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新型コロナ、集団免疫は得られるか? 


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①集団免疫って何?


ネットのコメントなどを読んでいると、よく「コロナは集団免疫を得る対策をとるのがいいのではないか」という意見があります。

集団免疫とは何でしょうか。
ウィキペディアは次のように記しています。

集団免疫(しゅうだんめんえき、英: herd immunity, herd effect, community immunity, population immunity, social immunity)とは、ある感染症に対して集団の大部分が免疫を持っている際に生じる間接的な保護効果であり、免疫を持たない人を保護する手段である。

多数の人々が免疫を持っている集団では感染の連鎖が断ち切られる可能性が高く、病気の拡大は収まるか緩やかなものとなる。
あるコミュニティにおいて免疫を持っている人の割合が高ければ高いほど、免疫を持たない人が感染者と接触する可能性は低くなる。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%86%E5%9B%A3%E5%85%8D%E7%96%AB


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②基本再生産数、実効再生産数って何?

一人の感染者が何人に感染させるかを表す値を基本再生産数(R0)といいます。
たとえば季節性インフルエンザの基本再生産数は2~3とされますが、これは1人の感染者が2人から3人に感染させるということを示しています。

テレビなどの報道では基本再生産数と似た実効再生産数という言葉をよく耳にします。
たとえば東京の3月半ばごろのコロナの実効再生産数は2以上であったのが、5月の実効再生産数は0.7程度であると報道されていますね。

これは3月半ばごろは、ひとりのコロナの感染者が2人以上に感染させていたが、5月ごろになると1人のコロナの感染者が0.7人に感染する程度になった、という意味です。

なぜ実効再生産数が2から0.7に下がったのかというと、感染者が爆発的に増加しないよう、緊急事態宣言を出し、人々が自粛して多くの人と接触しなくなったからだと思います。

ウィキペディアによると、
オーストラリア保健省(英語版)による定義などでは「感染症の伝播に対する計画的な介入」のないことが付け加えられてる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E5%86%8D%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%95%B0

とありますので、基本再生産数とは何の対策もしなかった場合の数値をいうのだと思います。

しかし感染症が流行って何の対策もしないということはほとんどないと思われます。
頻繁に手を洗ったり、人込みを避けたりくらいは心がける人がいるでしょう。
そうすると、基本再生産数が2であっても、対策の効果がでて数値がさがってくるわけです。
この実際の数値のほうを実効再生産数といっていると思います。

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集団免疫は人口の何パーセントが免疫を持てば獲得できるか?

さて集団免疫は人口の何パーセントが免疫をもてば得ることができるのでしょうか。
これについて調べたところ、次の記事が見つかりました。

https://www.canon-igs.org/column/macroeconomics/20200407_6336.html

集団免疫獲得に必要な人口比は実効再生産数ではなく、基本再生産数で計算します。

記事では「基本再生産数R0=2.5のケース」で説明していますが、小数点がでてややこしいので、「基本再生産数R0=2のケース」で考えてみたいと思います。

ウイルス保有者は、1人→2人→4人→8人→16人のように増えますね。

つまり、基本再生産数2の2乗(2×2=4)、3乗(2×2×2=8)、4乗(2×2×2×2=16)のように増えていくわけです。

全人口における、免疫をもった人の割合がZ%になったとします。
このZ%の人々はすでに免疫をもっているので感染しないと考えます。
こういう状態になったとき、1人のウイルス保有者が平均的に感染させる人数は、基本再生産数×(1-Z)人となります。

基本再生産数2の場合は、2×(1-z)人となります。

具体的な数字を入れて計算してみるとわかりやすいですね。

Z=50%とすると、50%は2分の1(1/2)なので、
2×(1-1/2)=2×1/2=1
となります。

基本再生産数2の感染症は、人口の50%がすでに免疫をもった場合には、1人が2人に感染させていましたが、
集団免疫ができたおかげで1人が1人に感染させるまでに感染力が落ちたということになります。

