●精霊送り行事「松上げ」
暗闇の中、行列がやってきました。
松上げは精霊送りの行事です。
河原にたてられた約1000本の松明が点火されます。
中央にある高さ約20mの大傘をめがけて松明を投げ上げると、大傘に火がついてめらめらと燃え上がります。
手に持った松明をぐるぐる回し勢いをつけて投げ上げるので、地面近くには小さい円形の光の軌跡ができています。
大傘が燃えて倒れると、あたりは闇に包まれました。
そして夜空をひとつ、ふたつと流れ星が流れていきました。
ペルセウス座流星群です。
●ベルセウス座流星群ペルセウス座流星群は7月20日頃から8月20日頃にかけて観測され、8月13日がピークです。
☆←これはしし座流星群を描いた絵ですが、なんとなく松上げ(写真4枚目)に似ていると思いませんか。
●お盆はベルセウス座流星群が観測される時期に行われる。
旧暦ではお盆は7月15日を中心とした行事でした。
新暦になってからは8月15日を中心として行われることが多いです。
旧暦は新暦の約1か月遅れなので、今も昔もペルセウス座流星群が観測される次期にお盆は行われていたということになります。
●流星は死んだ人の魂だと考えられていた?お盆にはお精霊さん(おしょらいさん/先祖の霊のことを京都ではこう言います。)がこの世へ帰ってくると考えられていました。
なぜお盆にはお精霊さんがこの世へ帰ってくるなどと考えらえたのでしょうか。
昔の人々は死んだ人の魂は星になると考えていたようで、今でも亡くなった人のことを「星になった」などといいます。
ペルセウス座流星群でたくさんの星が降るようすを、死んだ人の魂がこの世に戻ってくると考えられたのではないでしょうか。
そして松上げは精霊送りの行事だとされますが、この世の戻ってきたお精霊さん=流星を空に戻す行事のように思えるのです。
●夏越神事の人形流しとペルセウス座流星群
旧暦では7月1日は釜蓋朔日(かまぶたついたち)といい、この日地獄の釜が開くと考えられていました。
釜蓋朔日の前日の6月晦日には、茅の輪くぐりをしたり人形(ひとがた)を川にながす夏越の祓が行われていました。
私は夏越神事はお盆を迎えるための行事ではないかと考えています。
お盆には先祖の霊だけでなく、悪い霊も戻ってくると考えられていました。
そのため、夏越の祓をして身を清める必要があると考えられたのではないでしょうか。
詳しくはこちらの記事を参照してください。→
上賀茂神社 夏越神事 『旧暦の夏の終わりはお盆の始まり』旧暦では6月晦日は夏の終わりで7月から秋でした。新暦換算すると約1か月遅れの8月です。
そして1年を24に分割した二十四節気では8月7日ごろを立秋としています。
下鴨神社で立秋の前日に行われる矢取神事では人形を撒きますので、夏越の祓の一種だと考えられます。
下鴨神社 矢取神事神職さんによってまかれるおびただしい数の人形。
これもベルセウス座流星群に似ていると思いませんか。
つまり、人形が星というわけです。
人形=死者の霊=ベルセウス座流星群であり、これを川に流して浄めるのが夏越の祓なのではないでしょうか?
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