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四天王寺 聖霊会 『聖徳太子は偶数に縁がある。』 

大阪市天王寺区 四天王寺
聖霊会 4月22日


四天王寺 聖霊会 道行

①聖徳太子の命日は4月22日ではない。

四天王寺は聖徳太子が建てたお寺で、聖霊会は「聖徳太子の命日に慰霊を目的として催される舞楽大法要」とのことです。
こう聞くと大抵の方は「へー、聖徳太子の命日って4月22日なんだ~。」と思うのではないでしょうか。
実はそうではありません。聖徳太子の命日は推古天皇30年2月22日なんです。
推古天皇30年2月22日というのは旧暦で、新暦換算すると622年4月8日です。

四天王寺 聖霊会 獅子

②新暦採用でずれてしまった行事と季節感

日本で新暦(太陽暦/グレゴリオ暦)を用いるようになったのは明治5年のことです。
それまで用いていた旧暦は太陰太陽暦といって月のみちかけの周期をベースとしたものでした。
新暦は旧暦よりも約1か月ほど早くなります。
そのため、行事と季節感がずれてしまったケースが多々あります。

たとえば3月3日の雛祭は、桃の節句とも呼ばれますが、新暦の3月3日ではまだ桃の花は咲いていません。
関西で桃の花が咲き始めるのは3月下旬から4月上旬ですね。

四天王寺 聖霊会 伝供

旧暦7月7日の七夕は、新暦では8月ごろですが、新暦で七夕の行事をするところが多いですね。
新暦7月7日は梅雨があけず雨が降る確率が高いです。
7月7日、牽牛と織姫は天の川にかささぎが架けた橋を渡って1年に1度の逢瀬を楽しむといわれますが、雨がふるとかささぎが橋をかけず、二人は逢うことができないと言われています。
新暦採用によって牽牛・織姫は逢瀬を楽しめない年がぐんと増えてしまったわけです。

四天王寺 聖霊会 伝供2

③月遅れ

このような行事と季節感のずれを解消するため、月遅れといって、行事を一か月遅れで行うケースがでてきました。
例えば旧暦7月15日を中心にして行われていたお盆の行事を、新暦8月15日を中心として行ったりしています。
これを月遅れといいます。

ところがお盆は旧暦7月15日を中心に行っていたのを、月遅れで新暦8月15日を中心に行うようになったのですが
旧暦7月7日に行われていた七夕は新暦7月7日に行うことが多いので、
本来七夕はお盆の入りの行事であったのに、その意味が薄れてしまったというようなこともあります。

四天王寺 聖霊会 菩薩

④聖霊会はなぜ月遅れの3月22日ではなく4月22日に行われているの?

聖徳太子の命日は旧暦2月22日です。
明治5年に新暦が採用される以前は旧暦2月22日に聖霊会を行っていたのでしょう。
これを、月遅れでこれを行うとすると新暦3月22日となります。
それなのに聖徳太子の命日に催される聖霊会は、なぜ3月22日ではなく、4月22日に行われているのでしょうか?

推古天皇30年2月22日というのは旧暦で、新暦換算すると622年4月8日です。
新暦3月22日だと新暦4月8日には17日早くなります。新暦4月22日だと14日遅くなります。
新暦4月22日に行うほうが実際の命日とのずれが少ないということで、この日に聖霊会が行われているのでしょうか?

四天王寺 聖霊会 振鉾

⑤聖徳太子には偶数が似合う?

そうではないと思います。
3月22日の3月は奇数となります。
本来の聖徳太子の命日は2月22日とすべて偶数です。

法隆寺 中門と五重塔

上の写真は聖徳太子が建てたと伝わる法隆寺の写真です。
五重塔の手前にある中門に注目してください。
4間になっているという珍しいものです。
通常、門は下の東大寺中門のように奇数間に作られます。

東大寺 中門 大仏殿

東大寺 中門と大仏殿

法隆寺のは偶数間になっているので門の中央に柱がたつ形になります。
梅原猛さんは『門に柱を建てれば閂になる』とし、法隆寺は聖徳太子の怨霊封じ込めの寺ではないかと説かれました。

聖徳太子の子孫は蘇我入鹿に攻められて全員斑鳩寺(法隆寺)で首をくくって死に、聖徳太子の血は絶えました。
我々日本人の中に聖徳太子の血は一滴も流れていないのです。

四天王寺 聖霊会 迦陵頻 

⑥奇数は陽、偶数は陰

陰陽思想では奇数は陽、偶数は陰と考えます。
また怨霊=鬼と考えていいと思いますが、鬼という言葉は陰からくるとも言われます。
聖徳太子が偶数と縁が深いのは、聖徳太子が怨霊だからかも?

それで聖霊会は聖徳太子の命日の月遅れの3月22日ではなく、4月22日に行われているのだったりして?

四天王寺 聖霊会 蘇利子 

上は聖徳太子めざめの舞と呼ばれている蘇利古です。雑面をつけたこの姿は聖徳太子の怨霊ではないでしょうか?

四天王寺 聖霊会 

四天王寺 聖霊会-太平楽 


四天王寺 聖霊会 2 


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[2018/04/25 20:12] 大阪の祭 | トラックバック(-) | コメント(-)