2×(1-z)の値が1以下になると感染病は拡大せず、縮小しておさまっていきます。

つまり、
2×(1-Z)<1
2-2Z<1
-2Z<1-2
-2Z<-1
  Z<1/2(50%)

つまり基本再生産数が2の感染病は人口の50%が免疫をもつとおさまっていくと考えられます。

上の計算では基本再生産数2で計算していますが、この2をR0とすると、次のような公式が成立します。

Z>1-1/R0


WHO(世界保健機関)は新型コロナの基本再生産数を1.4~2.5としています。

Z>1-1/R0

R0=1.4のとき
1-10/14=1-5/7=2/7=28.57%

R0=2.5.のとき
1-10/25=1-2/5=3/5=60%

となり、新型コロナウィルスの場合は、全人口の28.57%~60%が免疫をもてば集団免疫がえられるということになります。

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④抗体を持っている人は全人口の5%にすぎない。

最近、コロナの抗体検査が行われたという報道がありました。
そこで気になるのが、免疫と抗体の違いとはなんぞや?ということです。

調べてみました。

【免疫】
免疫とは、読んで字のごとく「疫病(病気)から免れる」という意味で、体内に病原菌や毒素などが侵入しても発病しない抵抗力が備わっている状態をいいます。
免疫のしくみである免疫系には、生まれながらに備わっている防御機構(自然免疫)と、生後、病原菌や毒素などの異物と接することにより誘導される防御機構(獲得免疫)があります。

https://www.weblio.jp/content/%E5%85%8D%E7%96%AB


【抗体】

抗体(こうたい)とは。意味や解説、類語。生体内に抗原が侵入したとき、それに対応して生成され、その抗原に対してのみ反応するたんぱく質。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%8A%97%E4%BD%93/

つまり、免疫には自然免疫と獲得免疫の2種類あり、抗体とはそのうち獲得免疫に分類されるたんぱく質だということになると思います。

自然免疫・・・生まれながらに備わっている。
獲得免疫・・・生後、病原菌や毒素などの異物と接することにより誘導される。・・・抗体

集団免疫はウィルスに感染することで得られる免疫のことなので、抗体のことをさしていると思われます。

しかし最近行われた抗体検査では5%の人が抗体を持っているにすぎませんでした。
③で全人口の28.57%~60%が免疫をもてば集団免疫がえられるという計算について書きましたが、全然たりません。

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⑤集団免疫をえるまでに21万人が死亡する。

致死率はその国の医療体制や、医療崩壊するしないで変わってきます。(当然医療崩壊すれば致死率はあがります。)
また、日本ではPCR検査の数が少ないので、無症状や軽症の感染者が発表されているより多い可能性が高いです。

よくいわれている致死率2%を用いて、集団免疫を得るまでに死亡する人の人数を計算してみましょう。

日本の人口は令和2年4月1日現在(概算値)で1億2596万人です。
基本再生産数1.4の場合、集団免疫を得るのに必要な感染者の割合は28.57%でした。

1億2596万人×28.57%×2%=71万9735.44人

致死率0.6%でも、
1億2596万人×28.57%×0.6%=21万5920.632人

単純計算ですが、かなり大勢の人が亡くなってしまうことになります。
それでも自粛などをせず、集団免疫をめざしたほうがいいといえるのでしょうか?


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⑥スウェーデンは集団免疫を獲得した?

スウェーデンは集団免疫を獲得しそうなんじゃないの?といわれるかもしれません。
しかし、スウェーデンが集団免疫を獲得しそう、という話ではなく、スウェーデンの首都・ストックホルムが集団免疫を獲得する見込みということですね。

しかし、このニュースはよくわからないです。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/04/post-93203.php
上の記事には「ストックホルム在住者のうち、約2.5%が感染と推定」と書いてあります。
2.5%では集団免疫は得られないと思います。
25%のまちがいなんでしょうか?

