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八坂神社 石見神楽 『クシイナダヒメは鯨ヒゲの女神だった?』 

京都市東山区 八坂神社 
石見神楽奉納 7月16日

八坂神社 石見神楽 火を噴く大蛇  

①石見神楽『大蛇』

八坂神社の能舞台にスサノオが降臨!

お囃子もすごい。ヘビメタですよ、ヘビメタ!

『大蛇』は記紀神話の八岐大蛇を題材にした神楽です。

八坂神社 石見神楽 スサノオ クシナダヒメ アシナヅチ テナヅチ

スサノオは高天原を追放されて出雲国に降り立ちました。
川の上流から箸が流れてきたので、川を遡ってみるとアシナヅチ・テナヅチ夫婦とクシナダヒメがいました。
アシナヅチ・テナヅチ夫婦には娘が8人いたが、年に一度、高志から八岐大蛇がやってきて娘を食べてしまい、もう末娘のクシナダヒメしか残っていないと言います。 
スサノオはクシナダヒメと結婚させてくれるなら、八岐大蛇を退治しようと申し出ました。
スサノオはクシナダヒメを歯の多い櫛にして自分の神にさしました。
そしてアシナヅチ・テナヅチには7回絞った強い酒を造らせ、8つの門をつくってそれぞれに酒をいれた桶を置くように命じました。
そこへ八岐大蛇がやってきて、8つの頭をそれぞれの桶に突っ込んで酒を飲み、酔っぱらって寝てしまいました。
それをみはからって、スサノオは八岐大蛇を十拳剣で斬りました。
尾を切ったとき、剣の刃がかけ、尾の中から「草那藝之大刀」が出てきたので、これを天照大神に献上しました。
八岐大蛇を退治したスサノオは櫛になったクシナダヒメと暮らす場所を求めて出雲の根の堅洲国・須賀にやってきて歌を詠みました。


八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を


八坂神社の御祭神はスサノオ・クシナダヒメと二神の間に生まれた八柱御子神です。
まさしく八坂神社の神々が能舞台に現れたのです!

 八坂神社 石見神楽 とぐろを巻く大蛇 


②櫛に変えられたクシナダヒメは元の姿に戻ったのか?

櫛に変えられたクシナダヒメが元の姿に戻ったとは記されていません。
一般的にはスサノオによって元の姿に戻されたと解釈されていますが、私はクシナダヒメは櫛のまま、元の姿には戻されていないと思います。

その理由を説明します。 

八坂神社 石見神楽 大蛇 大蛇と戦うスサノオ2

③八つの丘、八つの谷にのびる巨大な大蛇

八岐大蛇について、日本書紀は次のように記しています。

松や柏が背中に生えていて、八つの丘、八つの谷の間に延びていた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%82%BF%E3%83%8E%E3%82%AA%E3%83%AD%E3%83%81 
より引用

八岐大蛇はとても巨大な大蛇だったのですね。

八坂神社 石見神楽 大蛇 大蛇と戦うスサノオ 
④スサノオは大鯨、クシナダヒメは鯨ひげ

スサノオは父のイザナギに「大海原をおさめよ」と命じられています。
スサノオは海の神なのです。
そして海の神として崇められてきた、大蛇に匹敵する大きな生物といえば鯨ですね!
スサノオはクシナダヒメを櫛に変えることができるよどの神通力の持主です。
自らが変身することも可能だったことでしょう。
スサノオは八岐大蛇に対抗できるほどの、大きな鯨に変身したのではないでしょうか。

ヒゲクジラ亜目の上顎部には繊維が板状になった「鯨ヒゲ」と呼ばれる器官があります。
ヒゲクジラは海水を飲み込み、舌で海水を押し上げて口からだします。
そして鯨ヒゲにひっかかったプランクトンを食べるというわけです。

https://ameblo.jp/oldworld/entry-10271694548.html
↑ こちらの記事の説明がわかりやすいです。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Baleen_P1180086.jpg?uselang=ja 
上記、鯨ヒゲの写真を見てください。
まるで「歯の多い櫛」のようではありませんか!

八坂神社 石見神楽 火を噴く大蛇4

クシナダヒメは鯨ヒゲに変えられたのでしょう。

つまり、スサノオはクシナダヒメを鯨ヒゲに変えて自分の頭にさすことで、自らはヒゲクジラに変身したということだと思います。
そして、スサノオとクシナダヒメが結婚するというのは、クシナダヒメを鯨ヒゲに変えてスサノオの頭にさすという合体を言っているのではないでしょうか。


八坂神社 石見神楽 大蛇 大蛇と戦うスサノオ3


⑤化鯨

化鯨という妖怪がいます。

昔、日本海でも鯨はたくさん獲れていたそうです。
そのころ、出雲国・島根半島で、大きくて白い鯨が現れました。
ところが、漁師たちがどれだけ銛を打ち込んでもびくともしません。
目をこらしてよく見てみると、それは骨だけのヒゲクジラで、沖の彼方へと泳ぎ去っていきました。

この化鯨はスサノオとクシナダヒメが合体して変身した妖怪ではないでしょうか?

八坂神社 石見神楽 火を噴く大蛇2

⑥稲佐の浜のクジラ島

島根県の出雲大社の西1kmほどのところにある稲佐の浜にはかつてクジラ島という島があったそうですが、今は砂浜に埋もれてしまっているそうです。
1年に1度、砂浜を堀ってクジラ島の姿をあらわにするクジラ島祭が行われているそうです。

この砂に埋もれたクジラ島がスサノオとクシナダヒメが合体して変身した鯨の正体かも?



祓戸社のある緑色の部分が出雲大社

八坂神社 石見神楽 大蛇 大蛇の首を取るスサノオ


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[2018/07/18 15:05] 京都の祭 | トラックバック(-) | コメント(-)