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矢取神事 下鴨神社 『矢取神事はなぜ立秋に行われるの?』 

 下鴨神社・・・京都市左京区下鴨泉川町59
矢取神事・・・立秋の前日〈2016年は8月6日) 午後6時半より

立秋の前日、下鴨神社では矢取神事が行われます。 

下鴨神社 矢取神事 お祓い

御手洗池の中に立ててあるのは斎矢です。 

 
太鼓の音とともに神職さんが池の中に人形をまき、60人ほどの裸男さんたちがいっせいに御手洗池に飛び込みんで競ってこの矢をとりあいます。
太鼓が鳴る前にフライングする人がいたりして~(笑) 

下鴨神社 矢取神事3 
スタート!
 
下鴨神社 矢取神事2
 
激しい矢の奪い合いでメガネを飛ばす裸男さんが続出~!

●丹塗り矢伝説

下鴨神社には次のような伝説があります。

玉依姫が川から流れてきた丹塗りの矢をとって部屋においておいたところ、矢は立派な男に変わり二人は結婚しました。

男は賀茂建角身命’八咫烏)で、下鴨神社では玉依姫と賀茂建角身命を御祭神としています。
ふたりの間に生まれた御子が別雷神で、上賀茂神社に祀られています。

矢取神事はこの伝説に基づくものだといわれています。

●矢取神事は夏越神事

貴船神社 夏越祓 
↑ 
上の写真は貴船神社の夏越神事です。

夏越神事(大祓、夏越の祓とも)とは6月晦日に茅の輪くぐりをしたり、人形に息をふきかけて穢れを移し川や海に流すという行事です。

そこでもう一度、下鴨神社の矢取神事の写真を見てください。
神職さんがみたらし池に向かって人形を撒いていますね。
矢取神事は夏越神事のひとつだと考えられるでしょう。

上賀茂神社 夏越神事 
↑ 上賀茂神社でも夏越神事を行っていますよ~。

でも夏越神事は6月晦日に行われる神事です。
下鴨神社の矢取神事は夏越神事だと考えられるのに、なぜ6月晦日ではなく立秋の前日に行われているのでしょうか?

●旧暦と二十四節気

こうした伝統行事を考える上でかかせないのが旧暦と二十四節気です。
旧暦と二十四節気がわからないと伝統行事の意味がわからないと言っても過言ではないでしょう。

旧暦(太陽太陰暦)は月をベースにした暦法で、一か月は29.5日でした。
旧暦の1年=29.5日×12か月=354日となり、太陽暦の1年〈365日)より11日短くなります。3年では約1か月もずれが生じます。
そのため3年に一度閏月をもうけてずれを解消していました。

太陽太陰暦は月がカレンダーがわりになって便利な反面、実際の季節とずれが生じます。
そこで見かけ上太陽が地球の周囲を一周する周期を24等分した二十四節気が併用されていました。
新暦が採用されるまで日本には旧暦の正月と、二十四節気の正月(2月3日の節分のこと)と、正月は2回あったのです。

下鴨神社では立秋の前日に夏越神事を行っていますが、立秋とはこの二十四節気の節のひとつです。
二十四節気では立春(新暦2月4日ごろ)が春の始まり、立夏(新暦5月5日ごろ)が夏の始まり、立秋(新暦8月7日ごろ)が秋の始まり、立冬(新暦11月7日ごろ)が冬の始まりとされていました。 

●夏越神事は秋を迎える行事だった。


現在、夏越神事は新暦の6月30日に行われることが多いですが、旧暦は新暦の約1か月遅れなので、本来の夏越神事は新暦に換算すると7月中旬から8月初旬ごろに行われていた行事でした。

そして旧暦では1月2月3月が春、4月5月6月が夏、7月8月9月が秋、10月11月12月が冬でした。
6月晦日(月の最終日)に行われる夏越神事は、秋を迎える行事だったといえるでしょう。 

そして昔は旧暦と二十四節気というふたつの暦を併用していたため、1年に正月が2回あったのと同様
夏越神事も旧暦の6月晦日に行うケースと、二十四節気の立秋の前日に行うケースのふたつがあったということだと思います。

●旧暦では「秋の始まり=涼しい」という感覚はなかった?

よく天気予報などで「今日は立秋ですが、秋の気配はありません。暑いです。」みたいに言われることがあります。

旧暦から新暦に変わったことで二十四節気も旧暦より一か月近く早くなったと勘違いされがちなのですが、
二十四節気は太陽の黄道上の視位置によって決められているので旧暦も新暦も関係ありません。
今も昔も、太陽の黄道上の視位置が135度になる日(新暦8月7日ごろ)が立秋なんです。

新暦8月7日は暑さのピークです。昔も立秋(新暦8月7日)は暑かったと思います。

「秋の始まり=涼しい」というのは新暦の感覚だと思います。

●日本書紀にも旧暦7月は暑かったと記されている。

その証拠に、日本書紀にも次のように記されています。

「秋七月(新暦では8月ごろ)、天皇と星后と高台に居して避暑(すずみたま)ふ時に毎々、兔餓野より鹿の鳴を聞くこと有り。」



毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!

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[2016/08/07 00:04] 京都の祭 | トラックバック(-) | コメント(-)