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湯浅の街並みと山田川 『阿漕の正体はサルタヒコ?』 


和歌山県湯浅町

湯浅 山田川 

①湯浅のシロウオ漁

湯浅の土産物屋さんにシロウオ漁のミニチュアが置いてあったので、お願いして写真を撮らせてもらいました。

湯浅シロウオとり ミニチュア 

2月中旬から3月下旬にかけてシロウオが遡上してきます。
これを四つ手網でとらえるという伝統漁法です。

https://wakayama.keizai.biz/headline/1068/
↑ こちらにシロウオ漁の写真が掲載されています。
あー、実物を見てみたい!

②阿漕が浦

この四手網は引き網の一種だといえると思いますが、引き網を詠ったにこんな歌がありますよ。

逢う事も 阿漕が浦に 引く網も 度重ならば 顕れやせん/古今和歌六帖
(愛しい人と会うことも、禁漁となっている阿漕が浦で網を引くことも、度重なれば必ずばれるであろう。)

伊勢の海 阿漕が浦に 引く網も たびかさなれば 人もこそ知れ/源平盛衰記
(禁漁となっている伊勢の阿漕が浦で網を引いて漁をすることが度重なれば必ず人にばれるであろう。)







三重県津市柳山津興622に阿漕塚があるみたいですね。
このあたりは古には伊勢神宮の神饌をとるための漁場のため、禁漁とされていました。

しかし、密漁を行う漁夫がおり、何度も密漁を行ったため、漁夫は捉えられてしまったというのですね。

湯浅-河豚提灯 

③能・阿漕

これらの歌をベースとして、昔話や能などが創作されています。

能の阿漕はこんな話です。

日向の男が伊勢参りの途中、伊勢の阿漕浦にやってきました。
そこへ年老いた漁師が現れて殺生の仕事を嘆いています。
男はここが阿漕という地名であることを聞き、「ここが「伊勢の海 阿漕が浦に 引く網も 度重なれば 顕れにけり」の歌の舞台なのだなあ」と感慨にふけります。
すると漁師は六帖の歌にある「逢う事も 阿漕が浦に 引く網も 度重ならば 顕れやせん」と別の古歌を詠じます。
男は漁師に歌のいわれを訊ねると、漁師は次の様に答えました。
「この浦は伊勢神宮に奉納する魚をとるための場所で、禁漁とされている。
しかし阿漕という海士が夜な夜な密漁をし、度重なった結果人に知られるところとなり、捕らえられ海に沈められた。
男は今も冥土で責め苦に苦しんでいる。
その阿漕とは私のことである。」


湯浅の商家 
④サルタヒコ=ニギハヤヒ=天照大神?

阿漕という海士とはサルタヒコのことだと思います。

ニニギはサルタヒコに道案内されて葦原中国の日向の宮へと天下りました。
その後、ニニギは天鈿女に『猿田彦を彼の故郷の伊勢へと送り届け、猿田彦の名前を伝えて仕え祭れ』と命じました。
ここから天鈿女は猿女君と呼ばれるようになりました。
のちに猿田彦は伊勢の阿邪訶(あざか。現松阪市))の海で漁をしていた時、比良夫貝(ひらふがい)に手を挟まれて溺れ死にました。(古事記)

この神話について、私は次のように解釈しています。
猿田彦猿田彦は「高天原(天)から葦原中国(国)でを照らす神」と記述がある。
これにぴったりな神名を持つ神がいる。
天照国照彦火明櫛甕玉饒速日命
(あまてるくにてる ひこ あめのほあかりくしみかたま にぎはやひ の みこと/ニギハヤヒ)である。
猿田彦とニギハヤヒは同一神ではないか。)
また、女神のストリップダンスに興味を持つのは男神だ、よって女神・天鈿女のストリップダンスに興味を持って岩戸を出てきた天照大神は男神だとする説がある。
天照大神を男神として祀っているところもある。
ニギハヤヒ(=猿田彦)が本当の天照大神ではないかとする説もある。
猿田彦の故郷は伊勢伊勢には天照大神を祀る伊勢神宮があり、1の説を裏付けとなる。
猿田彦の名前を伝えて仕え祭れニニギは天鈿女に「性的に猿田彦につかえよ」と命じたのではないか。
猿田彦は比良夫貝に手を挟まれて溺れ死んだ貝は女性器の比喩で、猿田彦は天鈿女のセックスに溺れて死んだということではないか。

