京都市東山区 粟田神社
粟田祭 神幸祭 体育の日
①粟田神社のふたつの創建説話粟田神社にはふたつの創建説話が伝えられています。
a.876年、神祇官と陰陽寮が「今年、兵災があり、秋には疫病が流行るでしょう」と占ったため、清和天皇は全国の神社に祈祷を命じました。
この際、出羽守・藤原興世は感神院祇園社(現在の八坂神社)に祈願しました。
満願の夜、興世の枕元に大己貴神(大国主命の別名)があらわれ「祇園の東北に我を祀れば、国家と民は安全になるだろう。」と告げました。
こうして粟田神社が創建されました。b.粟田氏が氏神として粟田神社を創建した。
②皇別氏族・粟田氏粟田氏は第5代孝昭天皇の皇子・天押帯日子(あめのおしたらしひこ)命を始祖とし、大和の添上郡(奈良市東部)や,山城の愛宕郡粟田郷(京都市東山区)などに住んでいたそうです。
粟田神社は京都市東山区粟田口鍛冶町にあり、粟田氏はこの粟田神社付近に住んでいたと考えられます。
皇別氏族ぐらいになると氏神(祖神)を祀るくらいのことはしそうです。
だけど、aの創建説話では粟田神社は藤原興世が創建したということになっていますね。
③藤原氏の土地乗っ取り伝説藤原氏には土地を乗っ取ったというような伝説がいくつかあります
c.武甕槌命は春日野の地主である榎本の神に『この土地を地尺だけ譲ってほしい』と言いました。
榎本の神は『三尺くらいなら』と承諾しました。
ところが武甕槌命は広大な土地に囲いをしたので、榎本の神は『話が違う』と抗議しました。
武甕槌命は『私は地下三尺と言ったのに、あなたが聞き取れなかったのです。』といっいました。
しかし榎本の神が住むところがないと困るので、春日大社本殿のすぐそばに社を作りました。
藤原氏の氏神は春日大社で、タケミカヅチ・フツヌシ・アメノコヤネノミコト・ヒメガミを祀っています。
タケミカヅチ・フツヌシ・アメノコヤネノミコト・ヒメガミの四柱の神は総称して春日明神と呼ばれています。
つまり、春日大社の神=藤原氏の神が榎本の神の土地を奪ったということになると思います。
d.氷室の神さまの土地に、春日の神さまが若宮祭のお旅所を作ったため、相撲をとって決着をつけた。
④鞍馬寺は紀氏の寺だったのを藤原氏が奪った?鞍馬寺にはこんな創建説話が伝えられています。
e.藤原伊勢人の夢の中に貴船の神が現れ、鞍馬寺をつくるようにと言った。貴船神社は平安時代に上賀茂神社の第2摂社となっています。
賀茂神社の御祭神・賀茂別雷大神の母神は玉依姫で、下鴨神社に祀られています。
そして貴船神社奥の院にある船形石が玉依姫の乗った船であるという伝説があるので、
貴船神社は上賀茂神社と関係がある神社だということで、上賀茂神社の摂社とされたのではないかと思います。
ところが兵庫県尼崎市の長洲貴布禰神社には次のように伝わっています。
平安京遷都の際、調度の運搬を命ぜられた紀伊の紀氏が「任務が無事遂行できますように」と自身の守り神に祈願したところ、事がうまく運び、そのお礼にこの社を建てました。
紀氏の神が、藤原氏に寺を作れ、なんて言うもんですかね?
どうやら貴船神社は紀氏の神を祀る神社だというのが真実のようです。
どうも鞍馬寺ももともと紀氏の寺だったのを、のちに藤原氏に奪われたように思えます。
⑤八坂神社は牛頭天皇の総本社ではなかった?粟田神社の南にある八坂神社は牛頭天皇の総本宮を称していますが、兵庫県姫路市の広峰神社(兵庫県姫路市広嶺山52)もまた牛頭天皇の総本宮を称しています。。
広峰神社側の資料には次のようにあります。
①869年疫病が流行り、藤原基経が播磨国の牛頭天皇を都に勧請した。
②京都四条にある元祇園梛神社(京都市中京区壬生梛ノ宮町18-2)は、この時、牛頭天王の乗る御輿を梛の林中に置いて祭ったことが始まりである。
③京都に着いた牛頭天王は北白川の東光寺に祭られた。
④その後、藤原基経が八坂にあった邸宅を寄進して感神院祇園社を建立し、牛頭天王を遷座した。
⑤しかし疫病はおさまらず、広峯神社の社人を都に招いて白幣祭を行わせたところ疫病はおさまった。
⑥この白幣祭が祇園御霊会のルーツである。
また神戸の祇園神社、大阪の難波八阪神社、京都の岡崎神社などは、神様を廣峯神社から八坂神社へ移した際に神様が休憩された所と伝わっています。

八坂神社は鎌倉時代に入ってから広峯神社が言い出したことだとしているようですが、神様が休憩された所まで残っているので
廣峯神社の言い分のほうが筋が通っているように思えます。
こんなに藤原氏が土地や神を奪ったというような伝説があるところをみると、粟田神社は粟田氏の氏神を祀る神社だったのに、あとから藤原氏が土地と神様を奪ったんじゃないかなあ、と疑ってしまいます。
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[2017/10/13 11:12]
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