仁和寺 雪 『松竹梅は怨霊だった?』 

 
京都市右京区 仁和寺
2015年1月初旬 撮影


仁和寺 京門松 

①京門松

仁和寺の門前に京門松が飾られていました。

京都では京門松といって、根のついた松を半紙でつつみ、水引をかけただけの質素な門松を飾るのが一般的です。

根のついた松は『根引き松』といい、「根がつきますように」という願いをこめて正月に飾るのだと言われています。
でも、「根がつきますように」というのは後付けで、本来はこれとは異なる意味があって飾られていたのではないかと思ったりします。

仁和寺4

②根こそぎ抜かれて左義長で燃やされる根引き松

みなさんは京門松を見て、どう思われますか?
私はまだ若い松なのに、根こそぎ抜かれちゃってかわいそう~、と思ったのです。

枝を切ったくらいでは植物は枯れません。
でも、根こそぎ抜かれちゃったら、あとは枯れるしかないのでは?

これを友人に話したところ、こんな風に言われました。
「根がついてるので、また土に埋めれば成長するんとちゃう?」

でも門松は1月14日の夜、または15日の朝に左義長(三毬杖・さぎちょう/「どんと」とも言う)で注連飾りや書初めなどとともに燃やすのがしきたりです。

門松は一般的には、神の依代であると説明されます。
ということは、神は門松ごと左義長で燃やされてしまう、ということ?

仁和寺 
③怨霊と神は同義語だった

古の日本には怨霊信仰がありました。
怨霊とは政治的陰謀によって不幸な死を迎えた人のことで、疫病の流行や天災は怨霊の仕業によて引き起こされると考えらえていました。
そのため、怨霊が祟らないように神として祀ったのですね。

陰陽道では怨霊は十分に祭れば、ご利益を与えてくださる和霊に転じると考えるそうです。
さらに強力な怨霊であればあるほど、霊験あらたかな神に転じると考えられました。

怨霊と神は同義語だったと言われるのは、こういうことなんですね。

仁和寺3

④菅原道真と梅

怨霊として有名なのが菅原道真です。

道真は有能な政治家でした。
しかし道真に嫉妬した藤原時平が醍醐天皇にこう讒言したのです。
「道真は謀反を企てている」
醍醐天皇はこれを聞き入れて道真を流罪としました。
数年後、道真は失意のうちに大宰府でなくなりました。
その後、都では疫病の流行、相次ぐ天災などがあり、それらは道真の怨霊の仕業だとされたのです。

菅原道真を祀る北野天満宮は村上天皇代に創祀されていますが、村上天皇は醍醐天皇の皇子です。
醍醐天皇は道真を左遷した張本人で、道真の怨霊を恐れてノイローゼとなって崩御したといわれています。
その醍醐天皇の皇子である村上天皇は、自分にも道真の祟りがあるのではないかと恐れたんじゃないでしょうか。
それで道真の怨霊を鎮めるため、北野天満宮に道真を祀り、神としてあがめたのではないでしょうか。

菅原道真を祀る天満宮にはたくさんの梅の木が植えられていますし、紋も梅紋です。
梅は菅原道真という怨霊のシンボルだといえるでしょう。

北野天満宮 梅3

北野天満宮

⑤聖徳太子と松

梅原武さんは聖徳太子は怨霊であるとおっしゃっています。
聖徳太子の子孫蘇我入鹿に攻められて全員斑鳩寺(法隆寺)で首をくくってなくなりました。
そのため聖徳太子は怨霊になったというのです。

聖徳太子等身大の像と伝わる法隆寺の救世観音は光背が頭に直接打ち付けてあります。
(光背は足元に棒をたて、その棒につけるのが一般的)
これは聖徳太子の怨霊が蘇らないようにするための呪術ではないかと梅原さんは説明されています。

また法隆寺の中門の中央には柱がありますが、門に柱を立てれば閂で、聖徳太子の怨霊が境内から外に出るのを封じるための呪術ではないかとも梅原さんはおっしゃっています。

法隆寺 中門と五重塔 

法隆寺 中門と五重塔

父君の用明天皇が聖徳太子に「桃の木と松の木、どちらが好きか」と問うたところ、聖徳太子は「1年中青々と葉を茂らせている松が好きです」と答えたのだとか。
そのためか、法隆寺には松の木が多いです。
松は聖徳太子のシンボルですね。

法隆寺 夕景 
法隆寺

⑥松竹梅は怨霊のシンボル?

京門松は根引き松ですが、全国的に見ると松竹梅をあしらった門松が多いですね。

竹は誰のシンボルなのかわからないんですが、松と梅が怨霊のシンボルなので、竹も怨霊のシンボルじゃないのかなあ、と思います。
高田祟史さんも松竹梅は怨霊のシンボルであるというようなことをおっしゃっていましたね。

この松竹梅を用いて作った門松を怨霊の依代とし、左義長で焼くことで怨霊を焼き払う?

京門松は、まだ若い松の木を寝言引っこ抜いたうえで左義長で焼いてしまいます。
門松とは本来は残酷な呪術的装置だったのかも?

仁和寺 五重塔 

仁和寺2

仁和寺6 

仁和寺5 



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[2018/01/16 11:19] 京都府 | トラックバック(-) | コメント(-)