奈良県大和郡山市 松尾寺2014年7月20日①七福神の正体は六歌仙+惟喬親王だった?
↑ 松尾寺の七福神堂です。
七福神とはご存知のように、大黒天・恵比寿天・布袋尊・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人の七人の神様のことをいいます。
高田祟史さんは「QED六歌仙の暗号」という小説の中で、七福神の正体は六歌仙(遍照・在原業平・小野小町・喜撰法師・大友黒主・文屋康秀)に惟喬親王を加えた七柱の神様のことだとおっしゃっています。
②六歌仙は怨霊だった。六歌仙とは古今和歌集仮名序に名前があげられた6人の歌人のことです。
ただし、古今和歌集仮名序の中に六歌仙という言葉は登場しません。
後の世になって6人の歌人のことを六歌仙と言うようになったと考えられています。
古今和歌集仮名序は抽象的で意味がよくわからないのですが、私にはこんな風に読めます。
(読んでみたい方はこちらを参照してください。→
http://bluewind.oops.jp/kokin/kana1.htm遍照はリアリティがない。
在原業平は言葉が足りない。
文屋康秀はいい着物を着た商人のようだ。
喜撰法師ははじめとおわりがはっきりしていない。
小野小町は強くない。
大友黒主は賎しい。抽象的で意味がわかりにくいですが、決してほめているようには思えませんよね。
歌仙とは「怨霊である」と高田祟史さんはおっしゃっています。
怨霊とは政治的陰謀によって不幸な死を迎えた人のことです。
なるほど、六歌仙は全員藤原氏と敵対関係にあった人物で政治的に不幸だったといえます。
喜撰法師は紀名虎またはその息子の有常だという説があります。
紀名虎の娘の静子は文徳天皇に入内して惟喬親王を生みました。
文徳天皇は惟喬親王の立太子を望んでいましたが、藤原良房の娘・明子が生んだ惟仁親王が生まれたばかりで皇太子となりました。
在原業平は紀有常の娘を妻としており紀氏よりの人間だったため藤原氏から敵対視されていました。
遍照は藤原良房に出家をすすめられたとされます。
文屋康秀と同族と思われる文室(文屋と記すこともある。)宮田麻呂は謀反の罪で流罪となりましたが死後ちに無実であったとして神泉苑の御霊会で慰霊されています。
大友黒主は大伴黒主と記されることがあります。
私は大伴黒主とは大伴家持のことだと思います。(理由については次回説明します。)
大伴家持は藤原種継暗殺事件に関与したとして、すでに死亡していたにも関わらず死体が掘り出されて流刑とされています。
小野小町については、私は小野宮と呼ばれた小野小町のことだと考えています。
詳しくはこちらをお読みください。
髄心院 八重桜 石楠花 『男神は井戸に姿を映して女神になった?」
③六歌仙と七福神の関係高田さんの本は図書館で借りて読んだので手元にありません。
なので記憶違いがあるかもしれませんが、六歌仙と七福神の関係を次のように解いておられたと思います。
(間違いがあれば指摘をお願いします。)
弁財天 | 小野小町 | 紅一点 |
大黒天 | 大友黒主 | 大と黒が共通する |
布袋尊 | 喜撰法師 | 喜撰法師は「わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と人の言うなり」という歌を詠んでいますが 宇治の満福寺には布袋尊が祀られている。 |
恵比寿天 | 文屋康秀 | 古今集仮名序に「いはば商人のよき衣着たらんがごとし」とあるが 恵比寿天は足が不自由で、「お足がでない」の語呂あわせから商売の神として信仰されている。 |
福禄寿 | 遍照 | |
寿老人 | 在原業平 | 福禄寿と寿老人はどちらもカノープスという星の神だとされる。 遍照は桓武天皇の孫、在原業平は桓武天皇の曾孫でどちらも臣籍降下している。 在原業平は呪老人(和歌によって呪術をしかける老人)=寿老人、福禄寿は遍照。 |
毘沙門天 | 惟喬親王 | 仮名序には六歌仙を語る前に「つかさ位高き人をばたやすきやうなれば入れず」とある。 この「つかさ位高き人」とは惟喬親王のことだと考えるのが妥当 |
↑ この高田祟史さんの推理は「なるほど~」と思えます。
私の考えでは、小野小町=小野宮(惟喬親王)なので
七福神のうち弁才天(小野小町)も毘沙門天(惟喬親王)も惟喬親王だということになります。
神はその現れ方によって、御霊(神の本質)・荒魂(神の荒々しい側面)・和魂(神の和やかな側面)の3つに分けられるという説、さらに男神は荒魂・女神は和魂を表すとする説があります。
惟喬親王は御霊として玄武神社などに祀られていますが、この惟喬親王の御霊を荒魂と和魂にわけ、和魂を小野小町としたのではないかと思います。
御霊 | 神の本質 | | | |
荒魂 | 神の荒々しい側面 | 男神 | 小野宮(惟喬親王) | 毘沙門天 |
和魂 | 神の和やかな側面 | 女神 | 小野小町 | 弁才天 |
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[2017/07/22 00:00]
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