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京の七夕 友禅流し 

 
京都市東山区 鴨川(三条付近)


友禅流し

①友禅流し

鴨川で友禅流しをやっていました。
といってもこれは観光用のパフォーマンスです。

明治35年ごろより、鴨川で友禅流しが行われるようになったのですが、
昭和30年ごろより、水質汚濁の原因になるとしてしだいに行われなくなったのです。
昭和46年、水質汚濁防止法が施行され、河川での友禅流しは禁止となりました。

友禅流しは、友禅染をする際の製造工程のひとつです。

友禅流し

②友禅染製造工程

a.下絵を描く。下絵用のインクにはツユクサ科のオオボウシバナの花弁から抽出した液体を用いる。
この液体は水によって容易に洗い流すことができる。

b. 下絵の上から防染剤(米糊やゴム糊)を用い、一定の太さの輪郭線(糸目)を描く。

c.輪郭線で囲まれた模様に筆や刷毛で染料をのせる。(色挿し)
にじみを防止するため、一つの色を染めて乾かした後に次の色をのせる。

d.80°C以上の高温で20分から40分、蒸気を当て、生地に染料を定着させる。(蒸し)

e.防染剤で模様全体を覆い、生地全体の地の色を染める(地染め)
藍など発酵させて作った染料の場合、酵素の働きをよくするため高温多湿の夏などに行う。

f.川で糊や余分な染料を落とす。(友禅流し)
寒い時期に行うことが多い。

友禅流し 
③高温にすると染料が定着しやすいのかな?

私はかつてステンシル(型染)をやってみたことがあるのですが
型をつかって模様に色をつけたあと、高温のアイロンで色を定着させると、説明書にありました。
瓶などにステンシルする際には電子レンジでチンするといいそうです。

友人にステンシルの型を貸したさい、やり方を教えたのですが、「アイロンをかける」と説明するのを忘れてしまい
洗濯したらすぐ色がとれてしまったといっていました。(ごめんなさい)

高温にすると色が定着しやすいのかな?
染料の種類によるのかも?

京の七夕 

④大寒の水が友禅染に適している?

あと、なんで?と思うのは、友禅流しを寒い時期に行うのはなぜか?ということです。

糊は高温のほうが溶けやすいですよね。
低音だとでんぷん質の糊は固まってしまわないのかな?

うーん、でも洋服についたガムなんかは冷やして固めてとったりもしますね?

低音の水のほうが、オオボウシバナの花弁から抽出した下書き用インクが落ちやすいとか?

低温の水のほうが発色がいいと書かれたサイトもありましたが、なぜ低音にすると発色がよくなるのでしょうか?
染色の科学は難しいーーー。

いろいろ調べていくと、大寒の水が友禅流しには適している、というような書き込みもありました。

友禅染 
 
二条城では京友禅フェアをやっていました。

⑤大寒って何?

大寒は二十四節気のひとつです。

二十四節気とは一太陽年を二十四等分し、その分割点を含む日に季節を表す名称をつけたものです。

具体的に説明しましょう。

1年は365日ですね。

これを24等分すると、365日÷24=15.2日となりますので、15.2日ごとに1年を24分割するわけです。
15.2日というのは中途半端な数字ですが、この分割点を含む日に、立春・雨水・啓蟄などの名前をつけるということだと思います。

2019年の二十四節気は次のようになっています。

小寒1月06日 0時39分
大寒1月20日 18時00分
立春2月04日 12時14分
雨水2月19日 8時04分
啓蟄3月06日 6時10分
春分3月21日6時58分
清明4月05日10時51分
穀雨4月20日17時55分
立夏5月06日4時03分
小満5月21日16時59分
芒種6月06日8時06分
夏至6月22日0時54分
小暑7月07日18時21分
大暑7月23日11時50分
立秋8月08日4時13分
処暑8月23日19時02分
白露9月08日7時17分
秋分9月23日16時50分
寒露10月08日23時06分
霜降10月24日2時20分
立冬11月08日2時24分
小雪11月22日23時59分
大雪12月07日19時18分
冬至12月22日13時19分

上の表を見るとおわかりいただけるように、大寒は1年でもっとも寒い時期です。

友禅染 龍 

二条城 京友禅フェア

⑥大寒の水は腐らない。

967年施行の延喜式には次のように記されています。

大寒の日、宮中の諸門に『牛を牽く童子の像』をたて、立春の前日=節分の日に撤去する。

大寒は立春(春の始まり、1年の始まり)につながる季節であり、春の準備をする季節だったともいえるのではないでしょうか。

また「寒の水」は清らかで霊力があるとか、腐らないと考えられており、感仕込みの醤油・味噌なども珍重されたということです。

寒い時期に友禅流しをすると本当に発色がよくなるのかどうかわかりませんが(ご存じの方、教えてください!)
「寒の水」は清らかで霊力があり、腐らないと考えられていたため、大寒のころに友禅流しをやっていたのかも?

大寒のころに「寒稽古」「寒中水泳」等を行って心身を鍛えようという考え方もあったようで、そういったところから大寒の友禅流しも行われたとか?

友禅染2 
二条城 京友禅フェア


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