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葵祭 『天地を和合させる祭?』 

 葵祭 斎王代列 斎王代

葵祭・・・5月15日

5月15日に行われる葵祭の路頭の儀は、御所→下鴨神社→上賀茂神社までの約8kmの道のりを、平安装束に身を包んだ人々が行列を作って練り歩きます。

葵祭と呼ばれるのは1694年にそれまで途絶えていた祭が再興された際、行列に参加する人々や内裏寝殿の御簾、牛馬など祭にかかわるものすべてを葵で飾るようになったためです。

でも正確には葵ではなくて、葵桂といって葵と桂の葉を絡ませたものなのだそうです。
http://kyoto.wakasa.jp/detail/34/1713/
↑ ソースはこちら。

葵祭 本列 乗尻

http://kazahana.asablo.jp/blog/2010/05/17/5092390
↑ こちらのブログには葵桂について次のような内容が記されています。

①欽明天皇代、凶作が続き、「葵を飾り祭りを行って待てば地上に降りよう」との神託があった。
②葵は女性、桂は男性を表している。

そこで葵(葵祭で用いられる双葉葵)と桂について調べてみると、葉の形がとてもよく似ているんですよ。

https://minhana.net/wiki/%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%90%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%A4(%E3%82%AB%E3%83%A2%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%A4)(双葉葵)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%84%E3%83%A9_(%E6%A4%8D%E7%89%A9)#/media/File:CercidiphyllumJaponicumLeaves.jpg(桂)

葵祭 斎王代列 命婦

双葉葵が地上を横に這うように茂る植物であるのに対し、桂は大木となり30mほどになるようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%84%E3%83%A9_(%E6%A4%8D%E7%89%A9)#/media/File:SDC11214_-_Cercidiphyllum_japonicum.JPG(桂)

陰陽道では天を陽、地を陰とします。
つまり天にそびえるように成長する桂は天の象徴、地を這うように茂る双葉葵は地の象徴というわけなんでしょう。
いつも思うんですが、昔の人の自然観察眼はすごいですね。
なんでもいいから桂と双葉葵を用いているのではなくて、ちゃんと意味があるのです。

葵祭 斎王代列 命婦3 

もちろん、桂と葵は天地を表しているだけでなく、男女をも表していると思います。
陰陽道では、天のほか男性も陽、地のほか女性も陰としていますので。

なので、桂と双葉葵を絡ませることには夫婦和合の意味があるのだと思います。

以前にも何度も書いているのですが、繰り返しておきますね。

神はその現れ方によって、御魂・和魂・荒魂に分けられるといわれます。
そして女神は和魂を、男神は荒魂をあらわすとする説があります。
すると御魂は男女双体になると思います。

御魂・・・神の本質・・・・・・・男女双体
和魂・・・神の和やかな側面・・・女神
荒魂・・・神の荒々しい側面・・・男神

葵祭 斎王代列 騎女2     

歓喜天の説話はこの関係をうまく表していると思います。
(歓喜天は仏教の神ですが、明治まで神仏は習合して信仰されていました。)

鬼王・ビナヤキャは十一面観音の化身であるビナヤキャ女神に一目ぼれして求婚しました。
ビナヤキャ女神はビナヤキャに「人々に祟るのをやめて仏法守護をするならば結婚しましょう。」といいました。
ビナヤキャは仏法守護を誓い、ビナヤキャ女神と結婚しました。


葵祭 斎王代列 騎女

歓喜天は像頭をした男女が抱きあう姿で表されます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%93%E5%96%9C%E5%A4%A9#/media/File:Icon_of_Shoten.jpg


御魂・・・神の本質・・・・・・・男女双体・・・歓喜天(ビナヤキャ+ビナヤキャ女神)
和魂・・・神の和やかな側面・・・女神・・・・・ビナヤキャ女神
荒魂・・・神の荒々しい側面・・・男神・・・・・ビナヤキャ

夫婦和合は、祟り神を仏法守護の神に変えるまじないであるともいえるのではないでしょうか。


葵祭は、女神(葵/和魂)と男神(桂/荒魂)を和合させることによって、祟り神を鎮魂する儀式なのではないかと思います。

葵祭 斎王代列 牛車 

毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!

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[2016/05/16 08:37] 京都の祭 | トラックバック(-) | コメント(-)