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仁右衛門島 走る波 夕景 『仁右衛門島の頼朝・日蓮伝説の真相?』 


千葉県鴨川市 仁右衛門島
2016年11月13日 撮影


グランプリファイナルのネイサン・チェン、すごすぎ!
四回転ルッツ+トリプルトウループ、四回転フリップ、四回転トウループ+ダブルトウループ、四回転トウループ
と四回転ジャンプ4回入れた鬼構成で、ノーミス!
ジャンプだけでなく、表現力もあるし氷上のプリンシパルという感じ。しびれる~♡♡
https://www.youtube.com/watch?v=E7WYruLQXas


仁右衛門島  
●仁右衛門島に残る日蓮と源頼朝の伝説

千葉県鴨川市は房総半島の南東に位置し、海岸に立つと太平洋が広がっています。
その太平洋上に仁右衛門島があります。
といっても、海岸からの距離はせいぜい30メートルほどなんですが。
泳いで渡れそうですよ。泳げないけど。(なんじゃ、そりゃ)



時間がなかったので島には渡らなかったのですが
この島は個人所有で、平野仁右衛門家が一軒あるのみだそうです。
島主は代々平野仁右衛門を襲名しているそうで、現在の島主は推定38代目なのだとか。

仁右衛門島にはふたつの伝説があります。

①1180年に石橋山の戦いに敗れた源頼朝(生没年/1147-1199)は船で安房の仁右衛門島にやってきて、島主に助けられ平家から身を隠した。
②仁右衛門島東部の神楽石で日蓮(生没年/1222-1282)が朝日を拝んだ。

関西には平家や源義経の伝説は残されていても、源頼朝の伝説は聞いたことがありません。(私が聞いたことがないだけかもですが。)
なんだか、ワクワクしますね~。

鴨川 波


●平野家は江戸時代に和泉国からやってきた?

平野家は江戸時代に和泉国からこの地へ移転してきたとする記録が残されています。
ところが源頼朝や日蓮は江戸時代より前の鎌倉時代の人物です。

石橋島の戦いで敗れた源頼朝が船で安房に逃れてきたのは正史に記録がありますし、日蓮は安房の生まれです。
なので、源頼朝や日蓮がこの仁右衛門島にやってきた可能性はあります。
ですが、平野仁右衛門が源頼朝を助けたというのはちょっと信じられません。
記録のほうが間違っていて、平野家は鎌倉時代すでに仁右衛門島に住んでいたという可能性もなくはないんですが。

仁右衛門島2

●平野家は天台宗から日蓮宗に改宗した。

平野家はもともと天台宗であったのが、のちに日蓮宗に改宗したと言われています。

そして日蓮宗の開祖は日蓮で、1253年に清澄山(鴨川市)の旭森山頂に立日の出に向かって「何妙法蓮華経」と題目を唱えたといいます。

平野家は日蓮宗の熱心な信者だったのでしょう。
そこで清澄山の旭森山頂に立って日の出を拝んだという日蓮の話をベースに、舞台を仁右衛門島に置き換えて伝説が作られたのではないでしょうか。

平野家が自らそういう伝説を作ったのかもしれませんし、近所の人がそんな風に噂したのかもしれません。

鴨川 海岸 日没

●頼朝は法華経を厚く信仰していた?

次に頼朝の伝説について考えてみましょう~。

石橋山の戦いで敗れた頼朝は洞窟の中で法華経を唱えていた、そのため敵から逃れることができたと言われています。
(仁右衛門島には頼朝が隠れたという洞窟がありますが、法華経を唱えた洞窟が仁右衛門島なのかどうかはわかりません。)

日蓮宗では「南無妙法蓮華経」と唱えますね。
「南無」とはサンスクリット語の漢語訳で、「帰依します」という意味です。
そして「妙法蓮華経」は法華経のことです。
したがって「南無妙法蓮華経」とは「法華経に帰依します。」という意味になります。

日蓮が生まれたのは源頼朝の死後20年ほどたってからなので、頼朝の時代に日蓮宗はありませんでした。(法華経への信仰はありました。)
しかし先ほどお話ししたように、日蓮宗は南無妙法蓮華経(法華経に帰依する)と唱える宗派なので
後の時代の日蓮宗を信仰する人は、洞窟の中で法華経を唱え続けた頼朝の話に感銘を受けたことでしょうね。
特に安房は日蓮が生まれた場所ですし、頼朝が船で安房に逃れてきた場所でもあるのでなおさらでしょう。

この頼朝が洞窟の中で法華経を唱え続けたという話をベースとし
熱心な日蓮宗の信者である平野家が所有する仁右衛門島を舞台に置き換えて
頼朝の伝説は創作されたのではないでしょうか?

 鴨川 海岸 夕景

●日蓮は源頼朝を信仰していたのでは?

日蓮が「南無妙法蓮華経」と唱えたのも、案外、源頼朝が洞窟で法華経を唱え続けたということにちなむものだったのかも。

なぜこう思うかというと、安房で生まれた日蓮は、かつてこの地に逃れてきた頼朝が洞窟の中で法華経を唱え続けたという話をよく知っていたはずだと思うからです。

また日蓮曼荼羅に八幡神と天照大神が描かれているそうなんですが、八幡神というのは源氏の氏神なんです。
そして神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮境内には白旗神社があるそうです。行ったことないんですがー。
白旗神社という社名は源氏が白旗を用いていたことに由来します。
そして白旗大明神は源頼朝の神号です。

日蓮は八幡神と、法華経を信仰していた源頼朝のイメージを重ねていたのではないか。
そのため八幡神が描かれた日蓮曼荼羅が作られたのではないか、と思ったりするわけです。

鴨川 海岸 夕景 



毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!

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[2016/12/14 00:00] 千葉県 | トラックバック(-) | コメント(-)