われる『どやどや』や『法界寺裸踊り』も修正会結願の行事名のだと思います。

三十三間堂の通し矢は現在は日程が定まっていませんが、少し前までは1月15日(成人の日)に行われていました。
そして修正会の行事と思われる法界寺裸踊りと同様の柳のお加持が行われるところから、三十三間堂の柳のお加持も修正会の行事だと考えられます。

●牛玉宝印は牛黄で文字を書いたものだった。



岡山県西大寺の『会陽』は現在では2月の第三土曜日に行われていますが、かつては旧正月元日より14日の間行われていました。

西大寺の会陽も修正会の結願(最終日)の行事だといえるでしょう。

『会陽』では闇の中で投牛玉と宝木が堂内に投下されると、すさまじい宝木争奪戦が繰り広げられます。

宝木は2本のみで、牛玉紙が巻いてあります。
修正会の結願では牛玉宝印が授与されることが多いのですが、宝木は木製の牛玉宝印だといえるでしょう。
牛玉宝印はもともとは漢方薬である牛黄で文字が記されたもので、皇室には『牛玉宝印は水に溶かして飲む』と伝わっているそうです。
牛玉宝印は薬だったのです。

三十三間堂 通し矢2

●柳には痛み止め効果がある。

投牛玉は枝牛玉・串牛・投牛ともいい、柳の細い木片5~6本を束にして牛玉紙を巻いたもので、100束ほどが投下されます。
この柳の樹皮には痛みどめの効果があるサルチル酸が含まれています。
もともとは投牛玉はしがむものだったのかもしれません。

柳のお加持は修正会の行事であり、柳は頭痛に薬効があったところから、後白河法皇の頭痛伝説は創作されたのではないでしょうか。

ただし、柳のお加持のように柳の枝で頭をさすっても、頭痛は治りません。
柳は飲んで初めて痛み止めとしての効能を発揮します。

三十三間堂 通し矢3 

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[2017/01/18 00:00] 京都の祭 | トラックバック(-) | コメント(-)