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蔵王堂光福寺 久世六斎 『空飛ぶ鉢の正体とは』 


京都市南区 蔵王堂光福寺
八朔祭・・・8月31日


蔵王堂光福寺では毎年8月31日に八朔祭が行われており、久世六斎会の人々によって六斎念仏が奉納されています。

六斎念仏って何?という方はこちらをクリックしてください
。→『京都のお盆は六斎念仏! 阿弥陀寺 嵯峨野六斎 』

八朔って何?という方はこちらをクリックしてください。→ 
『祇園白川 八朔 舞妓さんと芸妓さん 』

蔵王堂光福寺 祇園囃子 
①蔵王堂光福寺に伝わる浄蔵の伝説

平安時代、浄蔵貴所は吉野山大峰山で修行を終えて帰ろうとしていたところ、蔵王権現が現れて「連れて帰ってほしい」とおっしゃったので、浄蔵は蔵王権現を背負って帰りました。
途中、浄蔵は桂川にを落としてしまいました。
その鉢が流れ着いた場所で蔵王権現は動かなくなったので浄蔵はそこに寺を建てました。


この浄蔵がたてた寺が蔵王堂光福寺だと伝わっています。
奈良県吉野山の金峯山寺に蔵王堂があり、蔵王権現を祀っています。
蔵王堂光福寺という寺名はここからつけたのでしょう。

蔵王堂光福寺 獅子

②八(鉢)に縁の深い浄蔵

浄蔵はたいへん8に縁の深い人物でした。

3月8日に、文章博士・三善清行の八男として生まれ、東山の八坂の塔を法力でな直しています。
さらに浄蔵が創建した光福寺で行われている祭は八朔祭です。

また八の音は鉢に通じますが、光福寺の創建説話にもが登場しています。
浄蔵は托鉢のを飛ばして食べ物を集めていたという話もあります。
 
蔵王堂光福寺 六斎念仏2

②鉢=八は頭(ドクロ、首)を意味している?

鉢を飛ばしたという話は奈良の朝護孫子寺に伝わる『信貴山縁起絵巻』にも記されています。
そして頭のことを鉢ということがありますが、蘇我入鹿や平将門、玄昉らの首が飛んだという伝説があります。
浄蔵が鉢を飛ばしたという伝説があるのは、浄蔵が頭・・・髑髏と関係が深いからではないかと私は考えています。

蔵王堂光福寺 六斎念仏 

③吉野は髑髏信仰があった?

浄蔵は吉野山大峰山で修行をしていたということですが、吉野山にある金峯山寺の塔頭に竜王院(脳天大神)があり、頭の神様として信仰されています。
その脳天大神には狛犬ならぬ狛蛙が置かれています。 ↓

龍王院 狛蛙

 吉野の蔵王堂では蛙飛び行事も行われています。↓

 蔵王堂 蛙飛行事3

亀石
 
↑ 飛鳥の亀石は亀ではなく蛙ではないかともいわれていますが、亀や蛙よりももっと妖怪・ぬらりひょんに似ています。
 
妖怪ストリート ぬらりひょん 

↑ 上は京都の大将軍商店街(妖怪ストリート)に置かれてあった妖怪・ぬらりひょんの人形ですが、眉間に皺があるところまで亀石にそっくりです。

飛鳥の亀石は髑髏を象ったものであり、龍王院(脳天大神)に狛蛙が置かれているのは、蛙が人間の頭蓋骨=髑髏に似ているためではないでしょうか。

どうも吉野は髑髏に関する信仰の深い土地だったのではないでしょうか?
そして吉野で修行をした浄蔵は髑髏を用いる呪術を会得して京に戻ったということなのかも?

蔵王堂光福寺 土蜘蛛  


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[2019/08/31 23:02] 京都の祭 | トラックバック(-) | コメント(-)