奈良県宇陀郡 曽爾高原2014年10月25日 撮影
●お亀ヶ池伝説曽爾高原のススキの草原の中にお亀が池という池があります。
お亀が池には次のような伝説があります。
伊勢国・太郎生村出身のお亀は曽爾村の男の嫁になり、毎日、太郎路池の水を溜めた井戸の水を鏡替わりにして化粧をしていました。
あるとき井戸の水に美しい男性の顔が映り「今夜、太郎路池のほとりに来て欲しい」といいました。
それ以来、お亀は夜になると出かけるようになりました。
男が理由を尋ねると『子供を授かるように水垢離をしている。』と言いました。
お亀は男児を出産し、姿を消してしまいました。
夫はお亀を探して太郎路池のほとりへやってくるとお亀が現れて子供に乳を飲ませました。
そして「二度と私を探さないでください」と言って姿を消しました。
夫は懲りずにまた太郎路池に行きました。
するお亀が蛇となってあらわれ「二度とくるなと言ったのに、なぜ来た?」と言って夫に襲い掛かりました。
夫はなんとか逃げ帰りましたが、すぐに亡くなってしまいました。
お亀は野火から山火事になった時、焼けて死にました。
もとはこの池は太良路池といっていましたが、このお亀の事件があってからお亀ヶ池というようになりました。
またお亀が襲い掛かった場所を「大口」、一直線に追いかけてきたところを「立堀(たてほり)」、大蛇が疲れて休んだところを「弊足(びょうそく)」、水を飲んだところを「水舌(みずのみ)」と地名が残っています。
●伊勢内宮の神は男の蛇神で、斎宮のもとへ通っていた。私はこの話を聞いて伊勢神宮に伝わる話を思い出しました。
「
伊勢内宮の神は男の蛇神で、内宮に仕える斎宮のもとへ通っていた」というのです。
●蛇は太陽神
まず蛇神についてですが、太陽神を蛇神とするのは日本だけでなく、世界中にあります。
蛇が脱皮する様は再生をイメージさせ、再生を繰り返す太陽(沈んでは昇る)とイメージが重ねられたと説明されます。
上の写真は喜光寺(奈良市)の宇賀神です。
宇賀神とは頭が人間で体が蛇の姿をした神様です。
三輪山(奈良県桜井市)は蛇がとぐろを巻く姿だと言われます。
ということは、蛇の頭部や宇賀神の頭部は山から昇ってくる太陽を意味しているのではないでしょうか。
●天照大神は男神だった?次に天照大神が男神であるということについて考えてみましょう。
天岩戸に隠れた天照大神はアメノウズメのストリップに興味を持って天岩戸から出てきました。
女神のストリップに興味を持つのは男だ、よって天照大神は男神だとする説があります。
物部氏の祖神とされるニギハヤヒは、先代旧事本紀では天照國照彦天火明櫛玉饒速日尊(あまてる くにてるひこ あまの ほあかり くしたま にぎはやひ の みこと)と記されていて、この神が本当の天照大神ではないかとも言われています。
そして初代神武天皇が東征して畿内入りするより早く畿内にニギハヤヒが天下っていたとする記述が日本書紀にあり、畿内には神武以前に物部王朝があったのではないかとも言われています。
どうも、日本書紀や古事記の記述は改竄されているように思われます。
●御霊=男女双体、荒魂=男神、和魂=女神神はその現れ方で御霊(神の本質)・荒魂(神の荒々しい側面)・和魂(神の和やかな側面)に分けられ、荒魂は男神で和魂は女神とする説があります。
とすれば御霊は男女双体となります。
御霊・・・神の本質・・・男女双体
和魂・・・神の和やかな側面・・・女神
荒魂・・・神の荒々しい側面・・・男神詳しくはこちらの記事をお読みください →
飛鳥 勧請綱と田植え 『道祖神と大聖歓喜天は習合されている?』 天照大神に仕える伊勢斎宮は男神である天照大神と和合して御霊にさせる存在なのだと思います。
「伊勢内宮の神は男神で蛇神で、内宮に仕える斎宮のもとへ通っていた」というのは、荒霊と和霊が和合して御霊になるということを物語的に表現したものではないでしょうか。
●お亀は伊勢斎宮、男神はニギハヤヒ?お亀の出身地の伊勢国・太郎生は三重県津市美杉町太郎生で、曽爾高原から3kmあまりの場所にあります。
伊勢という地名は伊勢神宮を思わせます。
お亀は伊勢斎宮と同一視されているのだと思います。
そしてお亀は池の主である男神と逢引をしていたと考えられますが、池にすむ男神とは本当の天照大神、ニギハヤヒでしょう。
お亀は蛇神として登場しますが、さきほども述べたように伊勢の神は蛇神だという話があります。
実際には天照大神は男神だと考えられますが、日本書紀や古事記では天照大神は女神であるとしています。
それを受けてお亀が天照大神であると考えられ、お亀が蛇として登場する物語がつくられたのかもしれませんね。
毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!
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