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下鴨神社 光琳の梅 『八咫烏はなぜ三本脚なのか?』 

京都市左京区 下鴨神社


miniさん のブログ(写真がとてもきれいで素敵なブログです♡)で下鴨神社の光琳の梅を見て、行ってきました。(ありがとうございます!)

下鴨神社 光琳の梅  


この梅は尾形光琳が代表作・紅白梅図屏風に描いた梅だとされています。
すると絵に描かれた小川はみたらし池から流れ出る小川なのでしょう。
現在、白梅はありませんが当時はあったんでしょうか?
また絵には太鼓橋は描かれていませんが、当時ここには太鼓橋はなかったのでしょうか?

光琳の梅についての好奇心もつきることはありませんが、今回は下鴨神社の御祭神・鴨建角身命(かもたけつぬのみこと)=八咫烏がなぜ三本脚なのか、について考えてみたいと思います。

●八咫烏=サルタヒコ=ニギハヤヒ


八咫烏の正体についての私の考えは、以前の記事・城北公園 花菖蒲 鴨 『八咫烏(鴨建角身命)の正体』 に書きました。

まとめておきましょう。

①初代神武天皇は日向より東征し、機内入りをめざした。
神武は河内国へ上陸し、地元の豪族・ナガスネヒコの軍と戦って敗れ、南に迂回して紀州から上陸する作戦をとる。
神武が熊野を北上する際、八咫烏が現れ、神武天皇を道案内した。

②神武の先祖・ニニギが高天原から葦原中国へ天下る際、サルタヒコという神が道案内している。
八咫烏とサルタヒコはどちらも道案内する神なので、同一神なのではないか。
八咫烏=サルタヒコ

③サルタヒコは「高天原から葦原中国までを照らす神」だと記述がある。
天照国照彦火明櫛玉饒速日命(ニギハヤヒ)という神がいるが、天は高天原、国は葦原中國のことなので、「天照国照彦」とはまさしく「高天原から葦原中国までを照らす神」という意味である。
サルタヒコ=ニギハヤヒ

④天照大神はストリップダンスに興味を持って天岩戸から出てきたので男神だとする説がある。
天照国照彦火明櫛玉饒速日命(ニギハヤヒ)が本当の天照大神ではないか。

⑤ニギハヤヒは神武が機内入りする前に天下っていたとされるところから、畿内には神武以前に物部王朝があったとする説がある。

⑥梅原武さんは「八は復活を意味する数字」とする。
八角墳・・・死者の復活を願って作った古墳
八咫鏡・・・天岩戸にこもった天照大神を復活させた鏡

⑦八咫烏は中国や朝鮮では太陽の中に描かれることが多い。
八咫烏とは復活した太陽神・ニギハヤヒなのではないか。
サルタヒコ=ニギハヤヒ=八咫烏

⑧怨霊は祀り上げると守護神になると考えられていた。

下鴨神社 光琳の梅3

●『歓喜天』と『伏羲&女媧』は習合されていた?

次に八咫烏はなぜ三本脚なのか、について考えてみましょう。

以前の記事、飛鳥座神社 おんだ祭 『おんだ祭はサルタヒコを鎮魂する儀式だった?』 で私はこんなことを書きました。

①神はその現れ方で、御霊・和魂・荒魂に分けられるといわれる。
御霊・・・神の本質
和魂・・・神の和やかな側面
荒魂・・・神の荒々しい側面

②女神は和魂、男神は荒魂であるとする説がある。
御霊・・・神の本質・・・男女双体
和魂・・・神の和やかな側面・・・女神(おかめ)
荒魂・・・神の荒々しい側面・・・男神(天狗)


③明治まで神仏は習合されて信仰されていた。

④仏教の神・大聖歓喜天にこんな伝説がある。
鬼王ビナヤキャの祟りで疫病が流行った。
そこで十一面観音がビナヤキャ女神に姿を変えて鬼王ビナヤキャの前に現れた。
鬼王ビナヤキャはビナヤキャ女神に一目ぼれし、妻になれと命じた。
ビナヤキャ女神は「仏法守護を誓うのならばあなたの妻になりましょう」と言った。
鬼王ビナヤキャは仏法守護を誓ってビナヤキャ女神を妻とした。

この話から、夫婦和合は怨霊=荒魂=男神を、和魂=女神と和合させることによって鎮魂する儀式であると考えられる。

下鴨神社 光琳の梅4

http://www.sakai.zaq.ne.jp/piicats/kannki.htm ←こちらのサイトに歓喜天の絵が掲載されています。
歓喜天はビナヤキャ女神がビナヤキャの足を踏みつける姿であらわされます。

次に、中国の神・伏羲&女媧のお姿を見てください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8F%E7%BE%B2#/media/File:Anonymous-Fuxi_and_N%C3%BCwa3.jpg

腕がつながっているので、腕が3本に見えますね。
私は伏羲&女媧は歓喜天(ビナヤキャ&ビナヤキャ女神)の影響を受けて創作された神ではないかと思います。

歓喜天はビナヤキャ女神がビナヤキャの足を踏みつけていますが
伏羲&女媧はもともとは女媧が伏羲の手を押さえつけていたのではないでしょうか。
それが簡略化されてこのように手がつながったお姿になったのではないかと思います。
ビナヤキャは足を踏みつけられていますが、伏羲は足のかわりに手を押さえつけられているのではないかということです。

下鴨神社 光琳の梅2

●『歓喜天』と『伏羲&女媧』と『道祖神(サルタヒコ&アメノウズメ)は習合されていた?

道祖神は中国から日本に伝わった神ですが、日本では道祖神はサルタヒコとアメノウズメの男女双体の神とされています。
そして道祖神は手を握り合う男女の神像で表されることが多いです。 http://www15.wind.ne.jp/~kurasho/history/img/03saruyas.jpg
 
これは手を握りあっているのではなくて、サルタヒコがアメノウズメに手を押さえつけられているの図だと思います。
というのは、サルタヒコは「貝に手を挟まれて死んだ」とされているからです。
貝とはアメノウズメの女性器の喩えだと考えられます。
またアメノウズメはニニギに「サルタヒコにつかえよ」と命じられていますが、これは「性的につかえよ」という意味だと思われます。

道祖神が手を握りあうお姿で現されるのは、性的に結合していることのサインなのだと考えられます。
伏羲&女媧の手がつながっていたり、ビナヤキャ女神がビナヤキャの足を踏みつけているのも同様のサインだといえるでしょう。

そしてすでに述べたように、八咫烏とサルタヒコは同一神だと考えられます。
いや、正確にいえば、八咫烏とは荒魂であるサルタヒコが和魂であるアメノウズメと結合して、守護神となったもののことだといえるでしょう。

比翼の鳥は、雌雄それぞれが目と翼を一つずつ持っているとされます。
この比翼の鳥をベースにし、手または足がつながっている(押さえつけられている)ことを示すために、八咫烏の脚は3本に描かれるのではないかと思ったりします。



毎度、とんでも説におつきあいくださり、ありがとうございました!

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[2016/02/24 00:00] 京都府 | トラックバック(-) | コメント(-)