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新熊野神社 桜 『イザナミは地の神、熊野は根の国?』 


京都市東山区 新熊野神社
2017年3月16日 撮影


新熊野神社

春めいてきましたね。

世阿弥 義光 碑

「世阿弥 義光 機縁の地」と書いてあります。

説明板には次のように記されていました。
能楽大成、機縁の地

当地は能楽の大成者世阿弥が、まだ藤若丸と称していた文中三年(1374)のころ
父の観世清次と共に大和の猿楽結崎座を率い観勧興業を行ったところで、
世に「今熊野勧進猿楽」と呼ばれ、見学していた室町幕府第三代将軍義光が、その至芸に感激、二人を同朋衆に加え
父子を、それぞれ観阿弥・世阿弥と名乗らせた機縁の地である。
時の将軍の援助をうけた世阿弥は父の志をつぎ後顧の憂いなく猿楽の芸術性を高めるため日夜研究努力を重ね、
これを今日の能楽に大成させた。
謡曲史跡保存会

※改行は筆者が適当に入れました。

今熊野猿楽図 
現在は新熊野神社という名称になっていますが、石碑には「今熊野神社」と刻まれていますね。

こんな説明板もありましたよ。

新熊野神社 説明板 

旧熊野本宮境内図 

和歌山県にある熊野本宮大社についての説明ですね。





 

↑ こちらはかつての新熊野神社。

イザナギ イザナミ 

↑ 新熊野神社のHPを見るとこの像の写真の下に次のような説明が記されています。
花の窟(はなのいわと)とは三重県熊野市有馬にあり、日本書紀にはイザナミ命の葬られた場所と記されている。現在は切り立った大岸壁の前に鳥居が建っているに過ぎないが、熊野信仰の原点ともいえる場所である。春と秋に例大祭が行われるが、その時には長さ170mの〆縄が張られ、そこに季節の花や果物・扇などが吊り下げられる。この社では、表面にイザナギ・イザナミ命の国造り神話を描くことで、当社の主祭神イザナミ命の神格を記している。

http://imakumanojinja.or.jp/keidaiannai2.html より引用

新熊野神社の御祭神はイザナミなんですね。

ちなみに和歌山の熊野本宮大社の御祭神は家津美御子(けつみみこ/スサノオ)です。

熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社をあわせて熊野三山といいそれぞれ御祭神は次のようになっています。

熊野本宮大社 御祭神 家津美御子(けつみみこ/スサノオ)
熊野速玉大社 御祭神 熊野速玉大神(イザナギ)
熊野那智大社 御祭神 熊野夫須美大神(イザナミ)

新熊野神社 楠龍弁財天


後白河上皇お手植の「大樟」さん


今から約830年前、当社創建の砌、後白河上皇は紀州国(和歌山県)の熊野から土砂、材木などをこの地に運び、熊野になぞらえて、その新宮、即ち新熊野神社を創建された。その織、熊野より移植、国家鎮護と万民福祉とをご誓願、お手植されたのが、現在の大樟である。又熊野の神々がご降臨になる「影向の大樟」といい、健康長寿、病魔退散特に上皇が常にお腹を煩っておられたところから「お腹の神様」と信仰され、人々から「大樟大権現」と尊崇されている。

朝夕排ガスの激しい場所にありながら、樹勢は益々旺盛で、日夜人々の営みを見守り続けている姿は、とお得畏き極みである。(京都市の天然記念物)

新熊野神社境内の案内板より


①スサノオは北極星の神だった?

イザナギ・イザナミは兄妹であり、夫婦でもある神で、おのごろ島におりたって国産み、神産みをします。
しかし火の神・カグツチを産んだ際にイザナミはほとに火傷を負って死んでしまい、黄泉の国(根の国)へ行ってしまいました。
イザナギはイザナミを取り返しに黄泉の国へ行くのですが、イザナミの腐った姿を見て怖くなり逃げ帰ってしまうのです。

黄泉の国から戻ったイザナギは禊をしました。
その際、左目から天照大神が、右目から月読命が、鼻からスサノオが生まれました。
イザナギは「天照大神は高天原をおさめよ、月読み命は夜の食国をおさめよ、スサノオは大海原をおさめよ」と命じました。
しかしスサノオは母のいる根の国にいきたいと泣き続けたのでイザナギは「そんなにいうなら根の国へいけ」といってスサノオを追放しました。

イザナギの左目から生まれたのが天照大神、右目から生まれたのが月読命、鼻から生まれたのがスサノオっていうのがオモシロイです。
これは陰陽道の宇宙観に基づくものだと考えられます。

陰陽道では東を太陽の定位置、西を月の定位置、中央を星としています。
で、地図では左(向かって右)が東、右(向かって左)が西です。
それで、天照大神はイザナギの左目から、月読命はイザナギの右目から生まれたと記されているのでしょう。
するとスサノオはイザナギの顔の中央にある鼻からうまれているので、星の神ということになります。

②最上位の神は太陽神ではなく星の神だった?

陰陽道の宇宙観でみると、太陽神は1番上の神ではないといえそうです。
中央にある星のほうが太陽神の上ではないでしょうか。
そして、天の中心にあると言えば北極星で、北極星または北辰(天の北極)のことを、天皇大帝といいました。

日本の天皇という称号はこの天皇大帝からくるといわれています。
太陽神の子孫なのに、称号は北極星だなんて変ですね~。
改竄のにおいがします~w

スサノオは、海の神もしくは根の国の神じゃないか、といわれるかもしれませんが、
船場俊昭氏は「スサノオ(素戔嗚尊)とは輝ける(素)ものを失い(戔う/そこなう)て嘆き悲しむ(鳴/ああ)神(尊)」という意味で、はもとは星の神であったとしておられます。

陰陽道の宇宙観では星は中央ですから、スサノオがイザナギの顔の中心にある鼻からうまれたというのはぴったりあいますね。

③イザナギは天、イザナミは地の神

つまり、イザナギの顔は天に喩えられているんですね。
陰陽道で天とペアになるのは地ですから、イザナミは地の神でしょう。

イザナミは国産みをしているので、地の神だといえますね。
鳴門の渦潮をイザナミの女陰に喩えたんだと思います。

地の神が良い方向に働けば、国を産んだり、神を産んだりします。
しかし、地の神が悪い方向に働けば、地下にある国、根の国の神になるということではないかと思います。

根の国は黄泉の国と同様のものと考えられていますが、黄泉の「黄」は「地下」をあらわしているとされます。
(陰陽五行説で、黄色は土をあらわす。)
そして黄泉で、「地下の水」という意味となり、これが転じて死後の世界を意味する言葉になったと考えられています。

④熊野は根の国だった?

熊野にある花窟神社はイザナミが葬られた場所とされています。
ということは、熊野は根の国であると考えられていたということではないでしょうか。

熊野は紀国にあります。
紀国と呼ばれるのは木の国が転じたものともいわれています。

紀国は森林資源が豊富で造船業などが発達したといわれます。
木々が鬱蒼と生い茂る土地を人々は根の国と考えたのかも?

木の根道 
鞍馬寺から貴船神社にいたる木の根道(根の国の道はこんな感じなのかも)



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[2020/03/16 17:18] 京都府 | TB(0) | CM(0)

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