fc2ブログ














市軸稲荷神社  節分祭 『市軸大神は熟れたイチジクの神様?』 

大阪府豊中市 市軸稲荷神社
節分祭・・・2月3日

市軸稲荷神社 お多福ゲート 

わあ~、お多福さんにのみこまれる~~!

①古くより信仰されていた市軸大神


大正15年、伏見稲荷神社の分霊を勧請し、刀根山の地主神・市軸大神と合わせてお祭りして、市軸稲荷神社は創建されました。

創建は大正15年ですが、市軸大神はそれ以前より刀根山の神として信仰されていたということですね。

市軸稲荷神社 お多福さん 
お多福社のご神体・お多福さん

②大根にかんざしをさして祈願する

節分祭では境内にある末社のお多福社のご神体・お多福さんが開帳されています。

なた、お多福さんの頭に飾るかんざしが授与されています。
このかんざしに願い事を書き、『頭いた、頭いた、頭いた』と三度となえ、頭や肩など気になるところをなで
お多福ゲートの横に置かれている大根にかんざしをさして祈願します。

市軸稲荷神社 大根とかんざし 

願い事を書いたかんざし

③お多福と大根

お多福と大根の組み合わせというのが興味深い~。
お多福(お亀)・大根というキーワードから思い出すのは、京都・千本釈迦堂のおかめ節分会です。

千本釈迦堂 おかめ節分会 おかめと鬼

千本釈迦堂 おかめ節分会 大報恩寺 おかめ節分 『大報恩寺に残る聖徳太子信仰?』  

千本釈迦堂は2月の「おかめ節分会」のほか、12月の「大根焚」も有名ですよ。

千本釈迦堂 大根焚

千本釈迦堂 大根焚 
千本釈迦堂(大報恩寺) 大根焚 『大根焚と聖天さん』 

④大根焚は大聖歓喜天の行事?

大根焚は大聖歓喜天の信仰からくる行事ではないかと思います。

Icon of Shoten

https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AIcon_of_Shoten.jpg
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c7/Icon_of_Shoten.jpg よりお借りしました。
作者 不明 (平安時代の図像集『別尊雑記』(心覚 撰)巻 42より) [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で


大聖歓喜天の好物が大根とされ、東京の待乳山聖天では1月に大根まつりを行ってふろふき大根を授与しています。

待乳山聖天 ふろふき大根

待乳山聖天 大根まつり

⑤男女和合して仏法守護の神になる?

大聖歓喜天は象頭をした男女双体の神で、次のような伝説があります。

人々に祟りをもたらしていたビナヤキャは十一面観音の化身であるビナヤキャ女神に一目ぼれしビナヤキャ女神に結婚を申し込みます。
ビナヤキャ女神は「仏法守護を誓うならあなたと結婚しましょう」といいました。
ビナヤキャは仏法守護を誓い、ビナヤキャ女神と結ばれました。


神はその現れ方によって御霊(みたま)・和魂(にぎたま)・荒魂(あらたま)にわけられるといいます。
そして和魂は女神を、荒魂は男神を表すとする説があります。
すると御魂とは男女双体なのではないかと思うのです。

聖天さんの伝説は御霊・和魂・荒魂の関係をうまく説明していると思います。

すなわちビナヤキャは荒魂、ビナヤキャ女神は和魂で、男女和合することによって仏法守護の神になったという話だと思うのです。

御霊・・・神の本質・・・・・・・男女双体・・・聖天さん(ビナヤキャとビナヤキャ女神の男女双体の神)
和魂・・・神の和やかな側面・・・女神・・・・・ビナヤキャ女神
荒魂・・・神の荒々しい側面・・・男神・・・・・ビナヤキャ



⑥キリスト教ではΛは男性を、∨は女性を表す?

ダン・ブラウンの「ダビンチコード」には、キリスト教ではΛは男性を、∨は女性を表すと書いてあったと思います。
Λは△、∨は▽といってもいいと思います。
ダビデの星(六芒星https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hexagram.svg)は男女和合を表すものだと思います。

⑦升組はおかめ、柱は大工の棟梁?

千本釈迦堂には次のような伝説があります。

千本釈迦堂の本堂を建てるとき、長井飛騨守高次(ながいひだのかみたかつぐ)という大工の棟梁が謝って柱を短く切ってしまった。
棟梁はどうしたものかと困り果てていたが、妻の阿亀(おかめ)が、全ての柱を短く切って升型の受けを作ってはどうかと助言した。
棟梁はおかめの助言に従って無事本堂を完成させることができた。
妻のおかめは夫の失敗が人に知れないようにと、本堂の完成を待たずに自殺した。


千本釈迦堂 升

おかめの升組は凹の形をしていますが、これは女神(おかめそのもの)を表しているのではないでしょうか。
そして升組に組み合わせた柱は男神を表すものだと思います。(神様は1柱、2柱と数えますね。)

つまり、大工の棟梁はビナヤキャ、おかめはビナヤキャ女神とイメージが重ねられた結果、千本釈迦堂では聖天さんの行事である大根炊の行事を行っているのではないかという推理です。

おかめ(お多福)と大根はこのように関係が深いので、市軸稲荷神社で大根におかめのかんざしをさす、などという信仰が生じたのではないでしょうか。

⑧市軸大神は割れたイチジクの実の神様?

それにしても、なぜ「頭いた、頭いた、頭いた」と唱えるのでしょうか?
それは市軸大神が果物のイチジクの神でもあるからではないでしょうか。

昔隣の家にイチジクの木があってよくイチジクの実をいただきました。
イチジクってちょっと実が割れているぐらいが食べ時なんですよね。
昔の人はイチジクを見て、割れた人の頭を想像し、それで「頭いた」と唱えるようになったのかも?

市軸稲荷神社 お多福さまのお言葉


まとめサイトなどへ無断で転載することはおやめください。

歴史ブログ・
旅 free style もよろしくお願いします~。

毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!




にほんブログ村





[2018/02/05 00:00] 大阪の祭 | トラックバック(-) | コメント(-)