静岡県河津町 下田町
2月中旬 撮影
河津①伊豆の踊子の舞台・河津
河津町って川端康成の『伊豆の踊り子』の舞台なんですね。
学生は、静岡県伊豆市の修善寺温泉・湯ヶ島温泉
から天城峠(静岡県伊豆市と賀茂郡河津町の境にある峠)にある天城トンネルを越えたところで、旅芸人一行と道連れとなり、湯ヶ野温泉(静岡県賀茂郡河津町)・下田(静岡県賀茂郡河津町)へ向かいます。
旅芸人一行の中には14歳の少女・薫がおり、学生は薫に恋心を抱きます。
学生は天城峠の茶屋の老婆から、「旅芸人は誘われればどこにでも泊まる」と聞いた話を思い出し
湯ヶ野温泉の宿で、薫が男客に汚されると眠れない夜を過ごします。
しかし、翌朝、朝湯につかっていると、川向うの湯殿から裸で手を振る薫を見つけて、学生は「薫はまだ子供なんだ」と嬉しくなってしまう・・・みたいな筋ですね。
大正ぐらいの日本を舞台としているようですが、そのころの日本には旅芸人がいたのですね。
下田 京都白峯神宮で小町踊を踊っていたお嬢さんを合成②乞食・旅芸人 立ち入るべからず鰐淵晴子さんが薫を演じた映画「伊豆の踊子」を見たことがありますが
旅の途中で「乞食・旅芸人 立ち入るべからず」と記された立て看板に遭遇するというシーンがありました。

踊子号
③乞食とみほとけ乞食とは、物乞いをして生活をする人のことです。
私が子供のころ、乞食は普通にいました。
歩道橋の上や駅の横などに座り込み、ご自身の前に箱を置いていました。
中には手足がない人もいて、憐れんだ人が箱の中にお金をいれるのです。
お寺で、みほとけの前に賽銭箱が置かれているのに似ていると言うと怒られちゃうかな?
ですが、かつてハンセン病患者は文殊菩薩の化身とされており
非人宿に捨てられたハンセン病患者は一般の非人よりも多くの喜捨を得たといわれています。
つまり、古の人々はハンセン病患者を文殊菩薩の化身=みほとけとみなし、ハンセン病患者に喜捨をすると、自分自身によいことが返ってくると信じていたということだと思います。
かつて歩道橋の上で乞食をしていた人に金銭などをめぐむ人々の心理も、ハンセン病患者に喜捨する人々の心理と同じだと思います。
大坂城 托鉢の僧
④乞食という言葉は仏教用語だった。もともと乞食という言葉は仏教用語なんです。
僧侶がお金もうけのために仕事をすることはよいことであるとは考えられていなかったようで
乞食(こつじき)を行って食べ物などを得ていたのです。
現在でも僧侶が寺の門前や橋の上など鉢を持って立っていることがありますね。
これを托鉢(たくはつ)といいますが、托鉢は乞食(こつじき)と同様のものです。
伊豆急行 キンメダイ博物館 車両④芸能は乞食の所業だった。日本を代表する芸能のひとつに『能』がありますね。
能は世阿弥(1363?〜1443?)によって大成されたといわれますが、この世阿弥にはこんなエピソードが残されています。
大変な美少年だった世阿弥は将軍・足利義満の寵愛を受けていました。(BLだよね♡)
義光は 祇園祭の桟敷(さじき)に世阿弥(藤若)を同席させており、これに対して三条公忠(さんじょうきんただ)が日記の中で批判しています。
「散楽者」で「乞食の所行」する世阿弥を、将軍義光が同席を許すとはとんでもないことだ!三条公忠は芸能を行って金銭を得るものは乞食である、と言っているのです。
『伊豆の踊子』に登場する旅芸人一行は、宴会の席などに呼ばれて三味線を弾き、太鼓を打ち、踊り歌うことによって収入を得ていた人々でした。
現在、エアロスミスやエックスジャパンがワールドツアーを行って金銭を得ても、彼らを乞食だと言う人はいませんが
かつて芸能を行って金銭を得ることは乞食の所業だと考えられていたのですね。
それで「乞食、旅芸人 立ち入るべからず」と立て看板が立てられていたのでしょう。
伊豆急行 キンメダイ博物館 車両⑤なぜ芸能をする人は差別されたのか「散楽者」で「乞食の所行」する世阿弥を、将軍義光が同席を許すとはとんでもないことだ!この三条公忠の言葉から、当時、芸能人に対する差別意識があったことがわかります。
なぜ芸能人は差別されたのでしょうか。
芸能は現在では単なる娯楽ですが、古には神事であったと考えられます。
古には神と怨霊は同義語であったといわれます。
また、怨霊が祟らないように祀ったものが神であるともいわれます。
神事とは、怨霊を鎮めるための行事だといえるのではないでしょうか。
芸能とは神事であったと考えられるので、芸能とは怨霊を鎮めるためのものだったと考えられます。
そして、「先祖の霊は子孫が祭祀または供養するべき」とする考え方がありました。
ということは、芸人は怨霊の子孫だということになります。
そういうわけで芸人は差別されたのではないでしょうか。
河津 毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!
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