百済王神社 百済寺跡 桜 『軍王=豊璋? & トラツグミはなぜ妖怪視されたのか?』 


大阪府枚方市 百済王神社 百済寺跡
2018年4月初旬 2007年4月初旬 撮影

百済王神社 桜  

①百済王家の末裔

ℚ.これはなんとよむ? → 百済王


答えは、「くだらのこにきし」です。超難読?


百済王とは渡来系氏族の姓で、枚方市には百済王氏の祖霊を祭る百済王神社があります。
百済王神社の隣には百済寺跡がありますよ。

百済王神社 鳥居 桜

4世紀前半ごろより 660年まで朝鮮半島に百済という国がありました。

百済第31代王の義慈王(ぎじおう)は高句麗ととも新羅をせめていました。
また日本に軍事協力を求める意味から、子の豊璋(ほうしょう)と善光を日本に人質として送り込んでいました。

しかし唐と新羅が同盟を結んで攻めてきて、660年新羅は滅亡してしまうのです。

百済の遺臣は豊璋を国王に擁立して百済を復興させる計画をたて、日本に援助を求めます。

これを受け、中大兄皇子は661年、豊璋を護送する軍を送ります。
662年には第2軍を送っています。
しかし663年の白村江の戦いで、百済日本連合軍は大敗します。
豊璋は捕らえられて幽閉されたとか、流罪になったとされます。

豊璋の弟・善光は日本にとどまり、彼の子孫は持統天皇より百済王の姓を賜りました。
桓武天皇の母親・高野新笠は百済王氏の和(やまと)氏でしたね。

百済王神社 桜2

②軍王=豊璋?


万葉集に軍王という人の和歌があります。
軍王は従来「いくさのおおきみ)と読まれていました。

しかし雄略紀に百済王加須利君(かすりのきし)が日本に送った弟の名前を「軍君」といい
『釈日本紀』はコニキシ(またはコンキシ)とよんでいます。

コニキシとは百済王族に対する尊称です。
そのため、青木和夫さんは軍王とは豊璋のことではないかとおっしゃっています。

百済王神社 拝殿 山桜

③軍王の歌は百済を懐かしむ歌?

軍王の歌を鑑賞してみましょう。

讃岐国康益郡(あやのこほり)に幸(いでま)せる(時、軍王の山を見て作る歌

霞立つ 長き春日の 暮れにける わづきも知らず むらきもの 心を痛み ぬえこ鳥 うら泣け居れば 玉たすき 懸けのよろしく 遠つ神 我が大君の 行幸の 山越す風の ひとり居る 我が衣手に 朝夕に 返らひぬれば 大夫と 思へる我れも 草枕 旅にしあれば 思ひ遣る たづきを知らに 網の浦の 海人娘子らが 焼く塩の 思ひぞ焼くる 我が下心 

反歌
山越しの 風を時じみ 寝る夜おちず 家なる妹を 懸けて偲ひつ 


【通釈】[長歌]霞の立つ長い春の一日が、いつの間にか暮れてしまった――そのようにわけも知れず、心が痛むので、トラツグミのように忍び泣きをしていると、託して思うのに具合よいことに、我が大君がお出ましになった山を越えて故郷の方から吹て来る風が、独りでいる私の衣の袖に朝な夕な、「帰れ」と言うように吹き返すので、立派な男子と自負している私も、旅の空にあることとて、思いを晴らすすべも分からず、網の浦の海人乙女らが焼く塩のように、ただ家恋しさに焦がれている、我が胸の内であるよ。
[反歌]山を越して来る風が時を分かず吹き寄せるので、寝る夜は一晩も欠けることなく、家にある妻を、吹き返す風に託して偲んだのだ。

http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/ikusaou.htmlより引用

軍王=豊璋と考えると、この歌は豊璋が故郷・百済の安否を気遣い、また百済を懐かしんでいる歌のように思えますね。

百済王神社 拝殿 桜

④夜に鳴く鳥・鵺(ぬえ)

歌に「ぬえこ鳥」とありますが、「ぬえこ鳥」とはトラツグミのことだとされます。



動画お借りしました。動画主さん、ありがとうございます!

ダンスをしているように見えるのは、草を振動させているのだそうです。
草を振動させると草に隠れている虫が動き、それを捕らえて食べるとのこと。

かわゆす!

このようなかわいいトラツグミですが、ぬえこ鳥という名前は妖怪・鵺からくるものだと思います。

平安時代、妖怪・鵺は源頼政によってとらえられましたが、頭はサル、体はタヌキ、尾はヘビ、手足はトラのようであったとされます。

百済寺跡 礎石  

なぜこんなかわいい鳥が妖怪視されたのでしょうか?

私の考えでは、トラツグミは夜に鳴くので不気味だと考えられたのではないかと思います。
夜に鳴く鳥といえば、あとはフクロウ、ヨダカくらいですか?

ユーチューブで検索すると、夜に鳴くトラツグミの動画がたくさんヒットします。

長歌は
霞立つ 長き春日の 暮れにける わづきも知らず むらきもの 心を痛み ぬえこ鳥 うら泣け居れば・・・ 
でしたね。

※「わづき」とは「わけもしれず」、「むらきもの」は「心にかかる枕詞」です。

霞立つ 長き春日の 暮れにける 霞が立つ長い春の一日が暮れてしまった)とあるので、ぬえこ鳥(トラツグミ)が鳴いているのは夜だということになりますね。

百済寺跡 桜 礎石

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[2018/04/12 15:52] 大阪 | トラックバック(-) | コメント(-)