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二荒山神社 コバノミツバツツジ 桜  『大黒田道間守は不老長寿の神?』 

撮影 2016年5月中旬

以前、二荒山神社 弥生祭 『アヂスキタカヒコネとヒトコトヌシは同一神だった?』  という記事を書きました。
二荒山神社は日光東照宮の隣にある神社です。

日光東照宮についての記事はコチラ。↓
日光東照宮 例大祭 流鏑馬 神輿渡御 『星の神を祀っているのになぜ日光東照宮?』 
日光東照宮 例大祭 百物揃千人武者行列 『変わっていく神の定義?』 

二荒山神社 中宮祠 狛犬 阿形 コバノミツバツツジ

 二荒山神社 中宮祠

中禅寺湖へ出かけたところ、湖のほとりにも二荒山神社がありました。
日光東照宮の隣にある二荒山神社が本社で、中禅寺湖にあるのは中宮祠なのだそうです。
あと男体山山頂にも二荒山神社があり、こちらは奥宮とのこと。

二荒山神社 中宮祠 狛犬 吽形 コバノミツバツツジ 

二荒山神社 中宮祠

中禅寺湖の水面海抜は1269mで、日本で最も標高の高い場所にある湖です。
そのため春が遅いようで、二荒山神社(中宮祠)境内には八重桜やコバノミツバツツジが咲いていました。



上の地図で場所を確認していただきたいのですが~
地図中央下に中禅寺湖があり、その北に男体山がありますね。
男体山の東北には女峰山、男体山の北には太郎山があります。
日光東照宮は中善寺湖の東、白糸滝という文字の下です。


この三つの山は御神体として信仰され、それぞれ二荒山神社の三柱の神々にあてられています。

男体山(2486m)・・・大己貴命(おおなむちのみこと)・・・・・・・・千手観音・・・・・・・・・父
女峰山  (2464m)・・・田心姫命(たごりひめのみこと)・・・・・・・・阿弥陀如来・・・・・・・・母
太郎山  (2368m)・・・味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)・・馬頭観音・・・・・・・・・子

 
日光東照宮の隣には輪王寺(りんおうじ)があります。
輪王寺は日光東照宮と関係の深いお寺です。

輪王寺の三仏堂は修理中でしたが、三仏堂を覆う「素屋根(すやね)」が設けられ、解体修理の様子などを見学することができました。
また御本尊の巨大な阿弥陀如来・千手観音・馬頭観音を拝することもできました。

日本では明治まで神仏は習合して信仰されていましたので、上の図に示したとおり
大己貴命と千手観音、田心姫命と阿弥陀如来、味耜高彦根命は馬頭観音と同体というわけですね。

二荒山神社 中宮祠 桜 コバノミツバツツジ

二荒山神社 中宮祠


申し訳ない、このブログの中でしつこく何度も書いているんですが、繰り返させていただきます。

神はその現れ方で、御霊(みたま/神の本質)・荒魂(あらたま/神の荒々しい側面)・和魂(にぎたま/神の和やかな側面)の3つに分けられると言われます。
そして女神は和魂を、男神は荒魂をあらわすとする説があります。

二荒山神社 中宮祠 手水 コバノミツバツツジ 

二荒山神社 中宮祠


すると二荒山神社の御祭神は次のような関係になっているのではないかと思います。

男体山(2486m)・・・大己貴命(おおなむちのみこと)・・・・・・・・千手観音・・・・・・・・・父・・・荒魂
女峰山  (2464m)・・・田心姫命(たごりひめのみこと)・・・・・・・・阿弥陀如来・・・・・・・・母・・・和魂
太郎山  (2368m)・・・味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)・・馬頭観音・・・・・・・・・子・・・御霊

二荒山というのは男体山の古名なんです。
二荒山という山名は、荒魂が宿る山にぴったりですね。

二荒山神社 中宮祠 天井画 
二荒山神社 中宮祠 神楽殿の天井画

二荒山神社では七福神の一である大黒天をお祀りしています。
大黒天はもともとはヒンズー教の神でマハーカーラ(大いなる闇という意味)という破壊の神でした。
日本へは最澄が唐より持ち帰ったとされ、最澄が開いた比叡山延暦寺の国宝館にはたくさんの大黒天像が祀られていました。
輪王寺は天台宗のお寺なので、輪王寺と関係の深い二荒山神社で大黒天をお祀りしているのかもしれません。

二荒山神社 本社 大黒天像 

二荒山神社 本社


また、二荒山神社の御祭神の大己貴命とは大国主命の別名です。
大黒天は音が同じであることや、どちらの神も袋を持っていることなどから神道の大国主命と習合されています。
そういったところから、二荒山神社では大黒天をお祀りしているのでしょう。

二荒山神社 本社 大黒田道間守像 

二荒山神社 本社


上の写真は二荒山神社本社の神苑(高天原)にあった大黒田道間守(ダイコクタジマノモリ)という神様の像です。
手にもっているのは非時香菓(ときじくのかくのみ)でしょう。
田道間守(タジマノモリ)という神様がおり、垂仁天皇に命じられて常世国に行き、不老長寿の薬である非時香菓(ときじくのかくのみ)を持ち帰ったとされます。
しかし戻ったときには天皇は崩御されており、田道間守は嘆き悲しんで自害したといいます。
非時香菓はタジマノモリの名前にちなんでタジマノハナとなり、さらにこれが訛って橘になったと言われます。

大黒田道間守は、このタジマノモリと大黒天が合体したような神様なのでしょう。

二荒山神社 本社 神橋 
二荒山神社 本社 雨に煙る神橋

タジマノモリと大黒天には共通点があります。

タジマノモリは不老長寿の薬となる非時香菓を常世の国から持ち帰りましたが、大黒天のルーツであるマハーカーラは不老長寿の薬を持っているとされているのです。

またマハーカーラは片手に 宝物の入った小袋、又は人間の生首を持っていたと聞いた記憶があります。

マハーカーラが持つ不老長寿の薬とは人間の首(髑髏)であり、マハーカーラと習合されている大黒天が持っている袋の中にも不老長寿の薬=髑髏が入っているのではないでしょうか。

また橘が不老長寿の薬とされたのは
それはその丸い実の形が髑髏を思わせるためではないかと思ったりします。

大谷川より男体山・女峰山を望む 

大谷川より男体山(向かって左)女峰山(むかって右/たぶん女峰山だと思うんですが間違っていたら教えてください!)を望む。


毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!

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[2016/05/26 00:00] 栃木県 | トラックバック(-) | コメント(-)