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一心寺 紅葉 『浄土宗と日想観と聖徳太子信仰』 


大阪市天王寺区 一心寺
2013年11月下旬 撮影

一心寺 納骨堂 
一心寺

①法然、四天王寺西門近くに草庵を結ぶ。

浄土宗の開祖は法然(1133年ー1212年)ですね。
1185年、この法然が四天王寺別当・慈円の要請を受けて四天王寺の西門の近くに源空庵という草庵を結びました。
これが一心寺のルーツです。もちろん一心寺は浄土宗ですよ。
その後、後白河法皇’(1127年~1192年)がここを訪れて、法然とともに日想観を修したと伝えられています。

日想観とは、 西に沈む太陽を見て、その丸い形を心に留める修行法だということです。

淀川や大和川が運んでくる大量の土砂によって平地が増え、現在の海岸線ははるか遠くになってしまったのですが
かつて四天王寺の西門から海が眺められたといわれます。
そして四天王寺周辺ではこの日想観がさかんに行われていたようです。

極楽浄土は西方にあると考えられており、日想観はその極楽浄土を拝むという意味合いがあったのでしょう。

法然が結んだ源空庵とは日想観を行うための草庵であったのかもしれませんね。

法然は「南無阿弥陀仏」と唱えさえすれば、人は誰でも極楽浄土に行くことができると説きました。
そんな法然の浄土教の思想にぴったりマッチする土地が四天王寺付近だったということなのかなあと思います。

一心寺 本堂 
一心寺

②藤原家隆、四天王寺西門近くに草庵を結ぶ。

法然だけでなく、歌人の藤原家隆も1236年に病を患って石像寺(釘抜き地蔵)で出家し、その後四天王寺近くの夕日庵に移って日想観を修したといわれます。

現在、その夕日庵跡には家隆塚がありますよ。

家隆塚  
家隆塚




③家隆山石像寺


藤原家隆が出家したという石像寺は京都西陣にあります。
もとは真言宗だったそうですが、重源(1121~1206)によって浄土宗に改められています。
家隆が出家したのは1236年なので、そのときはすでに浄土宗だったんですね。

で、家隆がここで出家したため石像寺は山号を家隆山といいます。

家隆は浄土宗だった石像寺で出家したのち、四天王寺近くの夕日庵に移って日想観を行っていますし
それ以前には浄土宗の開祖・法然が四天王寺近くに源空庵を結び、やはり日想観を行っています。
どうも日想観というのは浄土宗と関係が深いように思われますね。

四天王寺は現在は和宗、かつて天台宗だったこともあるようですが、浄土宗であったことはないと思います。
それでも法然が源空庵を結んだのは四天王寺別当の慈円の要請を受けてのことでしたし
四天王寺と浄土宗は関係が深いといえるかもしれません。

日本の仏教は簡単に宗派を変えるなど、もともと宗派に大してこだわりがなかったのかもしれません。

石像寺 門

石像寺

④石像には聖徳太子信仰があった?

四天王寺は聖徳太子が建立した寺ですが
家隆が出家した石像寺にも聖徳太子信仰があったと思われるふしがあります。

石像寺は「釘抜き地蔵」と呼ばれており、次のような伝説が伝えられています。

a.遣唐使として唐に渡った弘法大師は、日本へ石を持ち帰り、地蔵菩薩を彫った。
そして「人々の諸悪・諸苦・諸病を救い助けん」と祈願した。
いろいろな苦しみを抜きとってくださるお地蔵様「苦抜(くぬき)地蔵」と呼ばれるようになり、その後「くぬき」がなまって「くぎぬき」になった。


b.室町時代、両手の痛みに悩む大
商人・紀伊国屋道林がこのお地蔵さまに七日間願掛けすると、7日目の夜の夢の中にお地蔵様が現れた。
お地蔵さまは「手の痛みは、あなたが前世でわら人形に釘を打ち人をのろった報いである。」と言い、釘を抜いた。
商人が目覚めると手の痛みは治っていた。

この伝説にちなみ、石像寺境内にはくぎ抜きと5寸釘をモチーフとした絵馬がたくさん奉納され、お堂の壁一面にかけらています。

石像寺 絵馬

石像寺

聖徳太子は建築の神としても信仰されており、四天王寺近くにある金剛組のは578年、聖徳太子が四天王寺を建立するため百済よりま招いた宮大工・金剛重光が創業したとされています。
もちろん金剛組は世界最古の企業ですよ。

金剛組では今も朝礼の際、厨子をあけ、聖徳太子像を拝んでいます。

紀伊国屋道林の手のひらから釘を抜いてくれた地蔵菩薩とは聖徳太子なのではないでしょうか。
そして石像寺で出家し夕日庵で日想観を行った藤原家隆もまた聖徳太子を信仰していたのではないかと思ったりします。


一心寺 

一心寺

一心寺 本多忠朝の墓 

一心寺 本多忠朝の墓



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[2017/12/12 00:00] 大阪府 | トラックバック(-) | コメント(-)