奈良市中院町 元興寺
2012年9月23日 撮影
多武峰縁起絵巻 複製(談山神社)刀を持っているのが中大兄皇子、首を斬られているのが蘇我入鹿。●蘇我入鹿と鹿鳴草
元興寺は飛鳥時代に蘇我馬子が創建した寺ですが、馬子の孫の蘇我入鹿は中大兄皇子に討たれて死に、その後、蘇我氏は没落してしまいました。
萩の別名は『鹿鳴草』といいます。
そして日本書紀に『トガノの鹿』という物語があり、鹿とは謀反人を比喩したものであるとする説があります。
雄鹿が『全身に霜がおりる夢を見た。』と言うと雌鹿が『霜だと思ったのは塩であなたは殺されて塩が振られているのです。』と答えました。
翌朝猟師が雄鹿を射て殺しました。
時の人々は『夢占いのとおりになってしまった』と噂しました。 (トガノの鹿)
謀反の罪で殺された人は塩を振られることがあり、 鹿とは謀反人の象徴なのではないかというのです。
蘇我入鹿は謀反人であり、蘇我氏の氏寺の元興寺に謀反人を象徴する鹿鳴草(萩)は似合いすぎるほどですね。
●萩の白花は謀反人に振る塩に喩えられている?なぜ萩のことを『鹿鳴草』というのでしょうか。
萩には白色の花と紫色の花がありますが、白い萩の花は塩を振ったように見えます。
また鹿の夏毛には白い斑点があり、その白い斑点もまた塩に喩えられたのではないでしょうか。
東大寺にてつまり、白い萩の花は謀反人=雄鹿をあらわすものだと思います。
●萩の紫花は雌鹿をあらわしている?①紫の にほへる妹を 憎くあらば 人妻故に 吾恋ひめやも/大海人皇子
(紫草のように美しいあなた。あなたが憎ければ、人妻と知りながら、こんなに恋い焦がれずにいられるものを。)
②紫は ほのさすものぞ 海石榴市の 八十のちまたに 逢へる子や誰/詠人知らず
(顔をぽっと赤らめた海石榴市の辻で逢った貴女は、何というお名前ですか。)
※紫色に布を染める際、媒染剤として椿の灰をいれると鮮やかに染まったのだそうです。 この2つの歌を鑑賞すると、女が男に恋する様子を紫と表現していたのかな、と思えます。
紫色の萩の花は雄鹿に恋する雌鹿をあらわしているのではないでしょうか。
●御霊・荒魂・和魂
このブログで何度も何度も何度も書いていますが、またしつこく書きます。(笑)
神はそのあらわれ方によって、御霊(みたま/神の本質)・荒霊(あらたま/神の荒々しい側面)・和霊(にぎたま/神の和やかな側面)の3つに分けられ、男神は荒霊を、女神は和霊を表すとする説があります。
御霊・・・神の本質・・・・・・・・・・男女双体
荒霊・・・神の荒々しい側面・・・男神・・・・・・・萩(白)
和霊・・・神の和やかな側面・・・女神・・・・・・・萩(紫) 謀反の罪で殺された人は死後怨霊になると考えられていました。
つまり、謀反人とは怨霊であり、荒霊であり、男神なのです。
この荒霊である謀反人の霊を慰霊するためには女神と和合させる必要があると考えられていたのではないかと思います。
毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!
※まとめサイトなどへ無断で転載することはおやめください。
いつも応援ありがとうございます♪
にほんブログ村
にほんブログ村
[2016/09/26 12:04]
奈良県 |
トラックバック(-) |
コメント(-)