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不思議不動院 南天 かぼちゃ供養 『空海が狸を四国に解放した』 


京都市北区 不思議不動院
南瓜供養・・・12月21日(確認をお願いします。)


不思議不動院 南天 

ほら貝を吹く修験者は宝山寺の護摩供に登場された方です。(合成)

①かぼちゃ大師

不思議不動院の『かぼちゃ大師堂』には『かぼちゃ大師』と呼ばれる弘法大師像がお祭りされているということなんですが
残念ながら扉が閉められていました。
50年ほど前に醍醐寺より賜ったものだそうです。

不思議不動院 天龍神 

②かぼちゃ大師のお告げ


その弘法大師像の御霊移しの儀を執り行う前夜、初代院主・酒井圓心師がお祈りをしていると、
『私はかぼちゃ大師である。我が法徳によって無事息災に人々を救おう。』
とお告げがあったそうです。
これ以降、この像を『かぼちゃ大師』と称し、冬至の日にかぼちゃ供養が行われるようになりました。

この日、境内ではかぼちゃの煮物をいただくことができます。

不思議不動院 かぼちゃ煮

③かぼちゃという名前の由来はカンボジアだった。

日本のかぼちゃは、16世紀中頃ポルトガル船によってカンボジアからもたらさました。
『かぼちゃ』という名前はカンボジアに由来するといわれています。

④冬至とかぼちゃ

冬至にかぼちゃを食べる習慣は江戸時代中期ごろに生じたとされ、
冬至にかぼちゃを食べると中風(脳卒中)にならない、風邪を引かない、金運がよくなるなどと信じられていたようです。

不思議不動院 不動明王と狸

⑤冬至に『ん』のつくものを食べると『運(うん)』を呼び込める。


冬至にかぼちゃを食べるのはなぜなんでしょうか。
かぼちゃは本来は夏の野菜ですが、貯蔵がききます。
そこで野菜が不足する冬にかぼちゃを食べてビタミンを補給したのだとか、いわれています。

また冬至には『ん』のつくものを食べると『運(うん)』が呼びこめるとも言われています。
かぼちゃは『なんきん』とも言い、『ん』がつきますね。

大根も『ん』がつみます。
12月にはあちこちで大根焚行事が行われますが、大根焚も冬至にちなむ行事なのかも?

不思議不動院 地蔵菩薩と狸

⑥吉太郎大明神

境内のあちこちに狸の像が置かれていました。
帰宅後、調べてみたところ不思議不動院前の坂を上ったところに不思議不動院の奥の院があり、そこに吉太郎大明神が祀られているようです。
そんなこととは知らなかったのでお参りしないで帰ってきてしまいました。
残念ーーー。ちゃんと調べてから行けばよかった。

吉太郎大明神は四国のおくろさん(狸神)を勧請したものなのだとか。

不思議不動院付近 おくろさん 

不思議不動院の近所の民家で祀られていたおくろさん

⑦四国の稲荷神社は狸を祀っている。


四国には狐はいないといわれ(実際にはいます。)通常、稲荷神の神使は狐なんですが、四国では狸が稲荷神とされているそうです。

空海が四国に狸を解放した、などともいわれています。

不思議山不動院が四国のおくろさん(狸神)を勧請した理由がなんとなく見えてきましたね。

伏見稲荷大社は紀氏の神と土地を奪った?

