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白毫寺 九尺の藤 赤い楓 『法道の空鉢はドクロだった?』 

兵庫県丹波市 白毫寺 
2019年5月8日 撮影


白毫寺 藤2 
去年、GW中に2度ほど百毫寺へ行こうと試みたのですが、大渋滞でした~。
距離は大したことないんですが、駐車場に入りきれない車が4~5km続いているんですね。
あまりに動かないので車外に出て犬を散歩させる人もいるほどw。
1時間ほどは粘ったのですが百毫寺にいきつくにはまだ1時間ほどかかりそうでした。
トイレが我慢できなくなって結局断念。
そういうわけで今年は平日に百毫寺に行ってまいりました!

白毫寺 太鼓橋

①法道仙人は牛頭天皇?

白毫寺縁起によりますと、百毫寺は705年、法道仙人によって開かれたお寺ということです。

法堂仙人の名前は、過去の旅でも何度か耳にしています。
住所創建年創建者ブログ記事
千光寺富山県砺波市703年法道
観音寺京都府福知山市720年法道観音寺 紫陽花  『万葉集 紫陽花の歌 諸兄と諸弟』 
伽耶院兵庫県三木市645年法道・孝徳天皇
教海寺兵庫県三木市651年法道
一乗寺兵庫県加西市650年法道
普光寺兵庫県加西市651年法道
奥山寺兵庫県加西市651年法道
如意寺兵庫県神戸市645年法道
石峯寺兵庫県神戸市651年法道・孝徳天皇
忉利天上寺兵庫県神戸市646年法道・孝徳天皇
近江寺兵庫県神戸市646年法道
宝珠寺兵庫県神戸市
朝光寺兵庫県加東市651年法道
禅瀧寺兵庫県加東市645~650年法道
清水寺兵庫県加東市景光天皇代 4世紀前半法道播州清水寺 青空 白雲 『法道仙人の正体とは』 
光明寺兵庫県加東市594年法道
西方寺兵庫県丹波篠山市15世紀後半法道
白毫寺兵庫県丹波市705年法道
東窟寺兵庫県篠山市645~650年法道
西林寺兵庫県西脇市651年法道
花山院兵庫県三田市651年法道
奥山寺兵庫県加西市651年法道
常勝寺兵庫県多可町
法楽寺兵庫県神河町642~645年開基/枚夫長者 開山/法道
七宝寺兵庫県神河町
圓満寺兵庫県多可町
法道寺兵庫県朝来市650~654年法道
長谷寺鳥取市倉吉市721年法道
仙龍寺愛媛県四国中央市815年、空海が法道より
この地を譲り受けた。
法道
羅漢寺大分県中津市645年法道
多聞寺神戸市北区645~654年法道
廣峯神社兵庫県姫路市734年吉備真備
※法道は牛頭天皇とともに日本にやってきたとされ、
廣峯神社は牛頭天皇の総本社を称している。

上の表見ていただくとおわかりいただけるように、法道が創建した寺の創建年は、飛鳥時代~奈良時代が多いです。
そのため、法道は6~7世紀ごろに日本へやってきたと考えられています。

白毫寺 鐘楼

しかし中には、4世紀前半の景光天皇代とか、平安時代の815年、15世紀なんてのもあります。
法道は1000歳まで生きた?
法道は法堂仙人とも呼ばれていますが、仙人とは、仙術をあやつり、不老不死を得た者のことですし。

なーんてことはないですね。
どれだけ修業をしようと人間が1000歳まで生きたとは信じがたいです。

播州清水寺 青空 白雲 『法道仙人の正体とは』 
↑ こちらの記事にも書いたのですが、法道は牛頭天皇とともに日本にやってきたと言われています。
私は「法道は牛頭天皇とともに日本にやってきた」というのは、比喩的表現で
法道とは牛頭天皇(釈迦の生誕地・祇園精舎の守護神)そのもののことではないかと考えています。

白毫寺 薬師堂

②宝鉢なのに空鉢ってどういう意味?

法道仙人はインドの仙人で、鉢の宝鉢をもっていたため、空鉢仙人とも呼ばれます。
なんで宝鉢なのに、空鉢なんでしょうね?
空鉢ときくと、空っぽの鉢というイメージをもってしまいますが。

空を辞書で調べてみると次のような意味がでてきます。

a.仏教用語。すべての事物はみな因縁によってできた仮の姿で、永久不変の実体や自我などはないこと。
b.中がからになっていること。
c.大空
d. 天と地との間。空間。。
e. 何も存在しないこと。
f. 事実でないこと。よりどころのないこと
 無益なこと。また、そのさま。むだ。「今までの努力が空に帰した」

うーーーん?

白毫寺 藤3 

③空飛ぶ鉢

空鉢と聞くと思い出すものがあります。
朝護孫子寺の空鉢護法堂です。

朝護孫子寺本堂から山道を600mも登らないといけないんで、参拝しなかったんですが~(この根性なし!)

朝護孫子寺 空鉢護法堂


空鉢護法堂(くうはつごほうどう)は、毘沙門天王の眷属、八大龍王の上首・難陀竜王(なんだりゅうおう)を祀っています。
「信貴山縁起絵巻」上巻「飛倉之巻(とびくらのまき)」では、、命蓮が空鉢を飛ばし、鉢が山崎長者の蔵を乗せて命蓮のもとに飛びかえったという話があります。

File:Sigisanengi tobikura.jpg

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/da/Sigisanengi_tobikura.jpg よりお借りしました。
作者 English: unknown 日本語: 作者不詳 (不明) [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で

この空鉢は空鉢護法堂で祀られている竜王の力をもっているとされます。


「鉢が開く」「鉢巻き」「鉢合わせ」など頭のことを鉢ということがあります。
鉢とはドクロを比喩的にいったものではないかと思います。

また玄ボウ・曽我入鹿・平将門らの首が飛んだという伝説があります。

多武峰縁起絵巻 複製(談山神社)  
多武峯縁起絵巻 複製 中大兄皇子に首を斬られる蘇我入鹿(談山神社)

空鉢をもっていた法道とはドクロなんじゃないでしょうか?

空鉢護法堂では神として白蛇を飼っているそうです。
空鉢護法堂では難陀竜王を祀っているということでしたね。
でも龍は架空の聖獣なので、なんとなくイメージが似ている蛇を龍に見立てているのではないでしょうか。

朝護孫子寺 空鉢護法堂-ポスター

http://www.senjyuin.or.jp/?page_id=135

上のサイトに「空鉢ご分霊」の写真があります。

これは、宇賀神にそっくりです。

喜光寺 宇賀神 

喜光寺 宇賀神

昔の人は蛇を、ドクロに長い首がついた動物だと考えていたのではないでしょうか。

すると、「空鉢護法堂で祀られている難陀竜王=蛇=宇賀神=ドクロに長い首がついている」となり、難陀竜王の力を持つ鉢はドクロを裏付けると思うんですが、どうでしょう?

白毫寺 藤 ライトアップ 

白毫寺 藤 

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[2019/05/10 23:41] 兵庫県 | TB(0) | CM(0)