滋賀県大津市 西教寺
2010年11月20日 撮影
●猿の念仏西教寺には次のような伝説があります。
明応2年(1493)、このあたりで徳政一揆が起こりました。
僧兵はその首謀者が真盛上人だと疑い、西教寺を攻めました。
境内には人影がありませんでしたが、本堂から鉦の音が聞こえてきました。
僧兵が本堂に入ると、一匹の手白の猿が上人の身代わりとなって鉦をたたいていました。
僧兵は日吉山王の使者である猿が念仏を唱えている様子に、真盛上人の影響力の強さを感じてその場を立ち去りました。
西教寺の近くには日吉大社があります。猿はこの日吉大社の神使なんですね。
西教寺の塔頭の瓦には猿の像がいくつも置かれています。
また本堂の阿弥陀如来像の前には鉦をたたきながら念仏を唱える猿の像が置かれていました。
それらは上記の伝説にもとづくものなのでしょう。
●鬼の寒念仏えー、大津といえば大津絵が有名です。
大津絵とは民族絵画であり、護符としての効能もあるとされていました。
いろいろな種類があるのですが、中でも有名なのは「鬼の寒念仏」です。
↑ これは三井寺にあった「鬼の寒念仏」
●鬼=怨霊鬼とは成仏しきれず祟りをなす怨霊のことだと考えてもいいでしょう。
『鬼の寒念仏』はそんな怨霊までが成仏しようと念仏を唱えている様を描いたものだと思います。
それほど念仏が流行ったということでしょう。
●怨霊=神=猿猿は申とも書き、申に示偏をつければ神になります。
そして、かつて怨霊と神とは同義語だったといわれます。
怨霊が祟らないように祀ったのが神だというのですね。
怨霊は神として祀り上げると、ご利益を与えてくれる和魂になる、などともいいます。
猿は神でありかつ怨霊でもあると考えられていたということでしょう。
すると『鬼の念仏』と『猿の念仏』は同じものだといえるかも?

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[2016/11/16 00:00]
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