稲荷神社の総本宮は京都伏見の伏見稲荷大社です。

伏見稲荷大社があるあたりは、もともとは山城国紀伊郡といい、紀氏の土地であったようです。
ところがしだいに藤原氏や秦氏が権力を持つようになって紀氏は土地を奪われたと考えられています。

伏見稲荷大社の南に藤森神社がありますが、この藤森神社はもともとは伏見稲荷大社がある場所にあったそうです。
ところが伏見稲荷大社を創建するために藤森神社は移転させられています。
なので、伏見稲荷大社付近の人々は今も藤森神社の氏子がほとんどなのだとか。
藤森神社の祭礼では、氏子さんたちが御輿を担いで伏見稲荷大社にやってきて「土地返せ 地所返せ」と囃したてるそうですよ。

また伏見稲荷大社では宇迦之御魂大神のほか、四大神をお祭りしています。
柴田實氏によると、四大神とは、五十猛命(いそたけるのみこと)、大屋姫(おおやつひめ)、抓津姫(つまつひめ)、事八十神の四柱の神神々のことだということです。(式内社調査報告)

五十猛命(イソタケル)は、スサノオの子で、林業の神です。
記紀の記述によれば五十猛神は紀伊国に祀られている神とあります。紀伊国とは紀州のことです。
そして記紀の記述によれば、大屋都姫命(大屋姫)はスサノオの娘で、五十猛命は兄、抓津姫は妹としており
大屋都姫命と抓津姫はスサノオに命じられて五十猛命と共に全国の山々に木種を撒いたあと紀伊国に戻ったとあります。

紀州は古より林業が盛んだったので、紀州の人々は林業の神・五十猛神や、木種をまいた大屋都姫命・抓津姫を信仰していたのでしょう。
そして紀州は紀氏の本拠地でした。
五十猛神・大屋都姫命・抓津姫は紀氏の神だと考えられるでしょう。

伏見稲荷大社 舞妓さん 

⑨紀氏の土地と神を奪ったのは空海だった?

『稲荷大名神流記』には次のように記されています。

816年4月ごろ、空海は紀州の田辺の宿で翁に出会いました。
翁は「私は以前あなたにあったことのある神である。あなたには威徳がある。私の弟子になるとよい。」といいました。
空海はこう答えました
「私は密教を広めたいと思っています。あなたは仏法でそれを守ってください。東寺であなたを待っています。」
翁と空海は仲睦まじく語らい、約束をかわして別れました。
823年1月19日、空海は東寺を賜り真言道場としました。
4月13日、紀州の神が東寺にやってきたので空海は大喜びしてもてなし、神として鎮まっていただきました。


伏見稲荷大社は空海が創建した東寺の鎮守なんですよね。
東寺の五重塔を建てるのに用いた木材は稲荷山から切り出したものだといいます。

『稲荷大名神流記』は紀州の神は自ら望んで東寺にやってきたと記しますが、本当かなあ?
伏見稲荷大社周辺に住む人々が伏見稲荷大社の氏子になっていなかったり、移転さえられた藤森神社の祭礼で伏見稲荷神社に乗り込んで「土地返せ、地所返せ」とはやし立てたりするところから察するに
かなり強引なやり方で土地と神は奪われたのではないかと思えるんですが。

空海は紀氏から土地を奪った首謀者のひとりなのではないでしょうか。

藤森神社 蹴鞠3 
藤森神社

●狐は和魂、狸は荒魂?


神はその現れ方で御霊(神の本質)・和魂(神の和やかな側面)・荒魂(神の荒々しい側面)に分けられるといいます。
また、女神は和魂を、男神は荒魂をあらわすとする説があります。

そして狐はたいてい女性に化けますし、狸は信楽焼きの狸の容貌などを見ると男性的です。

つまり、狐は和霊で、狸は荒霊を示しているのではないかと思います。

御霊・・・神の本質
和魂・・・神の和やかな側面・・・女神・・・狐
荒魂・・・神の荒々しい側面・・・男神・・・狸

「空海が四国に狸を解放した。」というのは、「空海が荒魂(狸)を都から追い出して四国の地に追いやった」という意味ではないかと思います。

このように弘法大師(空海)と狸の関係は深いように思われます。

『不思議不動院』は『かぼちゃ大師』を祀っているところから、弘法大師と関係の深い四国のおくろさん(狸)を勧請したのではないかなあと思ったりします。





毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!

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[2016/12/23 00:00] 京都の祭 | トラックバック(-) | コメント(-)