Author:佳音
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千葉県勝浦市覚翁寺 京都市左京区 真如堂 覚翁寺(千葉県勝浦市)●浄土宗と真如堂とお十夜先日、千葉県勝浦を旅したのですが勝浦に覚翁寺という浄土宗のお寺があり、「お十夜」と記された提灯が下げられていました。「お十夜」とは阿弥陀様のお祭りだと、お寺の方に教えていただきました。 帰路は夜行バスで。夜行バスはちょっと疲れるけど、早朝に京都につくのがいいんです。そのまま家に戻らずに早朝の京都をぶらぶら。真如堂など紅葉がきれいでした。 真如堂 赤門帰宅後「お十夜」について調べてみました。『無量寿経』の巻下に 「この世で十日十夜の間善行を行うことは、仏の国で千年間善行をすることよりも尊い」と説かれているそうで、「お十夜」はそれを実践するものだということです。真如堂室町時代の永享年間(1429年から1441年)に伊勢貞国が真如堂において初めて「お十夜」の法要を行ったそうです。1495年に後土御門天皇が真如堂の僧と、浄土宗総本山・鎌倉光明寺の観誉祐崇上人を宮中に招いて引声念仏を行わせました。その後、鎌倉光明寺は天皇より許しを得て「お十夜」の法要を行うようになったということです。真如堂真如堂は天台宗のお寺で御本尊は阿弥陀如来です。そして浄土宗ではやはり阿弥陀如来を御本尊としています。それで後土御門天皇は真如堂と鎌倉光明寺より僧を招いて「お十夜」の法要を行ったのでしょう。 真如堂●阿弥陀如来、貞国の出家を思いとどまらせる。なぜ伊勢貞国は真如堂で初めてのお十夜の法要を行ったのでしょうか。
伊勢貞国は足利義教の執権職・伊勢守貞経の弟でした。「伊瀬家の家督は兄がついだ。自分は次男なので家督をつげなかった。ああ~、なんという無常。もう出家してしまおう。」貞国はそんな風に考えたかどうかわかりませんが、とにかく彼は出家を決意して真如堂に籠り、3日3晩念仏の行を行いました。3日目の明け方、貞国の夢枕にお坊さまがあらわれ、「阿弥陀様を信じる気持ちがあれば出家するしないは関係ないよーん。」とお告げをされました。それで貞国は出家するのをやめ、家に戻ったのですが兄・貞経は上意に背いて謹慎処分とされ、吉野に向かわされることとなったのです。吉野で謹慎処分というのは、吉野で出家するよう命じられたということかもしれません。そして、貞経に代わって貞国が家督をつぐようにと命じられたのです。貞国は「自分があのまま出家していたら家は断絶してしまうところだった。夢に現れたお坊さまは阿弥陀様の化身だったにちがいない。阿弥陀様が出家してはいけない、と教えてくれたのだ!」と考えあと7日7夜、合計10日10夜の念仏を行ったということです。 真如堂●藤原詮子に皇太后の地位を授けた阿弥陀如来以前の記事、真如堂 紫陽花 菩提樹 沙羅双樹 『詮子、遵子を呪う?』 で次のようなことを書きました。①真如堂の阿弥陀如来は円仁が「特に女人を救済してください」というとうなずかれた。そのため「うなずきの阿弥陀」と呼ばれている。②真如堂の阿弥陀如来はもともとは比叡山にあったが、藤原詮子(ふじわらせんし)の離宮に移された。ここから真如堂は藤原詮子と関係の深い寺だと考えられる。③藤原詮子は円融天皇の第一皇子・懐仁親王(のちの一条天皇)を生んだが、藤原頼忠の娘・遵子(じゅんし)が后となった。④詮子は遵子の兄・藤原公任に「こちらの女御はいつ后になられるんですか」と皮肉を言われ、父親の藤原兼家とともに東三条邸にひきこもってしまった。⑤しかし遵子は円融天皇の皇子を産まず、詮子が生んだ一条天皇が即位し、詮子は皇太后となった。皇太后となった詮子は、遵子の兄・藤原公任に「姉君の素腹の后はどちらにおいでですか?」とやり返した。⑥真如堂の阿弥陀如来は特に女人を救済するみほとけとされる。詮子が皇太后となったのは阿弥陀如来の御加護を受けたためだと考えられたのではないか。⑦あるお寺でこんなことを聞いたことがある。「愛染明王の何も持っていない手には秘密の呪符を握らせた。そして、その呪符には『○○、死ね』などのように書いて呪詛した。」昔の仏教は呪術的意味合いの濃いものであったのではないか。⑧詮子は真如堂の「うなづきの阿弥陀」に「憎き遵子が円融天皇の皇子を産みませんように。私(詮子)が生んだ懐仁親王(のちの一条天皇)が即位しますように。私が皇太后になれますように」と祈願したのではないか。案外、貞国も真如堂に籠って兄・貞経の失脚を祈願していたのかも? 真如堂 三重塔毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!※まとめサイトなどへ無断で転載することはおやめください。いつも応援ありがとうございます♪ にほんブログ村 にほんブログ村
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