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美山 かやぶきの里 雪だるま 『広景はなぜ雪だるまの前に片方下駄を脱いだ人を描いたの?』 


京都府南丹市美山町 茅葺の里 

美山 雪だるま 
①昔の雪だるまは雪の達磨だった。

誰が作ったのか、雪だるまが置かれていました。
昔の雪だるまはどんなだったんでしょう?
調べてみたら、歌川広景が雪だるまの絵を描いていました。

Hirokage - Comic Incidents at Famous Places in Edo (Edo meisho dôke zukushi), No. 22, dog stealing a workman's meal from a snow Daruma

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hirokage_-_Comic_Incidents_at_Famous_Places_in_Edo_(Edo_meisho_d%C3%B4ke_zukushi),_No._22,_dog_stealing_a_workman%27s_meal_from_a_snow_Daruma.jpg
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/02/Hirokage_-_Comic_Incidents_at_Famous_Places_in_Edo_%28Edo_meisho_d%C3%B4ke_zukushi%29%2C_No._22%2C_dog_stealing_a_workman%27s_meal_from_a_snow_Daruma.jpg

日本語: 歌川広景English: Utagawa Hirokage [Public domain]


これはマンマだるまですね~w

②なぜ広景は鼻緒を結びなおす人を描いたの?

上の絵は小さくてわかりにくいと思いますが、拡大してみてみると雪だるまの口元には魚がお供えされているようです。
雪だるまの前にいる男性は左の下駄の鼻緒がきれたので、下駄をぬいで 鼻緒を結びなおしているように見えます。

なぜ広景は鼻緒を結びなおす人を描いたのでしょうか?

『景徳伝燈録』に次のような物語があります。
達磨(インド人で中国禅宗の開祖。5世紀後半から6世紀前半)が遷化(死亡)してから3年後、宋雲という人がパミール高原の葱嶺で履き物の片方を手にして歩く達磨に出会いました。
宋雲が「どこへ行かれるのか」と問うと達磨は「インドに帰る。あなたの主君はすでにみまかっている」と答えました。
帰国した宗雲は孝明帝が崩御したことを知ります。
そして孝荘帝が達磨の墓を開けさせると、棺の中には一隻履のみが残されていました。

つまり、雪だるまの前に立っている人は、達磨の化身ということなのでしょう。

だるまは正しくは菩提達磨といい、嵩山少林寺において壁に向かって9年坐禅を続けたとされます
このため、手足が腐ってしまったという伝説が生じました。
縁起物としてのだるまはここから作られました。

勝尾寺 だるま 
勝尾寺 だるま

四天王寺 達磨像

四天王寺に置かれていた達磨の石像

③天智天皇は達磨のイメージに重ねられた?


『景徳伝燈録』にある、達磨が履き物の片方を手にして歩いていたという伝説は、天智天皇の伝説を思わせます。

蹴鞠をしていた中大兄皇子(のちの天智天皇)の沓が脱げ、それを中臣鎌足が拾ってさしだしました。

また、天智天皇陵のそばに沓石が置かれており、この沓石にこんな伝説があります。

天智天皇は騎乗して山林に入り、行方不明になりました。そのため、沓が落ちていた場所を陵にしました。(『扶桑略記』)

中大兄皇子の伝説は達磨の伝説をもとに創作されたのではないでしょうか。

達磨はインドの王の第三王子として生まれたのに、王位をつげず、出家して僧となっています。
出家したということは子孫も残せなかったのでしょう。

天智天皇(中大兄皇子)は皇位にはつきましたが、崩御後、弟の大海人皇子(天武天皇)vs子の大友皇子が争い(壬申の乱)
大海人皇子が勝利して即位したので、自らの血を皇位継承させることができませんでした。

奈良時代末、天武系天皇の血筋が絶えてしまって、天智天皇の皇子・志貴皇子の子である光仁天皇が即位したことで
天智天皇の子孫が皇位継承することになったのですが。

そういう点で、もしかしたら中大兄皇子と達磨は同一視されたのかもしれませんね。

  美山 かやぶきの里2   
美山 蓑 農具

美山民族資料館

美山民族資料館2

美山 古民家カフェより つらら

美山 かやぶきの里



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