fc2ブログ














水無瀬神宮 紅葉 『言霊の力を持つ歌』 

大阪府島本町 水無瀬神宮
2017年11月23日 撮影


水無瀬神宮 門 紅葉2

①政治的に不幸な死を迎えた天皇を祀る神社


水無瀬神宮は1230年に創建された神社で、後鳥羽天皇・順徳天皇・土御門天皇を祀っていますよ。

石清水八幡宮 紅葉 『応神天皇は物部王朝の天皇だった?』 
↑ こちらの記事で次のように書きました。

武田邦彦さんが、「天皇は神として祀られているケースが多い」とおっしゃっていましたが
その多くは明治以降の国家神道重視の政策の中で創建されたもので、(神武天皇を祀る橿原神宮・天智天皇を祀る近江神宮・桓武天皇を祀る平安神宮など)
古より神として祀られていた天皇はそんなに多くないと思います。

応神天皇は例外で、古くから八幡神として祀られていましたが、それは応神天皇が物部王朝の天皇であり、政治的に不幸な死を迎えた天皇(ニセモノの応神天皇に政権を奪われた)だからではないかと私は考えています。


水無瀬神宮に祀られている後鳥羽天皇・順徳天皇・土御門天皇も政治的に不幸な死を迎えた天皇です。
それゆえ、古くから神として祀られていたのでしょう。

水無瀬神宮 紅葉

②承久の乱

1221年、後鳥羽上皇は鎌倉幕府に対して承久の乱をおこしますが、敗れ、隠岐島に流罪とされました。
後鳥羽上皇の子・順徳上皇も佐渡島へ流罪。
やはり後鳥羽上皇の子である土御門上皇は承久の乱に関与していませんでしたが、自ら望んで土佐国へ遷りました。

③ももしきや 古き軒端の しのぶにも

順徳天皇が詠んだ歌が百人一首に採られています。

ももしきや 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり

(宮の古い軒端の忍草のように、偲んでも偲びつくせない昔であることよ。)

※「ももしき」はもともとは、「大宮(神社・皇居)」にかかる枕詞でしたが、ここから転じて大宮そのものをさす言葉となりました。

この歌は1216年ごろに詠まれた歌です。
この5年後に承久の乱がおこっています。

水無瀬神宮 紅葉2

④藤原定家は言霊の力のある歌を百人一首に選んだ?


御存知のように、百人一首は藤原定家が撰んだ百首の和歌です。

定家は言霊としての力がある歌を、いくつか百人一首に選んでいると思います。

言霊とは「口から発する言葉にはものごとを実現させる力がある」とする考え方のことです。

例えば持統天皇の次の歌を見てみましょう。

春すぎて 夏きにけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香久山
(春がすぎて夏がやってきたらしい。白い衣が天の香久山に干してあるそうなので。)

水無瀬神宮 門 紅葉

陰陽五行説では世の中全てのものは、木火土金水の5つの組み合わせで成り立つと考えます。
季節では、春=木、夏=火、秋=金、冬=水と考えられていました。
季節は4つなので、木火土金水のうち土が余ってしまいますね。
土は季節の交代をスムーズにするものと考えられ、各季節の最後の18~19日間を『土用』として均等に割り振られました。

そして持統天皇は天皇として初めて火葬された方です。

持統天皇の歌には表の意味のほかに、「春の土用が過ぎて、火性の夏になってしまったようです。私は天香久山に干されている揃い死に装束をまとい、夏の火性と同じように火葬されてしまうのですね。」
という裏の意味が隠されていると思います。

つまり生前に「春過ぎて 夏きにけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香久山」という歌を詠んだため、言霊の作用が働いて持統天皇は火葬されてしまった、と定家は考えたのではないでしょうか。

参照/藤原京跡 コスモス 蓮 『持統天皇が火葬されたわが身を嘆く歌』 

よかったら下記の記事も読んでみてください♡

大阪府咲洲庁舎展望台より 『元良親王と京極御息所の不倫の真相?』 
龍田川 紅葉 『陽成天皇の父親は在原業平だった?』 
近江神宮 かるた祭 かるた開きの儀 『秋の田の・・・は埋葬されないわが身を嘆く歌だった?』 
東五反田 目黒川 イルミネーション 『ジョージ・マイケルと言霊』 

水無瀬神宮 紅葉3 
⑤順徳天の歌には言霊があった?


順徳天皇の歌にも言霊があったといえます。
というのは、「ももしきや」の歌を詠んだのが承久の乱の5年前だからです。
順徳天皇はうっかり「なほあまりある 昔なりけり(偲んでも偲びつくせない昔であることよ)」と歌を詠んでしまったために、流罪となって佐渡島に住むことになり、宮に住んでいたのは遠い昔になってしまったのです。

その後、順徳天皇は絶食し、自殺したと伝わります。

水無瀬付近 紅葉

水無瀬神宮付近 

まとめサイトなどへ無断で転載することはおやめください。

歴史ブログ・
旅 free style もよろしくお願いします~。

毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!




にほんブログ村



[2017/11/26 21:23] 京都府 | トラックバック(-) | コメント(-)