湯浅 民家と山茶花 

4に書いたように、貝は女性器の比喩で、猿田彦は天鈿女のセックスに溺れて死んだということではないかと思われます。

また1に書いたように猿田彦神は「高天原から葦原中国まで照らす神」と記されていますが、これにぴったりの神名を持つ神がいます。
天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊(あまてるくにてるひこあまのほのあかりくしたまにぎはやひのみこと)=ニギハヤヒです。

天照大神は女神であるアメノウズメのストリップダンスに興味を持ってでてきたともよめますね。
女神のストリップに興味を持つのは男神だ。よって天照大神は男神であるとする説があります。

また各地の神社などに天照大神は男神と伝わっています。
祇園祭岩戸山のご神体の天照大神も男神でした。

岩戸山ご神体 天照大神

⑤天照大神は男女双体の神?

しかし私は天照大神は歓喜天のように男女双体の神ではないかと思ったりします。

すなわち、天照大神とは猿田彦神とアメノウズメの男女双体の神ではないかということです。
ちなみに道祖神は猿田彦神とアメノウズメの男女双体の神だといわれています。
道祖神の正体は男女双体の神・天照大神ではないかと思います。

多気山不動尊 道祖神 

多気山不動尊 道祖神

禁漁とは、単に漁を禁じているということではなく、男女関係を禁じることを比喩的に表現したものでしょう。

サルタヒコはアメノウズメとエッチしてしまったので罰を受けているのではないでしょうか。
そしてそれが阿漕の正体ではないかと思うのです。

湯浅の民家2 

⑥男女和合は怨霊鎮めの呪術?

神はその表れ方によって御霊・和魂・荒魂の3つに分けられるといわれます。
御霊は神の本質、和魂は神の和やかな側面、荒魂は神の荒々しい側面です。
和魂は人々にご利益を与える神、荒魂は怨霊でしょう。

怨霊とは政治的陰謀によって不幸な死を迎えた者のことで
そして男神は荒魂、女神は和魂とする説があります。
猿田彦=ニギハヤヒで政権を奪われた神だと考えられるので荒魂(怨霊)だと考えられます。

荒魂である男神を、和魂である女神と和合させるのは、荒魂(怨霊)を鎮め御霊とするための呪術だと思います。

猿田彦も荒魂(怨霊)なので、和魂であるアメノウズメと和合させて伊勢神宮に祀ったのが天照大神の正体ではないでしょうか。

湯浅 仙光寺 

⑦『天照大神=男女双体』から『天照大神=女神』へ。

しかし、アメノウズメに「猿田彦の名前を伝えて祭れ(性的に奉仕せよという意味?)」と命じたのはニニギです。
それなのに、なんで猿田彦はエッチしたからといって罰を受けているんだ?
とつっこまれそうですね。

もともとの意味は先にのべたとおりですが、しだいに天照大神は女神であるとする考え方ができて定着し、天照大神とエッチするなどけしからん、ということになったのではないかと思ったりします。

また、記紀神話には同複の兄妹または姉弟で結婚した神が登場します。

イザナギ&イザナミ、天照大神&スサノオ、アシナヅチ&テナヅチなどです。

しかし、後に同複兄妹または姉弟の結婚を禁忌とする考物語が登場します。

木梨軽皇子と衣通姫の話がそれです。
そういう道徳観が生じたため、猿田彦=阿漕が罰をうけていると考えられるようになったのかもしれません。

湯浅 井戸

湯浅 白壁倉庫 
湯浅 民家 
湯浅 

湯浅の民家 

湯浅 自転車 



  
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[2020/01/03 15:59] 和歌山 | TB(0) | CM(0)