吉田神社 鬼やらい神事 『正義のヒーロー・方相氏を射るってどういうこと?』 

京都市左京区  吉田神社
鬼やらい神事・・・2月2日 18時より 
                    

① 吉田神社 鬼やらい神事

陽が沈み闇に包まれた吉田神社境内。
あちこちで子供が泣く声が聴こえます。

吉田神社 節分祭 赤鬼

鬼が登場!
吉田神社 節分祭 青鬼 
 
さきほど聞こえていたのは、鬼に脅された子供の鳴き声だったのでしょう~。

吉田神社 節分祭 黄鬼 

コスプレのルーツ?

②方相氏

吉田神社 方相氏 と しん子 
おおーーーっ、ひときわ恐ろし気な鬼?四ツ目だし!

いえ、これは鬼ではなく方相氏といいます。
方相氏のあとにつづく10人の童子はシン子(シンの字は人偏に辰)と呼ばれています。

吉田神社 節分祭 鬼と方相氏

方相氏が手に持った鉾をかざすと、その法力で鬼たちはへろへろになって逃げていきました。
方相氏は鬼を退治する正義のヒーローだったのです。

岡野玲子さんの漫画「陰陽師」には源 博雅が方相氏に扮するシーンがありましたね。
『陰陽師』は平安時代の都を舞台とする物語です。

方相を射る?

平安時代後期の人物、大江匡房の『江家次第』には『殿上人長橋の内に於いて方相を射る』と記されています。
なんと、鬼を追い払ってくれる正義のヒーロー、方相氏を射るというのです。

ええーーっ?方相氏って正義のヒーローなのに、弓で射て殺しちゃうんですか?

吉田神社 方相氏 と しん子 

④平安時代の追儺式に鬼は登場しなかった。

枕草子や源氏物語などに追儺式の様子が記されています。
それらの文献から、平安時代の追儺式は次のようなものだったと考えられています。

追儺式は戌の刻(午後八時頃)に始まる。
天皇は紫辰殿に出御し、陰陽師が祭文を読みあげる。
次に方相氏が二十人ほどのシン子を従えて登場する。
方相氏は四つ目の黄金の面を着け、真っ赤な衣装(或いは上が黒、下が赤とも)を纏う。
方相氏は大舎人の中から体格のいいものが選ばれた。
方相氏は矛と盾を持ち、矛を地面に打ち鳴らして『鬼やらい、鬼やらい』と唱えて宮中を歩き回る。
その後に殿上人たちが桃の弓と葦の矢を持って続いた。
これは桃や葦にも邪気を祓う力があるとされていたためである。


ピンク色の文字の部分をよーく読んでみてほしいのですが
平安時代の追儺式に方相氏とシン子は登場しますが、鬼は登場しませんね。

岡野玲子さんの漫画『陰陽師』でも追儺式に鬼は出てきませんでした。
追儺式に鬼が登場するようになるのは、平安時代よりも後の時代になってからなのでしょう。

⑤大寒の日、牛を牽く童子の像を立てる。

967年施行の延喜式には次のように記されています。

大寒の日、宮中の諸門に『牛を牽く童子の像』をたて、立春の前日=節分の日に撤去する。


なぜこのようなことをするのでしょうか。

牛は干支の丑を表すものだと思います。
丑は12月を表します。

そして童子は八卦で艮(丑寅)をあらわす符です。
丑は12月、寅は1月なので、艮(丑寅)は1年の変わり目をあらわします。

つまり、『牛を牽く童子』は、『丑(12月)を艮(丑寅/1年の変わり目)』で、目には見えない冬の気を視覚化したものなのではないでしょうか。

⑥『牛を牽く童子の像』は身代わり人形?

そして日本には『身代わり人形』『身代わり地蔵』などの信仰がありました。
人形やお地蔵さまが人間の身代わりになって災難をうけてくれるという信仰ですね。
↓ こちらは市比売神社・ひいなまつりの、人形に息を吹きかけて穢れを移す神事です。

市比売神社 天児人形2 

↓ こちらは下鴨神社の雛流しです。
人形を川に流して、厄を祓うという神事です。

下鴨神社 流し雛

これらの行事は『身代わり人形』の信仰によるものだと言えるでしょう。

『牛を引く童子の像も『身代わり人形』で、その像の中に冬の気を吸い込むことで、冬の気が宮中に入るのを阻止すると考えられたのではないでしょうか。

⑥方相氏+シン子=牛を牽く童子

角のある方相氏は牛ではないでしょうか。
そしてシン子は童子なので、これは『牛を牽く童子』そのものではないかと思います。

大寒の日、諸門に建てられた『牛を牽く童子の像』は冬の気をいっぱいに吸いこんだのち、節分に撤去されます。
ですが、像の中に吸い込みきれない冬の気があると考えられ、方相氏とシン子は宮中を練り歩いてその体内に冬の気を吸い込んでいるのではないでしょうか。

そして方相氏がその体内に冬の気を十分に吸ったところで、
大江匡房の『江家次第』に『殿上人長橋の内に於いて方相を射る』とあるように、矢を射て殺してしまうということなのでは。

吉田神社 節分祭 赤鬼 


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[2017/02/02 00:09] 京都府 | トラックバック(-) | コメント(-)