奈良県吉野郡吉野山 金峯山寺蔵王堂
蓮華会、蛙飛行事・・・7月7日①蛙が跳ぶ姿はまるで空飛ぶドクロ!
「えーらいやっちゃあ、えーらいやっちゃあ~」という掛け声とともに、吉野の町を太鼓台が練り歩きます。
太鼓台には蛙の着ぐるみを着た人が乗っていました。

役行者が産湯をつかったと伝わる奥田の捨篠池で摘んだ蓮が、金峯山寺の蔵王権現に供えられます。

金峯山寺には法力で蛙の姿に変えられた男の伝説が伝えられており、蛙飛行事はそれにちなむものです。
蛙のキグルミを着た人が橋の上をぴょんぴょんとはねました。

これを見た私はいきなりテンションがハイ状態に!
まるで空飛ぶドクロやん~!

②亀石はドクロを模した石?いきなりこう言ってもわけわかんないですね。
説明します。
↓ 飛鳥にある謎の石・亀石です。亀ではなく、カエルではないかとも言われています。
蛙飛行事のカエルの頭部と比べると確かに似ていますね。

あるとき京都の大将軍商店街(妖怪ストリート)をぶらぶらと歩いていたんですが、店の前に置いてあった「ぬらりひょん」という妖怪の人形に目が釘づけに~!
なんと「ぬらりひょん」は亀石そっくりです!
眉間の半月形の皴までおんなじだー。
もしかして、亀石とは頭蓋骨を模した石なのではないでしょうか?
②飛行するドクロ ↓ 京都の膏薬図子にある神田神宮です。
古い写真のため、現在の神田神宮とは景観がかなり異なりますがご容赦を。
平安時代に関東に独立国を作った平将門は、藤原秀郷・平貞盛らの軍に責められて戦死しました。
将門の首は京に持ち帰られ、この場所に晒されたと伝えられています。(南座の南あたりという説もあります。)
将門の首はここから飛び上がり胴体を求めて東に飛び去ったという伝説があります。
将門の首は現在の東京都千代田区あたりに落ちたとされ、その場所には将門の首塚があります。
将門の首塚(東京都)将門の首塚にはガマの置物を奉納する習慣があるそうです。
私が参拝したときは管理者が設置したと思われる巨大なガマの置物があるだけでしたが~。
おそらく奉納されたたくさんのガマの置物は撤去されたのでしょう。
ガマとはカエルのことです。
将門の首は故郷に戻ってきたので「無事帰る(カエル)」の語呂合わせから蝦蟇の置物を奉納する習慣が生じたと言われています。
でも私は平将門とはドクロの神であり(首が飛んだという伝説があるので)、カエル(蝦蟇)はその形がドクロに似ているので、将門の首塚に蝦蟇の置物を奉納する習慣が生じたのではないかと思うのです。
首(ドクロ)が飛ぶという伝説は平将門だけでなく、蘇我入鹿や玄昉などにも同様の伝説が伝えられています。
このうち玄昉のドクロは平将門と同様、長距離を飛行していますが
蘇我入鹿のドクロは中大兄皇子に首をはねられたのち、斉明天皇の御簾に食らいついたとされており、長距離飛行ではありません。
多武峰縁起絵巻 複製(談山神社)刀を持っているのが中大兄皇子、首を斬られているのが蘇我入鹿。蔵王堂の蛙飛行事では蛙が飛ぶというよりは、ぴょんぴょん跳びはねますが、これも「飛ぶドクロ」を現したものではないでしょうか。
③小野道風と蛙
小野道風にも蛙の伝説があります。
蛙は柳に飛びつこうとして何度も失敗しますが、偶然強い風が吹いて柳の枝が大きくしなり、ついに柳に飛びつくことができました。
これを見て道風はどんなことも努力すれば必ず叶うと悟ったそうです。
この蛙もまた髑髏を比喩したものなのかも?
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/79/Ono_no_Tofu%2C_by_Suzuki_Harunobu%2C_Edo_period%2C_18th_century_-_Tokyo_National_Museum_-_DSC06242.JPG よりお借りしました。
作者 Daderot (投稿者自身による作品) [Public domain または CC0], ウィキメディア・コモンズ経由で
④狛蛙登場!神事が終わって蔵王堂の周辺をうろついていたところ「脳天大神→」と記された道しるべがありました。
道しるべに従って脳天大神(龍王院)に行ってみると、なんと狛犬ならぬ狛カエルが~!

脳天大神は蔵王権現(蔵王堂の御本尊)の 変化身である 頭を割られた大蛇を祀り、首から上の病気に霊験あらたかと言われています。
カエルとはドクロを表すものであり、脳天大神=蔵王権現はドクロの神であるということで、狛蛙が置かれているのではないでしょうか。
⑤蛇は胴体がなく、頭に長い首がついている?
脳天大神は金峯山寺の塔頭で、昭和26年に開かれました。
終戦後、澄大僧上が女人の行場として金龍王の滝を開いた際、頭を割られ、目が飛び出した大蛇が死んでいるのを見つけ、その大蛇を祀ったのだそうです。
大蛇は「脳天大神としてまつられたし、首から上のいかなる難病苦難も救うべし。」と告げたといい、「首から上の守り神」として信仰されています。
あれ、狛蛙が置かれているのに、脳天大神は蛇なんですかあ?
喜光寺 宇賀神宇賀神は妖怪ろくろ首を思わせるお姿をされています。
この像を見て、私はこう考えました。
昔の人は蛇とは胴がなく、頭に長い首がついた動物だと考えていたのではないかと。
つまり能天大神=蔵王権現とはドクロの神であり、蛇や蛙もドクロをあらわす動物であったのではないかと思うわけです。
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