ストックホルムが集団免疫獲得と考えられている根拠は
スウェーデン公衆衛生局が行っているサンプル調査にあるようです。

このサンプル調査は、国民のうち、どれくらいの人が新型コロナウイルスにすでに感染したかを推計するためのもので
3月27日~4月3日、ストックホルムに在住する2歳から86歳までの738名を対象にサンプル調査を実施したところ、18名が陽性と判定されたということです。

するとストックホルムで新型コロナウィルスに感染した人の割合は
18÷738×100≓2.44%となり、
そうすると「ストックホルム在住者のうち、約2.5%が感染と推定」というのは25%のまちがいではなさそうに思えます。

こうも書いてあります。
陽性率(新型コロナウイルスの感染を調べる検査で陽性と判定された人の割合)が35%から14%に低下していると。

この「新型コロナウイルスの感染を調べる検査」と上に書いた「サンプル調査」とは別のものと考えていいんでしょうか?

ですが東京でも陽性率は40%以上あったものが、7%程度にまで低下してきています。
検査の基準や検査数によって陽性率は変わってきそうに思えますが。

一方、「ストックホルムでは既に25%が感染して免疫を獲得したとの見解を表明した。」
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020042901001016.htmlより引用
とする記事もあり、ますますわからなくなってしまいます。

とりあえずストックホルムでは人口の25パーセントが感染したとします。
ストックホルムの人口は96万人(2018年度)。その25%が感染したということは、約24万人が感染したということになりますね。
致死率2%で計算すれば、死者数は4800人となります。

5月7日の時点で、 スウェーデン(人口1022万人)の新型ウイルスによる死者が3040人となり、2万4623人の感染が確認されていると発表しています。

随分感染者数が少ないですが、たぶんPCR検査の数が少ないのではないでしょうか。

またスウェーデンの死亡者数は3040人ですが、致死率2%で計算すればストックホルムの死亡者数は4800人となるので
スウェーデンの死亡者3040人のうちのかなりの割合をストックホルムの死亡者がしめているのかもしれません。

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⑦10万人あたりの死亡者は日本0.42人、スウェーデン29.75人

10万人あたりの死亡者を計算してみると、日本0.42人、スウェーデン29.75人です。

人口コロナ死亡者10万人あたりの死亡者
日本1億2596人557人0.42人
スウェーデン1022人3040人29.75人

https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2020/04/post-1161.php

上の記事は4月21日のものですが、各国の人口10万人あたりの死亡者数が記されています。

▼ベルギー 死亡者5683人(人口10万人あたり49.75人)
▼スペイン 死亡者2万453人(人口10万人あたり43.77人)
▼イタリア 死亡者2万3660人(人口10万人あたり39.15人)
▼フランス 死亡者1万9744人(人口10万人あたり29.47人)
▼イギリス 死亡者1万6095人(人口10万人あたり24.21人)
▼アメリカ 死亡者4万661人(人口10万人あたり12.43人)
▼日本   死亡者236人(人口10万人あたり0.19人)


ベルギー・スペイン・イタリアはスウェーデンよりも人口10万人あたりの死亡者は多いです。
フランスはほぼスウェーデンと同程度です。
しかし、これらの国々が集団免疫を得そうであるという話は聞きません。

ストックホルムの感染者数は2.5%程度で集団免疫を得られていないか
ストックホルムにおけるコロナの死者が3000人ちかいのかもしれません。

ストックホルムにおけるコロナの死者が3000人とすると、ストックホルムの人口は97.41万人なので
10万人あたりの死亡者307.98人というものすごい数字になってしまいます。

スウェーデン・ストックホルムについてはもう少し正確で詳細な情報がほしいです。

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⑦集団免疫効果はわからない

https://toyokeizai.net/articles/-/340470?page=3
上の記事には次のように記されています。

もちろん期待したいが、免疫の効果は現時点でわからない。下痢症状が出るロタウイルスなどは、初感染(最初に感染した時)が一番重くなり、何度かかかっているうちに軽くなる。またデング熱のように、一度感染して抗体ができると2回目はむしろ重症化しやすい感染症もある。

感染症は、すべてが「二度かからない病」というわけではなく、「1回かかれば大丈夫です」とは簡単には言えない。

八重咲のチューリップ 




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[2020/05/09 15:02] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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