Author:佳音
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1625年、山本五郎左衛門は備後国三次(現在の広島県三次市)で稲生平太郎(三次藩の実在の藩士・稲生武太夫の幼名)を30日間にわたって脅したあと、7月30日に裃姿の40歳ほどの武士の姿で平太郎の前に姿を現しました。そして、次のように言いました。「私は神野悪五郎(しんの あくごろう)と魔王の頭の座をかけて少年100人を驚かせる賭けをしていた。インド、中国、日本と渡り歩いて、86人目にお前を驚かそうとしたが、お前はどうしても驚かなかった。賭けは私の負けである。今後、お前悪五郎に襲われた場合には、この小槌を打ち鳴らせ。私が力をかそう。」7月30日とある点に注意してください。旧暦では7月30日は晦日(7月最終日)です。そして旧暦7月はお盆の月です。山本五郎左衛門はお盆であの世からこの世に戻ってきた霊だったのではないでしょうか。一朗太と二郎太の父・山本五郎左衛門は妖怪・山本五郎左衛門と同一人物いや、同一神(妖怪って神だよね?)なんでしょうか?ちょっとわからないですが、もしかしたら、この『稲生物怪録』の山本五郎左衛門を福井の水仙伝説にとりこんだのかもしれません。五郎と言う名前は御霊をあらわすと聞いたことがあります。御霊とは怨霊が祟らないように慰霊したもののことです。 白崎遠見番所跡③木曽義仲、粟津の戦いで討たれる。「山本五郎左衛門は,長男一郎太と共に木曽義仲軍に参戦した」とありますね。この木曽義仲について見てみましょう。1154年、木曽義仲は、源義賢の次男として生まれました。1180年、後白河天皇の第三皇子・以仁王(もちひとおう)が、平家打倒を命じる令旨(りようじ)を発すると、木曽義仲は挙兵します。1181年、越後から討伐にきた兵士方の城助職を横田河原(長野県)の戦いで破り、北陸へ向かいます。1183年には、平維盛ら10万の大軍を倶利伽羅峠(富山県)の戦いで破り、篠原の戦い(石川県)でも大勝。入京した義仲は後白河法皇より改めて平家討伐を命じられます。しかし、治安回復が思うようにすすまず、後白河法皇の信頼を失ってしまいます。義仲は、西国へと平家討伐に向かいますが、水島の戦い(岡山県)では敗退します。そこへ、源頼朝の弟・源義経が、鎌倉から大軍を率いて京にやってきました。義仲に対する信頼を失っていた後白河法皇は源頼朝・義経らと結びつこうとし、義仲は後白河法皇捕らえて幽閉してしまいます。1184年、宇治川の戦い(京都府)で源範頼・源義経と戦うも敗戦。北陸へ逃れようとしましたが、粟津の戦い(滋賀県)で顔面に矢を受けて討死しました。 白崎海岸付近④広島の義仲信仰広島には『稲生物怪録』の山本五郎左衛門に類似した伝説がつたえられているそうです。調べてみたら広島県尾道市向島町には義仲とその子・義重を祀る覚明神社があります。義仲が討たれた際、家臣の大夫坊覚明は義仲の子・義重と家臣30名余りとともに覚明島(現:向島・川尻地区)に移住し、家臣らの自立を見届けたのち、覚明と義重は信州へと帰ったといいます。もしかして、山本五郎左衛門は木曽義仲の軍に参戦したとありますが、木曽義仲自身のことだったりして?そして広島県尾道市向島町に移住した義仲の家臣たちは、お盆の時期に義仲の亡霊がこの世へもどって来るが、畏れたりしなければ自分たちを守護してくれると考えて、伝説を創作したのかも?そうだとすれば、山本五郎左衛門のライバル・神野悪五郎の正体は源頼朝?そして、一朗太と二郎太は木曽義仲の子だということになりますが? 立厳岩(たてごいわ)⑤義仲、大塩八幡宮に本陣を構える。越前海岸のある福井県もまた木曽義仲ゆかりの地です。③のところで次のように書きました。1183年には、平維盛ら10万の大軍を倶利伽羅峠(富山県)の戦いで破り、篠原の戦い(石川県)でも大勝。1183年、平家は木曽義仲を討伐するため、北陸に十万余騎を送りました。義仲は越前の大塩八幡宮境内に本陣を構え、軍議を行って平家軍を破ったとされます。大塩八幡宮から越前海岸までは直線距離で16kmほどです。上に記したような大塩八幡宮と義仲の関係から、越前海岸の水仙伝説はつくられたのかも? 戸津井鍾乳洞前 戸津井鍾乳洞の道祖神※まとめサイトなどへ無断で転載することはおやめください。歴史ブログ・旅 free style もよろしくお願いします~。毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!にほんブログ村
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