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下鴨神社 御手洗祭 『御手洗祭とみたらし星、そして八咫烏の正体とは』 

 
京都市左京区 下鴨神社
みたらし祭 土用の丑のころ

下鴨神社 みたらし祭

 ①「土用の丑」って何?

陰陽五行説では世の中全てのものは、木火土金水の5つの組み合わせで成り立つと考えます。
季節では、春=木、夏=火、秋=金、冬=水と考えられていました。
季節は4つなので、木火土金水のうち土が余ってしまいますね。
土は季節の交代をスムーズにするものと考えられ、各季節の最後の18~19日間を『土用』として均等に割り振られました。
本来、土用は夏だけではなく、すべての季節にあるのです。

陰陽五行説には『相生説』と『相克説』があります。

『相生説』とは、五行が対立することなく、木火土金水の順で、五元素が順送りに相手を生じていくという説です。

『木生火』・・・・・・木は摩擦により火気を生ずる。
『火生土』・・・・・・火は燃焼して灰(土)を生ずる。
『土生金』・・・・・・土は金属を埋蔵している。
『金生水』・・・・・・金属は表面に水気を生ずる。
『水生木』・・・・・・水は植物(木)を育てる。

『相剋説』は五行同士が相互に反発し、木火土金水の順で、五元素が順送りに相手を剋していくとする説のことです。

『木剋土』・・・・・・木は土中の栄養を奪う。
『土剋水』・・・・・・土は水の流れをせきとめる。
『水剋火』・・・・・・水は火を消す。
『火剋金』・・・・・・金属は火に溶ける。
『金剋木』・・・・・・金(斧など)は木を切り倒す。

『土用の丑』の習慣については、様々な説がありますが、『水剋火』、すなわち夏の火性を冬の水性で緩和しようとするのが『土用の丑』の習慣だと考えてまず間違いないと思います。
 
下鴨神社 みたらし祭

②冬の食べ物を食べることは、夏の火性を冬の水性で緩和すること?   夏の『土用の丑』に鰻を食べる習慣がありますが、本来、鰻の旬は冬なのです。
そのため経営不振に陥った鰻屋に、平賀源内が『本日、土用の丑』と書いた紙を店先に貼るようにアドバイスしたというエピソードは有名ですね。
その結果、鰻は飛ぶように売れたということです。

冬の食べ物である鰻を夏に食べるということは、夏の火性を冬の水性で緩和することだといえるでしょう。
平賀源内のキャッチコピーは当時の人々に陰陽五行説の『水剋火』を思い起こさせる効果があったということだと思います。 

下鴨神社 みたらし祭-お供え

③ 御手洗祭はみたらし星の祭?

神前には『素麺』とともに『みたらし団子』が供えられていました。
また境内の出店でもは『みたらし団子』が売られていました。
どうやらこの『みたらし団子』と『御手洗(みたらし)祭』には関係があるようです。

下鴨神社のみたらし団子については次のようないわれがあります。 

後醍醐天皇が、下鴨神社の境内の御手洗池で水をすくうと、泡が1つ浮き上がりました。
その後、しばらくして4つの泡が浮き上がってきました。
みたらし団子はこの水玉を模したもので、 一番上の団子は人間の頭を、他の四つは体を現しているといわれます。


私は上記のみたらし団子のいわれよりも、オリオン座の三ツ星がかつての日本では『みたらし星』と呼ばれていたことが気になります。

オリオン座の三つ星は三つ星の傍に小さい星があって、本当は三つ星ではなく四つ星なのです。
みたらし団子の伝説の、あとで浮き上がってきた四つの泡はみたらし星をあらわしているのではないかと思います。

そしてこれが肝心なのですが、オリオン座は冬の星座で、陰陽五行説では水性になります。
このオリオン座の三つ星を模したみたらし団子を食べることで、夏の火性を緩和しようとするのが『みたらし祭』の意味だと思います。

素麺は天の川ではないでしょうか。参照/枚方市穂谷 コスモス 『そうめんは天の川を模したものだった?』 

足を水につけるのは、足と書いて『たらし』とよみ、『みたらし星』と音が通じるからではないかと思います。
ですが、なぜか御足祭ではなく、御手洗祭と書きますね。

なぜなんだろう?

下鴨神社 みたらし祭 足形 

④住吉明神はみたらし星の神?

大阪の住吉大社は現在では海の神として信仰されていますが、もともとは『みたらし星』の神だったのではないかとする説があります。

みたらし星とはオリオン座の三ツ星のことで、真東からのぼって真西に沈むので航海の指標とされていました。
海の神とはみたらし星の二次的な神格なのではないでしょうか。

住𠮷祭 神輿3

住吉大社

住吉大社の境内には同じ大きさ、同じ作りの社が四つあり、そのいずれもが本宮とされています。
奥から、底筒男命 (そこつつのをのみこと)を祀る第一本宮、中筒男命 (なかつつのをのみこと)を祀る第二本宮、表筒男命 (うわつつのをのみこと)を祀る第三本宮、第三本宮の東が神功皇后=息長足姫命 (おきながたらしひめのみこと)を祀る第四本宮となっています。
その社の配置がみたらし星の配置に似ているというのです。 
 住吉大社
 

住吉大社の第四本宮は14代仲哀天皇の皇后・神功皇后=息長足姫命 (おきながたらしひめのみこと)をお祀りしています。
もしかして、第一本宮、第二本宮、第三本宮に祀られている底筒男命・中筒男命 ・表筒男命とは、12代景行天皇(おおたらしひこおしろわけのすめらみこと)、13代成務天皇(わかたらひこのみこと)、仲哀天皇(たらしなかつひこのすめらみこと)のことなのではないでしょうか?

景行天皇・成務天皇・仲哀天皇は和風諡号に「たらし」とあるところから、「タラシ王朝」などともよばれます。

みたらし星は御手洗星と記されるようですが、本当は御足星または三足星という意味で、タラシ王朝を象徴するものだったのかも?

そういえば御手洗祭は、御手洗といいますが、水に足をつけて身を浄めますね。

下鴨神社の御祭神・賀茂健角身命の神使は三本脚の八咫烏だとされています。
八咫烏が三本脚なのは、三人のタラシ王朝の天皇、12代景行天皇(おおたらしひこおしろわけのすめらみこと)、13代成務天皇(わかたらひこのみこと)、仲哀天皇(たらしなかつひこのすめらみこと)の象徴だからだったりして?

つまり、賀茂健角身命=景行・成務・仲哀=八咫烏、ということで、
下鴨神社で御手洗祭を行っているのは、賀茂健角身命=景行・成務・仲哀=八咫烏の慰霊という目的があるのかも?

下鴨神社 みたらし祭4 
下鴨神社 みたらし祭3 



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[2018/07/31 12:36] 京都の祭 | トラックバック(-) | コメント(-)