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正寿院 風鈴 猿丸神社 『お寺の鰐口と神社の鈴の関係は?』 


京都府綴喜郡宇治田原町 正寿院
風鈴まつり・・・9月18日まで 
http://shoujuin.boo.jp/?page_id=224

今回も風鈴にちなみ、鈴彦姫の話でーす。

正寿院 風鈴


①ひとつの体でパーツが二人分ある神(妖怪)

前回、妖怪鈴彦姫の顔になっている大きな鈴(鰐口)は女性器、鈴彦姫の頭についている鈴は男性器の隠語であり
鈴彦姫とは男女双体の妖怪である、という話をいたしました。
おふさ観音 風鈴 『鈴彦姫は彦?姫?どちら?』 

SekienSuzuhiko-hime

hhttps://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e4/SekienSuzuhiko-hime.jpgttps://commons.wikimedia.org/wiki/File:SekienSuzuhiko-hime.jpg よりお借りしました。
Toriyama Sekien (鳥山石燕) [Public domain]


そして、男女双体の神として、歓喜天(仏教野神)、伏義&女媧(中国の神)、道祖神(日本では猿田彦&天鈿女)などをあげました。

多気山不動尊 道祖神 

多気山不動尊 道祖神


ここでこんなことをおっしゃる方があるかもしれません。

歓喜天(仏教の神)、伏義&女媧(中国の神)、道祖神(日本では猿田彦&天鈿女)は体はつながっているかもしれないが、体がふたつある。
しかし、鈴彦姫は体は一つしかない。

そのとおりですね、説明が足りませんでした。

鈴姫彦は体はひとつですが、頭部に大きな鈴(鰐口)と小さな鈴をつけており、男女双体をあらわしているように思えます。

同じように体はひとつで、別の部分で男女双体をあらわしていると考えられる神がいます。

吉田神社 方相氏 と しん子

吉田神社 鬼やらい神事

方相氏です。

平安時代、節分には、上の写真のような四ツ目の方相氏と呼ばれるものが「鬼やらい」といいながら宮中を歩き回り、目に見えない鬼を祓うという行事を行っていたそうです。

方相氏はなぜ四ツ目なのでしょうか。

以前、ネットで以下のような内容の記事をよみました。今、ぐぐっても見つからないのですが~。(すいません!)

(い)方相氏は中国の天神、蚩蚘(シュウ)ではないか。
(ろ)蚩蚘は炎帝神農氏の子孫であり、兵器を発明し、霧をあやつる力を持つ神。
(は)『帰蔵』は蚩蚘の姿を『八肱(八つの肘)、八趾(八つの足)、疏首(別れた首)』と記す。
(に)『疏首』というのは、首が二つあるということだ。
(ほ)蚩蚘とは二頭の獣が合体した神ではないか。
(へ)そう考えると蚩蚘が『八肱(八つの肘)、八趾(八つの足)』をもっていることの説明もがつく。
(と)『述異記』には『銅の頭に鉄の額、鉄石を食し、人の身体、牛の蹄、四つの目、六つの手を持つ』とある。
(ち)『四つの目』とあるのも二頭が合体しているのだろう。
(り)二頭を合わせると足は8本だが、人の体をしているので、8本の足のうち2本が脚で、残りの6本が手(腕)ということだろう。

つまり、方相氏は蚩蚘(シュウ)を日本的にした神であり、体はひとつだが、四つの目を持たせることで男女双体を表した神ではないかと思われるわけです。

正寿院 楓 風鈴 
正寿院 地蔵堂

正寿院 地蔵堂

正寿院 より茶畑をのぞむ 
正寿院より茶畑をのぞむ

②お寺の鰐口と神社の鈴の関係


①で「大きな鈴のことを鰐口という」と書きましたが、お寺のお堂前につりさげられているこれ ↓ も鰐口といいます。

正寿院 鰐口 

正寿院 鰐口

正寿院へ行った帰り、猿丸神社を参拝しました。

猿丸神社 拝殿 
猿丸神社

↓ 神社にはこういった鈴がとりつけられています。

猿丸神社 鈴 

猿丸神社 鈴

つまり、寺では鰐口、神社では鈴を鳴らして参拝するわけですが、次のように考えられないでしょうか。

寺社神社
鳴り物鰐口(女性器の隠語)鈴(男性器の隠語)
神仏女神(和魂)または
男女双体の神(仏)を祀る。
男神(荒魂)を祀る。


③本地垂迹説

補足が必要ですね。

まず、明治まで神仏は習合されて信仰されていました。
神社に神宮寺があったり、寺に鎮守の社があったりしたのです。

北野天満宮の例がわかりやすいと思います。

北野天満宮の神宮寺だった東向観音寺のご本尊は道真御作と伝えられています。
しかし、東向観音寺の門前には「天満宮御本地仏 十一面観世音菩薩」と記された石碑が建てられています。

天満宮とは北野天満宮の御祭神・菅原道真のことだと思います。
本地仏とは本地垂迹説からくる言葉です。
本地垂迹説とは日本古来の神々は仏教の神々が衆上を救うため仮にこの世に姿を現したものであるとする考え方です。
そして仏教の神が仮にこの世に姿をあらわした日本古来の神々のことを「権現」、
日本古来の神々のもともとの姿である仏教の神々のことを「本地仏」といいました。
つまり、「天満宮御本地仏 十一面観世音菩薩」とは「菅原道真は十一面観音の生まれ変わりである」というような意味になると思います。

東向観音寺 

東向観音寺

すると、「道真御作」というのは本当に道真が十一面観音を刻んだという意味ではなく、「怨霊として(道真の死後、疫病や天災があいつぎ、これらは道真の怨霊の仕業と考えられました。)人々に畏れられた道真が成仏して十一面観音になった」という意味ではないかと思えます。

寺社東向観音寺北野天満宮
鳴り物鰐口(女性器の隠語)鈴(男性器の隠語)
神仏女神(和魂)または
男女双体の神(仏)を祀る。
十一面観音(菅原道真が成仏した姿)を祀る。
男神(荒魂)を祀る。
菅原道真を祀る。


北野天満宮 楼門 紅葉 
北野天満宮

④女神は和魂、男神は荒魂をあらわす?


次に御霊信仰についてお話しします。

神はその表れ方で御霊・荒魂・和魂にわけられるといい、御霊は神の本質を、男神は荒魂を、女神は和魂をあらわすとする説があります。

荒魂・・・神の荒々しい側面・・・男神
和魂・・・神の和やかな側面・・・女神
御霊・・・神の本質・・・・・・・男女双体


これに③を合わせて考えると、次のようになると思います。

荒魂・・・神の荒々しい側面・・・男神・・・・神社・・・鈴(男性器の隠語)
和魂・・・神の和やかな側面・・・女神・・・・寺・・・・鰐口(女性器の隠語)
御霊・・・神の本質・・・・・・・男女双体


もしかしたら鈴彦姫の顔になっているのは、大きな鈴ではなく、お寺にかけられている鰐口なのかも?

猿丸神社 夫婦猿 

猿丸神社 夫婦猿。この石も男女双体の神石、道祖神として信仰されていたのかもしれませんね。




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[2019/09/10 15:19] 京都府 | TB(0) | CM(0)

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