當麻寺 牡丹 はなずおう 『お露はなぜ牡丹灯篭とともに現れたのか?』 

奈良県葛城市 當麻寺 中之坊
2018年4月18日 撮影

當麻寺 中之坊 牡丹

①牡丹灯籠

夏はまだもう少し先ですが、怪談をひとつ。

お露は萩原新三郎に恋い焦がれるあまり、死んでしまいました。
お露つきの女中・お米もお露のあとを追って死に、二人とも幽霊になってしまっいました。
幽霊になってもお露は新三郎が恋しくてならず、夜な夜な新三郎のもとへ通いました。
牡丹灯篭を下げた女中・お米は牡丹燈籠を手にもってお露のお供をしました。
新三郎はお露が幽霊であると知り、家のまわりに幽霊封じのお札をはり、さらにお守りとして小さな金の仏像を身につました。
新三郎に会えなくなったお露とお米は、新三郎の下男・伴蔵に「お札をはがしてほしい」と頼みます。
半蔵は「百両もってきたらはがしてあげるよーん」と言いました。
お露とお米は百両もってきました。
そこで伴蔵とお峰は新三郎の仏像を盗み、お札もはがしました。
お露とお米は新三郎の家の中に入っていき、新三郎とともにあの世へ去っていきました。


ご存じ、怪談『牡丹灯籠』です。

當麻寺 中之坊 牡丹とはなずおう

②牡丹燈記は正月の話だった

なぜお露の女中・お米は牡丹灯篭を下げていたのでしょうか。
お盆には盆灯篭といって故人の霊が迷わず戻ってこれるように灯篭をともす習慣があります。
それで幽霊になったお米はお露が迷わず新三郎のもとへ通えるように灯篭を下げていたのでしょうか?
つまり、幽霊になったお露が新三郎のもとへ通っていたのはお盆の時期なのか?ということです。

ですが、牡丹灯籠の元になった中国の牡丹燈記を読むと、お盆の時期ではありません。

當麻寺 中之坊 牡丹と白藤

元末、明州(浙江省鄞県/せっこうしょうきんけん)では正月元宵の燈籠見物でにぎわっていました。
妻を亡くしてやもめ暮らしをしていた喬生(きょうせい)は夜更けに17~18歳の美女・麗卿(れいきょう)と出会いました。
美女は牡丹型の灯篭を持った侍女・金蓮(きんれん)をつれていました。
麗卿はその日から毎日喬生の家にやってくるようになりました。
半月ほどたち、隣家の老翁が骸骨と抱き合う喬生の姿を見、喬生に麗卿の正体を調べるようアドバイスします。
喬生は湖心寺という古寺の奥の一室で棺を見つけました。
その棺には「もとの奉化州判の娘、麗卿の柩」と記されていました。
棺の前には牡丹燈と藁人形があり、藁人形の背中には「金蓮」と書いてありました。
喬生は逃げ帰り、法師に魔除けのお札をもらいました。
それから麗卿はやってこなくなりましたが、ひと月ほどしてうっかり湖心寺の前を通ってしまったところ、金蓮に捕まえられて寺の中へ引きずり込まれました。
寺の中には麗卿がおり、喬生を棺の中にひきずりこみ、自分も一緒に棺の中に入って蓋を閉じてしまいました。
喬生が帰ってこないのを心配した隣家の老翁は湖心寺まで探しにやってきて、棺の中で喬生と麗卿が抱き合うようにして死んでいるのを発見しました。
これ以降、月のない夜には喬生と麗卿が手をつなぎ、その先を牡丹燈を持った侍女が歩いて行く姿が見られるようになりました。

當麻寺 中之坊   

牡丹型の灯篭を持つ侍女をつれた美女があらわれたのは正月です。

中国では正月にたくさんの灯篭を飾る習慣があるようですね。


南京町 あづまや 
神戸 南京町 ランターンフェア

③年がかわるとき、幽霊やお化けがでる?


どうも、年がかわる際には幽霊とかお化けがでると考えられていたんじゃないかと思うんですね。

堂島薬師堂 美しすぐるお化けさん達 

堂島薬師堂付近を練り歩く美しすぐるお化けさんたち


日本では節分にお化けといって変装して練り歩く習慣がありますが、節分とは二十四節気の大晦日で、1年の変わり目になります。

ハロウィン(10月31日)にも変装して練り歩きますが、ハロウィンとはもともとはケルト人の大晦日の行事だと考えられています。
ケルト人はこの日死者の霊が家族を訪ねてくると考えていました。
その際、悪霊もあらわれると考えられ、この悪霊から身を守るために変装する習慣が生じたと言われています。
日本の節分のお化けも同様の信仰によるものなのかもしれません。

偶然かもしれませんが、上の写真のお化けさんは灯篭をもっていますよ。
また、ハロウィンにはジャック・オ・ランタンといってかぼちゃをくりぬいた灯篭をつくりますね。

Halloween-card-mirror-1904

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Halloween-card-mirror-1904.jpg
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5d/Halloween-card-mirror-1904.jpg よりお借りしました。

<a title="作者 Ellen Clapsaddle (1865–1934) (Drawing by Ellen Clapsaddle) [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で"


牡丹燈篭はジャックオランタンのようなもので、お露や麗卿の侍女が牡丹灯籠をもっていたのは、彼女たちがお化け(幽霊)であることを示しているのかも?

牡丹はお露や麗卿が美人であることを表しているのではないかと思います。

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」といいますね。

當麻寺 中之坊 はなずおう  

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[2018/04/18 19:28] 奈良県 | トラックバック(-) | コメント(-)