京都市左京区 真如堂
2017年10月初旬撮影
法伝寺①稲荷神と荼枳尼天の習合上の写真ではわかりにくいかもしれませんが(すいませんー)真如堂の門前に鳥居があります。
神社のようですが、法伝寺という真如堂の塔頭寺院で、荼枳尼天をお祀りしています。
江戸時代には「門前稲荷社」と呼ばれていたようです。
明治の神仏分離令で稲荷神を仏教の神・荼枳尼天に改めたのではないでしょうか。
といっても、神仏を習合して信仰していた時代には稲荷神と荼枳尼天は習合されていましたから、全く関係のない仏教の神を祀るようになったというわけではありません。
稲荷神に対する信仰は、荼枳尼天に対する信仰と同じものであると、そう考えられていたのだと思います。
真如堂
②女人の守護神荼枳尼天のルーツは、ヒンズー教またはベンガル地方で信仰されていた女神で、のちに仏教にとりこまれたと考えられています。
荼枳尼天は裸身で虚空を駆け、人肉を食べる魔女とされます。
裸体でドクロを持つ女神の姿で表されることもあったということです。
日本では稲荷神と習合され、白狐に乗る天女ので表されることが多いです。
えっ、裸体の魔女なら逢ってみたいって?
心臓食べられても知りませんよ~。(笑)
荼枳尼天は6か月前に人の死を知り、死ぬまではその人を守りますが、死の直前に心臓を食べるとか
大日如来の化身である大黒天によって調伏され、死者の心臓なら食べることを許されたという伝説もあります。
真如堂は藤原詮子の邸宅跡にあり、御本尊は女人救済の阿弥陀如来とされます。
それで、女の神様である荼枳尼天=稲荷神を祀っているのではないでしょうか。(※稲荷神は男神の姿で現されることもあります。)
真如堂
②狐とドクロの関係①で、荼枳尼天は裸体で髑髏を持つ女神の姿で表されることもあると書きましたが、狐はどうもドクロに関係が深い動物のようで、中国にこんな伝説があります。
志玄という僧侶が墓場で野宿をしていると、一匹の狐が髑髏を頭にかぶり、草の葉を摘んで、体中に貼りつけた。
すると狐の姿は白衣をまとった娘と化した。
狐が化けた娘が道端で泣いていると、馬に乗った軍人が通りかかり、娘に泣いている理由を尋ねた。
「去年、夫に先立たれ、家業もうまくゆかなくなりました。実家に苦境を知らせたいと思いましたが、道もよくわかりません」
軍人は「私の馬に乗せて連れて行ってあげましょう」と言った。
それを見ていた志玄は叫んだ。
「その娘は人間ではありません、狐が化けているのです。」
志玄は錫杖を振り上げ「速やかにもとの形に戻れ!」と叫ぶと娘は身もだえして倒れた。
そこに娘の姿はなく、年老いた狐が血を吐いて死んでいた。
その頭には髑髏をかぶり、体中が草の葉で覆われていた。(六朝『捜神記』) 中国の『酉陽雑俎』には、狐が人に化けるのに必要な手順として北斗踏みという道教の儀式が描かれています。
北斗踏みとは北斗七星の形をなぞって歩く事をいうそうです。
北斗七星は人の死を司るとされています。
江戸時代に記された 『和漢三才図会』には「狐は化けようとするときは、必ず髑髏を頭に載せ、北斗を拝して人に化ける」とあります。
中国の伝説が日本に伝わっていたのですね。
東寺に伝わる稲荷大明神の頭には髑髏と、逆向きの北斗七星が描かれています。
こちらが日本の荼枳尼天です。↓
https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ADakini.png
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Dakini.png よりお借りしました。
作者 Hidenobu Tosa, 土佐秀信 (http://www.lib.ehime-u.ac.jp/SUZUKA/316/index.html) [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で
③荼枳尼天の袋の中にはドクロが入っている?荼枳尼天は手に袋を持っていますね。
真言立川流では荼枳尼天を祀り、ドクロに漆や和合水を塗り重ねて作った髑髏本尊の前で性行為を繰り返したあと、髑髏本尊を袋に入れ7年間抱いて寝ると8年目に髑髏本尊が語りだすとしていました。
荼枳尼天の袋の中にはドクロが入っているのではないかと思います。
よかったらこちらの記事もよんでね~↓
清凉寺 お松明式 『摩耶夫人が投じた薬袋には何が入っている?』
真如堂
④狐は北斗七星を表している?
上の絵の、荼枳尼天が乗る狐をよく見てください。
なんか、北斗七星に似てるような気がするんですが、どうでしょうか?
狐の前脚、頭、胴体の部分が柄杓、後脚が持ち手です。
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[2017/10/20 11:45]
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