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岩倉神社 紅葉 『スサノオは朱砂の男?』 


和歌山県有田郡有田川町 岩倉神社
2019年11月24日 撮影

岩倉神社 ご神体 
ご神体の磐座。向かって左の橋と比べるとその大きさがわかりますね。

①ワクムスビの頭に蚕と桑、へそに五穀が生じた。

岩倉神社の御祭神は丹生津比咩命・稚産霊神・埴山姫神・彌都波能賣神です。

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00063987&TYPE=HTML_FILE&POS=1
↑ こちらの記事によると、水銀鉱床のある土地に丹生明神が祀られていることが多く、かつて丹生明神は埴と同じく土の神と考えられていましたが、辰砂(水銀)の神ではないかということです。

丹生津比咩命は水銀の神で、かつてこのあたりでは辰砂が産出されていたのではないかと思われます。

稚産霊神はワクムスビとよみ、日本書紀・第二の一書に次のような神話が記されています。

イザナミは火の神・カグツチを生み、死ぬ前に土の神・埴山姫(ハニヤマヒメ)と水の神・彌都波能賣神(ミズハノメ)を生んだ。
カグツチがハニヤマヒメを娶り、ワクムスビが生まれた。
ワクムスビの頭の上に蚕と桑が生じ、へその中に五穀が生じた。


岩倉神社の御祭神のうち、稚産霊神・埴山姫神・彌都波能賣神はこの話に登場する神々であったのですね。

ワクムスビについてですが、

伝説に「ワクムスビの頭の上に蚕と桑が生じ、へその中に五穀が生じた。」とありますが同様の話は、オオゲツヒメや保食神などにもあります。

岩倉神社付近  
岩倉神社の前を流れる川に人工的な構造物が?

②オオゲツヒメの死体から蚕・五穀が生じた。

まずはオオゲツヒメの話から。

高天原を追放されたスサノオはオオゲツヒメに食べ物をお止めた。オオゲツヒメは様々な食物をスサノオに与えた。
スサノオがキッチンをのぞいてみると、オオゲツヒメは鼻・口・尻から食材を取り出して料理していた。
スサノオは汚らわしいと怒り、オオゲツヒメを切り殺した。
オオゲツヒメの頭から蚕、目から稲、耳から粟、鼻から小豆、陰部から麦、尻から大豆が生まれた。
カミムスビがこれらを回収した。


岩倉神社付近 橋の構造物? 
かつて境内に天照大神社 八幡神社 櫻木熊野神社があったそうですが、昭和28年大水害により流失したそうです。
友人いわく、「橋があったのではないか」とのことなので、昭和28年の水害で壊れた橋の残骸なのかも?


③保食神の死体から牛馬・蚕・五穀が生じた。

次に保食神の話です。

天照大神は葦原中国の保食神のもとへ月夜見尊を派遣した。
保食神は陸を向いて口から米飯を吐き出し、海を向いて口から魚を吐き出し、山を向いて口から獣を吐き出し、それらで月夜見尊をもてなした
月夜見尊は「汚らわしい」と怒り、保食神を斬った。
天照大神は怒り、月夜見尊とは会いたくないと言った。それで太陽と月は昼と夜とに別れて出るようになった。
天照大神が保食神の所に天熊人(アメノクマヒト)を遣すと、保食神は死んでいた。
保食神の頭から牛馬、額から粟、眉から蚕、目から稗、腹から稲、陰部から麦・大豆・小豆が生まれた。
天熊人がこれらを全て持ち帰ると、天照大神は喜び、民が生きてゆくために必要な食物だとしてこれらを田畑の種とした。


岩倉神社付近2 

④ハイヌウェレ型神話


オオゲツヒメや保食神の神話はハイヌウェレ型神話と言われます。

ハイヌウェレ型神話とは、殺された神の死体から作物が生まれるというストーリーの神話のことで、世界各地にみられるとのことです。

ハイヌウェレとはインドネシア・セラム島のヴェマーレ族の神話に登場する女神です。

ココヤシの花から生まれた女神・ハイヌウェレは大便として宝物を出し、村人たちに配ったが、村人たちは気味悪がってハイヌウェレを生き埋めにした。
ハイヌウェレの父親は、彼女の死体を掘り出して切り刻んで、あちこちに埋めた。

彼女の死体からは様々な種類の芋が発生した。

ワクムスビの伝説は、ワクムスビが死ぬという話がないのですが、ハイヌウェレ型神話の一部が残ったものと考えられています。

岩倉神社付近-ダム

④スサノオは朱砂の男?

私は記紀にあるスサノオの伝説を思い出します。

スサノオは天照大神の田の畔を踏みつぶし、溝を埋め、大嘗祭を行う神殿に大便をした。
しかし天照大神は「大便のように見えるのは酒に酔ってはいてしまったのだろう。畔をこわし、溝をうめたのは、土地を再生させようとしたのだろう。」とおっしゃった。

結局、その後スサノオは機矢にさかはぎにした馬を投げ込んで、天照大神は天岩戸に隠れてしまい、スサノオは高天原を追放されるのですが。

ところでハイヌウェレは大便として宝物を出すのでしたね。
スサノオの大便というのは、何か宝物のように貴重なものの比喩ではないでしょうか。

硫化水銀の鉱物を辰砂’(しんしゃ)といいますが、辰砂は別名を朱砂(すさ)といいます。
スサノオは一般には須佐之男命、素戔男尊などのように表記されますが、朱砂の男(朱砂乃男)という意味だったりしないでしょうか?

そこで、辰砂を画像検索してみると、大便っぽく見える画像がいくつかw
https://search.yahoo.co.jp/image/search?p=%E8%BE%B0%E7%A0%82&fr=top_ga1_sa&ei=UTF-8&mfb=P012

https://kenscrystal.thebase.in/items/6527689
↑ これなんか、かなりそれっぽいようなw

すると田の畔をこわし、溝をうめたというのは、辰砂を採掘するためであったのでは、と想像が膨らみます。





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[2019/11/25 16:48] 和歌山 | TB(0) | CM(0)